先天的スキル 後天的スキル
学校についた俺たちパーティ一同は周りから奇異な目で見られた。
なぜならほかのパーティは傷一つおってなかったからだ。アンナとユイをすぐに医者に見せた。
「これはだいぶ痛めつけられたねぇ。でも大丈夫僕がみれば心配いらないよ。君の時みたいにすぐに回復させて見せるさ」
「ありがとうございます」
レイと俺は同時に言った。
「そういえばどうやってあのゴブドナイドをたおしたの?あんなの一人で倒せるわけない。あなたには後天的スキルの女神からの寵愛をもらってるんじゃないの?先天的スキルはみんな持ってるしレベル上げもできるわ。でも後天的スキルは選ばれしものしかもてない。たとえばこの世界の救世主とか転生者ね。あなたは転生者じゃないの?」
さすがは頭のいいレイだなと思った。なんといいわけしたらいいものか······。ん~と考えてると
<<久しぶりです女神です>>
と頭の中に響いた。
<<よかったこれで何とかなるだろ>>
<<女神はそれではあなたにレイをごまかすために先天的スキルを授けます。本当はこれは二つは持てないものですが、後天的スキルをばれてしまってはあなたが狙われる可能性があります、この世にはスキルを盗むスキルも存在するのです。ですからなにか授けましょう。ん~投擲を絶対外さない能力なんてどうです?>>
<<剣士なのに投擲ですか?もうちょっと格好いいのでおねがします。たとえば俺の剣だけ絶対折れないとか>>
<<レイの前で剣を折っていますよ。それではもうスピードは持っているのでパワー系スキルにします。相手と同等のパワーになる、それならゴブドナイドを倒した説明もできましょう。それでは。>>
意外にあっさりと話は終わってしまった、そして俺はレイにその能力のことを説明した。
先天的能力があると後天的能力は持てないその考えがあって簡単に納得させた。
「わかったわでもその能力が少し不便な感じもするわね。素手じゃないといけないなんてもっとレベル上げれば武器に付与できるかもね。それじゃ証明してもらいましょうか」
そういってレイは机の上に肘をのせてきた。
「腕相撲よ、やるでしょ?」
「まだ信じ切ってないわけね。じゃぁとくと見せましょう女の子にさえ勝てないが負けもしない能力を」
そういって腕を差し出し医者の掛け声で腕相撲が始まった。マジかこの細腕にさえビクともしない、本気でやっているのに、レイも本気だ。しかしふたりともぐぬぬ、というだけで決着はつかなかった。普通なら少しは動くが全くと言っていいほど腕は微動だにしなかった。
「信じるわ。さすがにこれだけやっても動かないなんておかしいものねゴブドナイドを倒してくれてありがとう、スキルなしでやってたらどっちが勝ってたかしらね、フフ」
「それは俺が勝ってたよ、たぶん」
おれはゆっくりかみしめるように言った。