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薄紅色の花が咲いたら  作者: 巻乃
42/56

芽吹きー36

これから暫く何話か暴力的な表現が続けて出てきますが、話の内容の上であり、暴力等を推奨するつもりは一切ありません。宜しくお願い致します。

 視線がひたすら気持ち悪かった、頭のてっぺんから足の先まで嘗め回すように見てきて、すごく気持ち悪かったと、部屋に着いてすぐソルに訴えました。怖かったのもあったのでしょうか、自然に涙も零れてしまいました。ソルが私を抱きしめながら、頭を撫でてくれました。そうして私が落ち着いてきた頃に話をしてくれたのでした。


「プリムラ、父上が声をかけられた相手というのは、前回のスキル持ちがいた帝国の皇帝の弟なんだ。ジェイド様やストック様と同い歳で、正妃も側妃もいて、側妃は29人、王妃を入れて30人、「日替わり妃がいる女好きの皇弟」と言われている。だが、何故か子供は一人もいない。行く先々で側妃を見繕って、側妃を入れ替えているんだ。その標的にプリムラがなってしまわない様にと、父上が私と一緒にプリムラを逃がしてくれたんだ。」

「でも、ソル。帝国では私を娶れないって前に神様が言っていたけど、本当はどうなんだろう。」

「心配なら2人で聞いてみようか。」

「うん!一人じゃ聞けなくても2人だったら聞けるかも。」

「晩ご飯を食べたら、早くお風呂に入って寝る支度をしよう。そうしたら、詳しく話す刻(時間)もとれるだろうし。」

「そうする!」

「じゃあ、まずは食べよう。」


 そうして、食べた後、お風呂へ入って寝る支度をして、2人してベッドに入り神様に呼びかけました。2人して白くて広い場所にいたのです。3度目だから驚かないな。ソルも驚いていない。


 まずはプリムラ、今すぐ丸薬を飲んでもらおうか。刻(時間)がない。


 私は目の前に現れた丸薬をすぐに飲み込んだ。


 呼ぼうと思っていたから、呼んでもらって間に合った。馬車での帰り道をあちこちに移動してから家に帰って来たおかげで、まだ皇弟の影には気付かれてはいない。ピーオニー公爵にさっきの女性が居ると思って、皇弟は宰相の馬車に乗りこんで、今はピーオニー公爵家で茶を飲んでいる。だが、皇弟の影が馬車の痕跡からさっきの女性を捜している最中だ。見つかるのも刻(時間)次第だ、たぶんもう直ぐだろう。丸薬を飲んでしまえば、18歳のプリムラの痕跡を消せるので急ぎ飲んでもらったのだ。


 今日は神様の話し方がいつもと違う。私に言えない危険な相手が、あの皇弟だったんだと思った。ソルも同じ事に気付いたんだろう、私と目が合った。


 とにかく今回の話で、18歳のプリムラの危機を一先ず回避出来たが、3歳のプリムラは、まだ気を抜いてはならない。今回の皇弟の訪問は、帝国を代表して婚約の祝いに来た事になっている。だが、本当の目的は皇弟がプリムラと会い、スキル持ちの将来を見越して無理矢理に婚約を破棄させ、そのまま帝国で帝国至上主義の教育をしながら飼い殺しにして、15歳になり次第、皇帝の子か皇弟のどちらかの正妃として娶らせる、国家ぐるみの犯罪を起こそうとしている。


 だから、突発的に18歳になっていて助かったのだ。それより前に、3歳のプリムラを皇太子妃候補の娘の覗き見をしていたアホの皇弟には何故か気付かれなかった。その後、スキル持ちを捜しに来ていた皇弟の影に、3歳のプリムラが見つからずに済んでいたんだ。それが、最終日の帰る寸前に、18歳のプリムラが皇弟の側妃候補として目を付けられるとは思わなかった。忌々しくも直前の行動を変えて、あの場所でプリムラと遭遇したんだよ。ちっ!悪運の強い奴め!


 舌打ち?神様に何が?帝国とは何があったの?


