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俺はドMに目覚めない   作者: 幸運を殺す者
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第十八話 勘違いの理由と初報酬

今回会話多めとなっております。

「ひーふーみーよーいつむーななやー。」


切り落したエイトモンキーの頭を横一列に並べ、その数を数える。ちゃんと八匹倒せているようだ。

クラスグリーンの魔物だからか、スキルの効果かは分からない。だがあまり苦労はしなかった。


しかし一度首を落とされたおかげで気になっていた、魔物と欠損と代償の関係についてわかったことは幸運だったと言える。

欲を言えば、彼らは異様に首を狙ってきたので魔法防御がカンストするまで首を落としてもらうのも良かったかもしれない。


若干の後悔をしながら、討伐の証拠として耳を剥ぎ取る。木のツルで縛って両耳1セット。

毛深いからか8セットも持つと巨大な毛虫のようで気味が悪い。

早くギルドに行って預けてしまおう。


足早に森を抜ける。何度目になるだろうか、もう小屋から関所までの道は覚えてしまった。

関所につくと兵士に止められる。


「前にアレクベルク騎士団長と一緒に来た・・・ナイ様?」

「そうです。お久しぶり、ってほどでは無いですね。その節はどうもです。」

「ハハハ、その手に持ってるのはエイトモンキーですかな?」

「おっと分かりますか。討伐依頼が出ていましたので・・・」

「左様でしたか・・・しかし群れの討伐とは、流石は団長のご客人。既にクラスイエローの冒険者でありましたか。」

「いえ・・・?自分はクラスグリーンですよ。」

「なんと、それは。いえすみません、勘違いです。お気になさらず。ご無事でよかったです。」

「?・・・分かりました。ありがとうございます。」

「お呼び止めしてすみませんでした。ゆっくりとお休み下さい。」

「お気遣いありがとうございます。では、また。」


そう言うと、はじめて来た時と同じように深々とお辞儀をして見送ってくれた。



ギルドにつくと、葡萄酒の香りと香ばしい肉の焼けた匂いがする。

受付には誰の姿もなく、キッチン越しに話をするミリーナとリーゼの姿。

声をかける前にミリーナに勘づかれた。


「おっナイくーん、もうお疲れかな〜ってうげっなにそれきもちわるー。」

「お疲れ様、ナイくん。出来ればそれ持ってこっちにこないでね。」


酷い言われようである。まあこの見た目なら仕方はない。一応キッチンからは遠い受付あたりまで歩きながら返事をした。


「この依頼、エイトモンキーの討伐完了しました。受付お願いしたいです。」

「ミリーナおねが」

「いやー料理でいそがしいなあ〜、なんたって料理長だもんなー。火も扱ってるから危ないなぁ〜、誰か受付できる人いないかなぁーってリーゼ!ちょうどいい所にいるね〜よろ〜。」

「はぁ、わかったわよ。」


依頼書を見せ催促をすると、茶番の後に渋々リーゼさんが受付に来た。討伐証拠預かり台にエイトモンキーの耳を乗せるのを見て少し不思議そうな顔をしている。


「エイトモンキーの討伐依頼だったわよね?」

「はい、そうですけど・・・もしかして間違ってました?」

「いえ、あってるわ。これは間違いなくエイトモンキーの耳ね。」

「なら。」

「いやそのね、多くない?」

「えっでも受付の時、ミリーナさんは1匹見たら8匹いると思えって言ってましたよ?」

「はぁ・・・素直すぎるのも考えものね。確かにエイトモンキーは群れでの行動が主なんだけどね。単体と群れじゃ討伐の難度が段違いなのよ。」

「えっーとつまり?」

「エイトモンキー単体ならクラスグリーン、群れならクラスイエロー相当。あなた凄いわね、よく生きて帰ってきたわ。ミリーナ!ちょっと来なさい!」


関所での兵士の反応はこれが理由だったらしい。

確かに、一体の一撃を凌いでも群れで波状攻撃されたら危険だろう。頭の中で情報を整理していると、エプロン姿でミリーナが走ってきた。


「もーなんでおこってるのー?なんか問題〜?」

「あなたこの依頼書の内容、エイトモンキーを一匹討伐って言ったの?」

「んー言ったような言ってないような・・・でもでも1匹見たら8匹いると思えってお話はしたよー?」

「はぁ、見なさい、この数。この子馬鹿正直に群れの討伐をしてきたわよ。一歩間違えたら頭と体がオサラバしてたってのに・・・注意は大事だけど、ちゃんと教えてあげなさい!」

「うぅーごめんなさい、ナイくんもごめんね?」

「いえいえ、大丈夫ですよ。この通り無事ですから。」


すまない。嘘だ。1回首とれてるわ。


「ただこれは考えものね・・・ナイくん?文字のお勉強する気ない?」

「したいですけど・・・教材のようなものがあったとしてもそれを買うお金がありません。」


「それは安心していいわ。あなたが達成した依頼は本来ならクラスイエロー相当だし、きちんと群れの依頼達成報酬をだすわ。そこらへんうまくやっとくから任せてちょうだい?」

「あ、はいありがとうございます。」


「そうね。安心したいでしょうから今支払いを済ませるわ。」

「はい、分かりました。」

「まずクラスイエローの基本達成報酬銀貨10枚。

それに加えて格上討伐の報酬、これは基本達成報酬の2割にクラス差をかけた分が追加なの。

差は2だから銀貨4枚。あとはギルド側として危険回避の説明不足があるから基本達成報酬の半分を追加してと、締めて銀貨19枚よ。いきなりお金持ちね。」


「すみません、どのくらいなのか教えてもらっても?」

「えーっとねー銅貨100枚で銀貨1枚なんだけどー。ふつーのかていは銀貨10枚もあれば、じゅーぶん1年をくらせるとおもうなー」

「一般家庭約2年分の収入ね、どう?実感わいた?」


「はい、すごくわかりやすいです。2人ともありがとうございます。あ、文字の勉強にはいくら位かかりますか?」

「失礼。脱線してたわね、私でよければ教科書含めて銅貨10枚くれれば分かるまで教えてあげるわ。」

「ほんとですか?是非お願いしたいです。」

「ええ、いいわよ。じゃあ銅貨10枚差し引いて、銀貨18枚と銅貨90枚渡すわ。教科書はこっちで準備しておくから、勉強は明日からでもいい?」

「ありがとうございます。では、明日からよろしくお願いします。」


「はいはーい。あ、ミリーナごめんもう行っていいわよ。」

「んー!わかった。じゃねナイくん。」

「お疲れ様です。」


時間はまだ昼だ。もうひとつくらい依頼を受けるのも悪くは無いが、その前に腹ごしらえをしておこう。


午後からの依頼では死ねるだろうかと心躍らせつつ、無料の配給を目当てに先程別れたミリーナの元へと歩みを進めた。

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