冒険パーティ
教室では授業が始まった。
今日は冒険のパーティを決める大切な授業だ。
大体は先生が全員のパラメーターを見てパーティを決めてくれるが果たして誰と組めるのか楽しみではある。
できればカイルとアスカとは組みたい。
「では、発表する。ライはアンナとユイとレイだ」
先生はどんどん発表していく。
マジか、全員女の子でしかも剣術に秀でてる子たちばっかりじゃないか。
アンナはパワー、ユイは素早い連撃、レイは頭のいい子だ。パーティに問題はないがあるとすれば俺が一番ダメだな。だから先生もこのメンバーにしたのかもしれない。
「同じパーティになれなくて残念ね。」
アスカがにやにやしながら話しかけてきた。
「まぁしょうがないよ。俺は剣術劣等生だからね。」
「よし、このメンバーでまずはゴブナイドを倒しに行ってもらう。」
先生は言った。
「アスカ、ゴブナイドってどんなの?」
「あんたそんなのもしらないの?棍棒を持った頭の悪いモンスターよ。主に洞窟にいるわね。まぁ授業でも技の試し打ちしたりするようなモンスターだからはっきり言って弱いわ。」
「そうなのか。じゃぁ俺は後衛で見てるだけでおわりそうだな。」
モンスターか、見たことないからちょっと怖いな。
「よし、じゃぁ今言ったメンバーでパーティを組みゴブナイドを狩ってこい。」
アンナ、ユイ、レイが俺のもとに来る。
「明日はよろしくな」
アンナは元気よく言った。
「ああ、こちらこそよろしく頼む。」
そして次の日。
早朝学校の教室に集合し俺たちはゴブナイドを狩りに出かけた。
前衛はアンナとユイ、後衛は俺とレイに決まった。
四人で洞窟を目指した。
その間にアンナが俺に何で男なのに前じゃないんだ?とにやにやしながら聞いてきたが俺は何も答えれなかった。本当は前でかっこよくモンスターを倒したいが見たこともないし後衛でとりあえず様子見するしかなかった。
ガラッグ洞窟についた。学校から西にある小さな洞窟だ。
「門番が立ってたりしてないんだな。」
俺は小さく言った。
「そんな知能なんかもってないさ。ただ繁殖力だけはすごいからこうやって授業とか定期的に狩ってるって感じかな。」
アンナが答えてくれた。
「それじゃ洞窟に入るかみんな真剣を装備、後衛は真剣と松明な。」
アンナは慣れた口調で言った。
真っ暗な洞窟に入っていく、下水のようなにおいがした。少し鼻をおおった。とりあえず松明に火をつける。
「ゴァァァァァァ」
洞窟の中からモンスターらしき声がした。
俺は一瞬ひるんだが三人とも全くひるむことなく中に進んでいく。
ゴブナイドが一匹いた。
「おおらぁ」
威勢のいい声と同時にアンナのスキル脳天割りが炸裂し一発でゴブナイドは息絶えた。
「この調子でいこうぜ」
アンナはいいリーダーになりそうだなと思っていると奥に2匹いる。
なにか様子が変だ。
ゴブナイドは交尾の最中だった。
そういうのに免疫のないレイは松明をもって後ろに下がっていく。
しかしアンナとユイは臆することなく交尾真っ最中のゴブナイドを倒しに行く。
ゴブナイドはこちらに気づいた。
交尾を邪魔されたのでかなり怒っている。
アンナはメスのほうにスキル脳天割りを炸裂させ、ユイはオスのほうに連撃スキル刺突ストリームをいきり立った股間に連続で当てていく俺はそれを見て股間が痛くなった。
「ふぅ。これで三匹か後何匹狩る?」
アンナがユイと話している。
とその時洞窟の奥から「ガァァァァ」と洞窟が揺れるような大きな音がした。
「今のは、ゴブナイドの声じゃない、その上位種のゴブドナイドの声よ」
後ろで半歩下がっていたレイが言う。
「じゃぁここで帰ったほうがいいな三匹も狩ったし、俺は何もしてないけど帰ろう」
と、提案してみたがアンナがゴブドナイドを倒したら成績優秀で一気に上級生にあがれると言い出した。
「どんな奴かわからんけど勝算はあるのか?」
「いやほとんどない。でも私は倒したい。私の村はこいつらに燃やされ女は犯され男は殺された。だからゴブドナイドを殺したい」
「わかった、でも無茶はしないでおこう。無理そうならすぐ撤退することそれでいいかい?」
アンナは了承した。
「ゴブドナイドに勝てる確率は多く持っても10パーセントくらいよそれでも行くの?」
レイが震える声で言った。
洞窟を進んでいく、すると木の扉があった、知能はないはずだがゴブナイドの上位種ゴブドナイドは少しは頭がいいらしい。
アンナはそっと扉を開けた。