 この話をするなら、前回のスキル持ちの話をしないとならないか、んー、2人を戻す刻(時間)はここを訪れた刻にしておくから、ちょっと昔の話を聞いてくれるかな。前のスキル持ちが200廻(年)も前だったのは知っているかな?その前回スキル持ちだった女性は、帝国で小さいうちに皇室で飼い殺しされて、帝国至上主義を教育されていたんだ。でもね、スキル持ちだったおかげで表面上は帝国に従っている姿勢をして、皇室から逃げ出す準備をしていた。その頃には女性が14歳になっていた。15歳になれば、強制的に結婚をさせられてしまうから、その女性は協力者と逃げる寸前だったんだ。聞かされた話なら、この話の続きでは、市井に逃げ出し、見つけてくれた恋仲の皇弟と皇太子を断罪し、皇弟と幸せに結婚したと伝わっていただろうが、本当は違う。


 協力者は平民の彼女の幼馴染で、騎士にまでなって彼女を逃がそうとした。彼女を逃がしたら、死ぬつもりでいたんだ。彼女は幼馴染の騎士が初恋で、逃げたら結婚しようと思っていた。2人は逃げ出せた。だが、皇弟の見張り付きで逃がされたんだ。皇太子は皇弟の愛人に誑かされて、派手な婚約破棄の芝居を演じさせられた。逃げた2人の恋が実った所に踏み込んで、幼馴染の騎士を人質にして結婚した。


 その頃、私はこの世界をもう一人の神と見守っていた。その神が自分に任せてもらえないかと言うので任せた結果、スキル持ちが不幸な結婚をするに至った。その神は自身が面白ければいいと皇弟に加護を与えていたんだ。悪運が強いのは、その加護が魂に付加されていたんで、気付かれなかったんだろうと思う。引っ剥がしてやらなければ!うん、悪運の強い加護をすぐに引き剥がそう!今夜中に剥がしておくから、2人は安心しておいてくれ。


 話の途中だったな、話を続けよう。

 私はそれを知り、急いで騎士を助けて逃がし、元皇弟の現皇帝になった者がスキル持ちに一切興味を持たない様に、皇帝の寵愛を欲する皇帝好みの女性を何人も宛がった。その隙にスキル持ちを逃がして、他国に渡った幼馴染と彼女を再会させて結婚させたんだ。その後2人はその国で幸せに暮らしたんだよ。


 帝国からはギリギリで逃がしてあげられたが、帝国の罪と皇帝になった元皇弟の罪、その両方の罪は重い。スキル持ちが400廻(年)生まれなくなる所だったんだ。


 だが、もう一人の神の罪もある。その神の罪を差し引いたから、200廻(年)もスキル持ちが生まれるまでの間が空いたのだ。もう一人の神は、この件で大神の怒りをかい、神の力を全て取り上げられ、人としては特例の大量の試練を与えられて違う世界に人として生まれ変わらされた。まだその世界で試練をこなしているだろうな、何十回生まれ変わっても終わらない試練の数だから、さ。


 今の皇弟はその元皇弟から皇帝になった魂の生まれ変わりだ。記憶はないのに卑怯なやり口が生まれ変わり前と変わりなく、非常にうっとおしく忌々しい奴だ。前のスキル持ちの彼女の魂も記憶こそないが、この世界に生まれ変わっていて、今もプリムラを心配しているよ。


 私、今回、まだ気が抜けないんですかー!!「その厄介なのがまだいるんですか。はぁ。」


 そうだ。ジェイド王も会わせないようにストックに協力を仰いでいる。学院に留学して来ていたから同級生だ。奴の汚い卑怯なやり口でイリスが危険に晒された事もあるので、ストックは娘を攫おうと策謀を巡らせている皇弟には、油断してはならないと見張っているよ。エレガント王妃もその汚くて卑怯なやり口で策謀を仕掛けられていたが、ジェイドが凌いで無事でいるのだし。2人共、あの皇弟を追い返そうと躍起になっているが、悪運の強い加護で効果があまり出ていなかったんだ。宰相も奴のやり口を知っているので、君達に接触させないようにしていたんだ。


