阿鼻叫喚
いた、はやり上位種のゴブドナイドだった。手には棍棒を持っているがゴブナイドのものよりはるかに大きい。青みがかった肌に筋肉がかなり発達している。そして目が黄色かった。
「どうする?これはあきらかに撤退したほうがいいと思うんだが?」
俺はアンナにもちかけてみた。
「やる。絶対殺す」
「ちょっと待って冷静に」
レイがアンナに落ち着くように諭すとアンナは少し冷静になってくれた。
「相手は私たち新入生が勝てるような相手じゃないわ。ここは一旦引いて先生たちを呼びましょう。」
「くそ、村のみんなの仇もとれないのかよ。」
そんなことを話しているとゴブドナイドに気づかれた。だがまだ距離がある何とか逃げようと言いかけた時、もうお目の前にそいつはいた。
あの馬鹿デカい棍棒でアンナが吹っ飛ばされた。腕が折れたか、吹っ飛ばされ壁にたたきつけられる。
アンナはそのまま気絶した。
「うぉぉぉぉぉ」
という声が上がりユイが刺突ストリームを使うが2撃与えたところで棍棒が上からものすごいスピードで降ってくる。ゴツンと鈍い音がしてユイは膝から崩れ落ちた。
レイはおびえてそれどころではないようだった。松明を必死に握りへたり込み股間から尿を漏らしている。
ゴブドナイドはゆっくりアンナのほうに近づいていき服を破る。俺でもわかる犯そうとしているのだ。そんなことはさせない。
「うおおおおおお」
隠しスキル発動俺は爆速ダッシュでゴブドナイドの背後に回る。モンスターにこのスキルが効くかわからなかったが真剣を後頭部に思いっきり打ち込んでみる。
「ギャリィィィィン」
と甲高い音が鳴り真剣が折れてしまった。
しかしゴブドナイドはアンナを離し標的を俺に向けてきたなぜスキルが発動したのに倒れない。
ゴブドナイドが棍棒を振り下ろしてくるまた俺はスキルを発動させる。
背後は取れるが真剣が折れた今どうしようもない。アスカを気絶させた時を思い出す。そういえばあの時軽く首筋を叩いただけだった。
「素手じゃないとだめなのか」
何度も振り下ろされる棍棒そしてスキルを連発する俺。
考えがまとまり素手で今度はアスカの時とは違い思いっきり首を叩いてみた。ズゴンと洞窟内部全体に響くような音が鳴りゴブドナイドの首はきれいに真っ二つに切れた。ゴブドナイドは膝から崩れ落ち首は地面に叩きつけられた。
「なんとか勝てたか」
しかし俺がやったなんて誰も信じないだろうな。アンナとユイは気絶しレイは震えてこっちを見ていなかった。
「レイ、終わったよ帰ろう」
俺は優しく言った。
「終わった?」
泣きながらレイは聞いてきた。
「ああ」
だから気絶している二人を一緒に学校まで運ぼうどっちも重症だ。
おれはアンナに自分の服を着せて立ち上がる。
レイもユイを肩で担いでいた。
そしてゆっくりと学校へ帰る。