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剣術武術魔法の世界の転生者  作者: 椎名南凪
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序章

 楽しさや面白さ、これの違いは何か? 苦痛や痛み、この違いは何か? そんなことを考えながら朝を迎えた。


 夜眠れなくなるといろんなことが考えを巡る。死とは何か。生きているとは。呼吸をしているだけ。心臓が動いているだけ。それだけで生きてることにはとりあえずなるだろう。それでは死とはなにか。俺は少し死に魅了されていた。死んだらどうなるんだろう。高校一年生の俺の興味はそこにしか無かった。

 母は病気で入院、父親はいない、、兄弟もいない、毎日学校には行かず朝は新聞配達、昼はコンビニ、夜は工事現場でバイトをしていた。


「こんなもん、なんで生きてるかわからねぇな」


 母親はがんの末期だった。治すすべはなく俺はとりあえずバイトをしまくって何とか入院費を稼いでいた。それでもまだまだ足りないわけだが、やらないよりはましだった。どんどん衰弱していく母を見ていられなかったから。そしてある日母は死んだ。すい臓がんで何色かもわからない液体を吐いて。葬式もするお金もない俺は何のためにここまで生きてきたんだろ。バイトはそのまま続けていた。しかし母の死後俺の体力も限界で倒れた。しかも過労死だ。高校生で過労死って笑えるな。まぁでもやっと休める。


 ······。


「ここは······?  」


 看護師らしき人が俺が目を覚ましたことに気づく。


「目が覚めたんですね! よかった! 今先生を呼んできます! 」


「······ここは病院か? 」


 窓のから爽やかな風が肌を撫でる······。


 どこの病院だろ。まちがなく母親の病院とは違う場所だ。


「先生こちらです! 」


「やーよかった。このまま目を覚まさないかと思ってしまったよ」


「俺は······俺はどのくらい眠ってたんですか? 」


「二日だよ、でもパラメーターに以上はないし隠しスキルがひとつ増えたみたいだよ。怪我の功名ってやつだね。明日には退院出来そうだ」


「え? パラメーターってあの攻撃力とかのあのパラメーターですか? 」


「そうだけど。それがどうかしたのかい? 」


「いえいいです」


 これは夢じゃないのか。じゃぁパラメーターってなんだ? 

 あと隠しスキルとか言っていたが一体なんなんだろ。医者に聞いてみようと思い、声を出しかけた時、頭の中で声がした。


 ······<<和人······和人······やっと通じた>>


<<なんだなんだ!? あんたは誰だ? 頭の中で声がするなんて>>


<<私は簡単に言うと女神ね。このまま頭の中で会話を続けて頂戴>>


 女神様か······。


 って女神様!?


<<あなたの名前、和人をこちらの世界で使ってはいけない······。こちらではライと名乗りなさい、わかりましたか?>>


 俺はいったい。あのとき、そうだ、夜の工事現場で倒れて······。


<<聞いていますか? あなたにはここでやってもらいたいことがあります。こちらの世界を救って貰いたいのです。>>


<<救う? まだ何も把握できていないんですが、んー······。そういえばパラメーターなんて言ってましたが俺はどのくらいなんですか? >>


<<大体レベル1です。はっきりいって弱いです。赤ちゃんレベルです。>>


<<俺弱いですね。まぁいいか、そんな俺が世界をを救えるんですかね? >>


<<あなたには使い方次第で最強ともいえる隠しスキルを授けました、あなたにしか使えません。そしてその都度その時が来たらスキルを授けましょう。あなたが救世主だとばれない程度に。まずは訓練校に通って貰います。そこで剣術を学びましょう>>


<<訓練校ですか······。>>


<<あなたは剣術の授業中に頭を打って気絶したことになっています。回復魔法では病気などは治せません。だがら医者がいるのです。医者は高位の回復魔法と医療術を持っています。>>


<<そうですか······だから二日も寝ていたんですね。ふー······。とりあえず訓練校ってのに通いますよ。>>


<<ありがとうございます。この世界に災いが何度も降り注いでいます。それに打ち勝って下さい!>>


<<わかりましたよ。それに勝ったら元の世界に戻れるんですか?>>


<<それは無理ですよ。なぜならあなたは······あのとき死んでしまったのですから。>>


 そこで女神との会話は切断された。肝心なところで話し終わっちゃったな。


 そういや俺死んだんだな。

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