 だが18歳のプリムラと接触してしまったので無駄だったようだ。今は、あの娘は婚約者との結婚届を出した帰りだったと、のらりくらりと躱している。私もどうしようかと考えてはいるが。奴なら後7廻(年)なら待っていそうだぞ。


「私はソルと結婚したいから痛いのも辛いのも我慢できるし、我慢するけど!!そんな奴と結婚するために我慢なんかしたくないつーのっ!!!」

「誰かがその皇弟を暗殺してくれないですかね。正確にはスキル持ちの子孫でもないのでしょうに、何故かその言い回しで今回も押しかけて来ているし。」

「ソル!その言い回しを教えて!」

「スキル持ちの子孫だと言って、プリムラの情報をやたらに書簡で何度も聞いて来るんです。同じスキル持ちだし、気になるって。今回もその理由を前面に押し出して、この国に来て面会を求めているんです。」

「全くの嘘で、本当の事じゃないのに?」

「嘘なら聞いて来ても、こちらは答える義務もないですよね。まぁ、今までも一切答えていないですけど。そんな理由だけでは教えられませんって。」

「神様、その辺りが糸口になりませんか。父様達は知らないんですよね。その事実。神託出来ませんか?嘘で私の情報を引き出そうとしている上に、誘拐を画策していると。その責任者の皇弟個人に天罰出来ませんかね。私が恐怖でこの7日間部屋から出れなく動けなくなっていたとして。事実、3歳のプリムラは7日間、部屋から出ていませんし。」


 これ以上の正妃も側妃も娶れない、今いるだけの妃だけで終わりにしてやろう。犠牲者を増やさないように。


「私、スキル持ちだから、神様にわがままを聞いてもらえるんですよね。わがままを言わなくちゃ!スキル持ちに手を出したら、天罰が下るって知っているのに天罰を下されないなんて思わないでもらいたいって。まずは、私の希望で、気持ち悪い小父さんを退治して欲しいと頼まれたと。頭のてっぺんから足の先まで嘗め回すように見て来て、気持ち悪くて今日は号泣しましたから。ね、神様。私のわがままを聞いてくれるでしょう。」


 そうだねー。スキル持ちのわがままを聞くのも私の務めだよー。3歳の愛し子のわがままを叶えようか。気持ち悪い思いをしない様に犠牲者を増やせない様にして、妃を止めたい者は平民になる覚悟をしてもらおうか、どうせ、側妃の殆どは元平民だから。皇弟の影は、影の時の力と記憶を消して平民に戻すか。うんうん、何とかなりそう。まずはショービ国内の高位貴族限定で神託するか。ぶつぶつ…。加護も剥がして…。


「神様、眠くなっちゃった…。」「私も緊張がゆるんでしまいました。」


 丸薬が効いて来たか。ソルベール今夜を乗り切ってくれ。神託が聞こえてもそのまま知らんぷりをしていてくれ。ではまた。


「神様、ありがとう。おやすみなさい。」

「おやすみなさい。今日はありがとうございました。神託を聞いても、知らない振りを決め込みます。」


 気付くと私のベッドの上に2人でいました。「眠いの、おやすみなさい、ソル。」「おやすみ、プリムラ。18歳のプリムラに合うのは婚約式か。」「うん、でもソルだったら18歳の私には会えるでしょ。そのうち。」「そうだな、確かに会えるな。」キスをしてもらい、布団をかけてもらいました。丸薬で眠気が増してきました。


*****

 おはようございます!3歳、じゃなくて18歳のうちに4歳の私になっていたので、4歳の私、おかえりなさい!あー、身体が軽いー!寝ているソルにおはようのキスをしたので、ズボンとシャツに着替えて鍛錬に向かいます!


