第零話 渇望した終わり
この物語はフィクションです・・・
暴力的な表現、残酷な表現、薬物の使用、飲酒喫煙等が含まれます・・・
よろしくお願い致します・・・
「また生き残ってしまったか」
布団から起き上がりながら呟く。
枕元には横たわる空の錠剤の瓶と、ほのかにアルコールの香りを漂わせる空き缶達。
昨夜も彼らがもたらしてくれたのは望みとは違い豊かな安眠であった。
目覚めと共にこの光景を目にするのは何度目だろうか。そんなことを考えながら仕事に行く準備を始める。
朝食はいつも通り三ツ星レストランも驚きのメニューだ。
プロテインの栄養ドリンク割り~10秒の誘惑を添えて〜
シェフのこだわりがうかがえるね、クソが。
あまりの優雅さに一瞬にも思える食事を済ませ素早く服を着替えて玄関の扉を開く。
するとそこには、剣や魔法の世界が広がっている・・・なんて素敵な夢物語はなく見慣れた廊下と落下防止のチンケな柵があるだけだった。
いつも通りの道、いつも通りの警告音、ふと違和感を感じ携帯を開く。
表示される時間は午前10時。
「ふむ、なるほど」
遅刻しているようだ、頭は焦り身体は言うことを聞かずに一瞬で冷や汗が背中を伝う。
条件反射で腕は前に突き出され立ち入り禁止の棒を振り払う。脚は強く地を蹴り体が前に進む。
いつも通りの道、いつも通りの警告音、ふと違和感を感じ携帯を開く。
画面に反射する大きな鉄の塊とそれを隠すように広がる赤く染まる液体が目に映る。
耳に聞こえる警告音は鳴り止むことなく、車輪と鉄が擦れる音が不協和音のハーモニーを響かせる。
騒がしいほどに素敵な雑音の中に混じる肉が砕ける音をはっきりと認識して納得する。
「あ”あ”・・・やっと死ネタ」
誰に聞こえることも無いその小さな呟きを最後に意識は失われた。
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