 着替えて部屋を出て廊下を歩いていると、メイド達に次々と抱き着かれました。昨夜、この屋敷の皆にも神託があって(神様、辻褄合わせをありがとう!!お供え頑張ります!!)、私が部屋に篭っていた理由が攫われる恐怖からだったと明らかにされたそうです。朝からワトソニアお父様は、陛下と父様と宰相様での4者の早朝会議を行うと王城に向かわれたそうです。お兄様は私の護衛として、陛下からの命もあり、落ちつくまでは私の護衛をするそうな。ここまで把握しているメイド達の情報網、侮れませんねー。


 少しでも攫われない様に努力をしたいので、お兄様との鍛錬に向かう途中なのを話すと、メイド達に応援されて見送られました。


 走り込みの周数を増やして、素振りを120回し終えたら、お兄様がいました。気配を消して近付いていたのに今日、気付きました。だからいつも、いつの間にか私の近くに居たんだと。

「おはよう、プリムラ。」

「お兄様、おはようございます!」

「父上はあの嘘つきを排除出来ると喜んで王城へ向かった。」

「イリス母様にも関係するんですか?」

「子爵家を使って、何人もの女生徒や姉上を襲わせた黒幕だ。寸での所に義兄上の助けが入って姉上は無事だったが。」(※ジェイドー1参照)

「なんて卑怯な…。」

「皇帝の子だったから、証拠がいくつもあったのにこれという決定的な強い証拠がなく、皇帝の子を追い落とすには証拠として弱くて、皇帝の子だから追い落とせなかった。王妃も危なかったが、陛下が未然に防いだんだ。」

「で、今回は昨日も含めて、私だったと。」

「そうだ、父上が朝から活き活きとしていた。では、打ち込みから行くか。」

「はいっ!」


 打ち込みも終わり、部屋に戻るとまだソルは寝ていた。物音をたてないようにお風呂場へ行き汗を流す。髪を魔法で乾かし、持って来ていた服に着替える。今日はピンクのワンピースだ。髪は魔法で編み込みにしてピンクのリボンをつけた。私が寝室に入って行くと、ソルがベッドの端に腰掛けていた。まだ寝起きで、寝惚けているのかな?


「おはよう、ソル。」ベッドに乗って、ソルのほっぺにキスをする。

「おはよう、プリムラ。」

「今日はピンク色かい?」

「ん、後で、ピンクのドレスに着替えてから王城へ行くの。」

「対策会議をしてから、帝国対策に公式で会ったと記録を撮るのか。今さっき、王城にて対策会議中と急伝令が私宛に来たよ。」

「私、ね、18歳のうちに4歳になってたの。気付いたのが今朝で、ソルに1番に言おうと待っていたの!」

「プリムラ、4歳の誕生日おめでとう。」

「だから、今日はピンクのドレスなの。」あなたの色を纏って公式の場へ出ます。他にはいませんって意味を表しているって理解してもらえたかな。

「18歳のプリムラも好きだけど、今のプリムラが徐々に大きくなってくれるのを待つのもいいなって思ってる。好きだよ、プリムラ。昨日は皇弟に盗られるなら、今すぐ結婚してしまおうと思っていたんだ。」それは、またぶっちゃけましたね、ソル。私は真っ赤になりましたよー!!抱きしめられています。キスもされました。これ以上真っ赤にはなれません!!燃えそうに熱いです!!そのまま抱きしめられています。

「着替えて、朝ご飯に行こう。護衛には大方グラジがついたんだろう。」

「そう、お兄様がこの事態が落ち着くまでの間の護衛になりました。でも、よく解ったね、さすがソル!」 

「私なら、プリムラの事を考えたら、そうするなぁと思ったんだよ。」

「ソルには分かるんだねー。何だか嬉しいな。」


 ソルが着替えに行きました。そして、朝ご飯を食べに食堂までエスコートしてもらって、朝ご飯を食べてから部屋に戻り、私はドレスに着替えて小物をつけて、自作の色付きリップクリームも塗って、ソルのエスコートで玄関まで行きました。


「おはようございます。今日は私とグラジオラス様が護衛を務めます。宜しくお願い致します。」朝食の時にマルスがいなかったのは、護衛の為の用意をしていたんだねー。剣も腰に差しているし、服がお兄様の近衛騎士の服とは色違いだし、執事で付いて来ていた時と違って、護衛に見える。凄いなぁ。

「マルス、今日は宜しく。お兄様とも一緒なんですね。」

「そ、こいつなら、護衛が出来るから、大丈夫。お兄様の俺とこいつに任しておけ。」

「お兄様、宜しくお願いします。」

「任せろ!」

「では、馬車に乗って移動しましょう。」ソルの声掛けで、玄関に待機していたピーオニー公爵家の馬車に乗って、王城に向かいました。


 王城の城門を難なく抜けると、王城の正面玄関で馬車が停まった。陛下の侍従が待っていたので、案内をされて、対策会議の行われている部屋に連れて行かれた。中に入ると素敵に笑う4人が居た。4人共、いい笑顔です。


「おはよう、プリムラちゃん。神託は聞いたかな?」

「おはようございます、陛下。寝ていたので、聞いていません。」

「良い子は寝ているから知らなくても当たり前だ。知っている事を話せるかな。」

「はい!ストック父様!あ!侯爵様!」

「ゆっくりでいいから、ね。」

「はい!最初は婚約した後に中庭で一人で鍛錬していた時、変な視線を感じました。頭のてっぺんから足の先まで嘗め回すような気持ち悪い視線でした。何度も見られていたのですが、グラジオラスお兄様が来たら、感じなくなりました。神様に聞いたら、帝国の皇弟だって聞いて、ソルベール様の前で号泣してしまいました。怖くなって、部屋から出れなくなりまして…。」

「それで、続きはあるのかな。」

「昨日も、その変な視線を感じて、号泣して、ソルベール様がいなかったら、今日ここに来れませんでした。昨日も神様に怖いと話して、あの変な視線の小父さんを、他の女の人とかに被害が出ないうちにどうにかして欲しいって、私がわがままを言ってしまいました。」

「なるほど、被害者を増やしたくないと。わがままじゃなく、お願いをしたんですねぇ。なんて優しい。ソルベール、素敵な婚約者殿で良かったな。」

「ええ、それはもちろんです。」

「ワトソニア公爵にもグラジオラス様にもソルベール様にも迷惑を掛けたくなくて、神様に相談しちゃったんです。」

「イリスも嫌な思いをしたと後から知って、悔しかった。プリムラは神様から、皆に話がいくようにしたんだね。」

「はい。変な視線の小父さんが嘘つきだって神様から教えてもらったし、陛下は忙しいから神託で皆に知らせようって神様が気を遣って下さったんです。」

「他にはあるかな?」

「私に会ったら、ソルベール様との婚約に文句をつけて婚約破棄をさせて、皇弟の影を使って私を攫って皇室で飼い殺しして、帝国至上主義の教育をして、15歳になったらすぐに変な視線の小父さんか、見た事もない皇帝の子供と結婚させて正妃に据えるつもりだったと、帝国の国家ぐるみの犯罪を起こそうとしていると神様から教えてもらいました。まだ事を起こしていないので天罰を下せないと言っていたのです。そこで神様から、変な視線の小父さんが無理矢理、帝国の力で側妃を入れ替えているんだと聞きました。私もその入れ替えられる側妃にされる所だったので、その力を使えなくして欲しいと神様に頼みました。」

「そして、昨夜の神託に繋がるのか。力を使えなくとは?」

「私に余分な手を出したら、天罰の筈、でもまだ天罰は下せない、それなら今まで被害を受けた女性が一杯居ると聞いたし、私のわがままで天罰を与えて欲しいと頼みました。スキル持ちの子孫だって言うのも全くの嘘だし、嫌な思いをする女性をもう増やしたくないんです。」

「侍従、記録はとっているだろうな。」

「はっ、確実に。」

「神託の内容とプリムラ嬢の内容が一致した、プリムラ嬢の言う事には嘘偽りがないと神託でも証明されている。では、公式に、帝国の国ぐるみの犯罪を防ぐために各国へこの後の公式面談を含めた内容も併せて送る事を約束しよう。」

「では、プリムラ嬢、帝国の皇弟とは公式に一度顔を会わせてもらわねばならない、ただ、あなたの歳を考慮して、希望を聞きます。」

「またあの変な視線を向けられるのは怖いです。ですが、私の婚約者と私の護衛をしてくれている2人も一緒なら、出来る限り頑張ります。」

「ショービ国の国王として許可する。3人の同席を正式に認めよう。」

「隣の部屋にて公式面談が準備されております。皆様、移動をお願いいたします。」陛下の侍従が言った。

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