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薄紅色の花が咲いたら  作者: 巻乃
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芽生きー33

 ワトソニアお父様と、グラジオラスお兄様、ソルが私の部屋に入って来ました。部屋に鍵をかけ、盗聴防止魔法と覗き見防止魔法を部屋にかけました。誰かに聞かれたり見られたりしない様に。


 私が、神様からもらった薬の入った水を知らずに間違えて飲んでしまった。その水を置いていたソルベール様と2人で神に叱責された。そうしたら、私は18歳の姿から7日間戻らなくなる罰を、ソルベール様は7日間寝ずに添い寝をする罰が下った。神様に相談したら、お父様とお兄様、宰相様の3人にだけは話してもいいと許可が出た。母親たちにバレると大ごとで、何が起こるか分からないので秘密にする事を厳守させられた。万が一、漏らしたら、天罰では済まないかもしれない。


 私の本当の名前と出自といる場所は一切話さず秘密にする事。王家には絶対一切話さずを厳守の上、貫く事。私の身に危険が迫っているので、ソルベール様と結婚するためには、全力でしつこい奴を吹っ飛ばせと神様からお墨付きをもらっている。ソルベール様も排除に全力を持って対処するように厳命されていると。相手については神様が良きに計らってくれるので、どんな相手でも、一切の心配がない事。


 婚約式に神が種明かしするまで他言無用。秘密厳守。これから、婚約式のドレスを採寸して作りに行かなくてはならない。宰相様にも大至急、連絡してここに来てもらい、説明する。家にいる間はこの部屋から出てはいけないと言われているので、この部屋でしか食事が出来ない。7日間はソルベール様に同伴して宰相室にも行かなくてはならない。今の私とソルの事情を2人に話したのだった。


 2人には私にイリス母様の面影があったので、すぐに私がプリムラだと分かってもらえたが、何て呼べばいいのか聞かれて、プランタンという仮の名で、略してプランという名で名乗る許可を神からもらっているのだと追加で話しました。


 お父様から、甘くないお菓子、ケークサレを特産品にする事を決めてから、料理長が頑張っている話を聞いていると、扉をノックする音が聞こえた。ソルが連絡したから急いで来たのだろう、宰相様が着いたようだ。確認すると宰相様だったので、宰相様にも部屋に入ってもらい、お父様とお兄様にした説明をもう一度、2人で宰相様にしました。


「歳の差を縮める為に無茶をしているのだから仕方ない、今回の事は、何処かで起きてもおかしくなかったのだと思う。」と、理解された。そうして、ソルベール様に「現金を持ち歩いていないだろう。ドレスは私の名で作り、支払いはお前でしなさい。当面の衣装代がかかるだろう。後で、働いて返してもらうから。」と、現金をソルベール様に渡していた。お父様もお兄様も宰相様も、母親達にはバレない様にここで契約書を作っておいて、何かの拍子で聞かれても、喋れない様にしておいた方がいいと契約書類を用意してあった。2家の魔法契約で喋れなくなる書類に3人が署名をした。私とソルは神との約束による契約がなされているから、話したくても話せないだろうと署名をしないで済んだ。


「父上、宰相室には遅れていきます。プランの仮の事情はどうしましょうか。」

「プラン嬢、髪や目の色を魔法で変えてもいいですか、な。誰だか黒髪や瞳の色でバレますから。」

「あ、神様から銀髪で、ピンク色の瞳見えるように今すぐするから見ていろ。寝ている夜だけは元の色に戻す。と来ました。」私が言い終わったら、私の髪の色がみるみる変わっていった。ほぼソルベール様の色だ、手鏡で瞳を見るとピンク色の瞳に見えた。ソルベール様みたく瞳に白は入っていないが。

「これなら、身内の祝いに来た親戚のご令嬢で、王城に訪れていると装えます。」

「ソルベールが仲良くしても、ご令嬢の色を見れば、違和感を感じないでしょう。」

「プリムラ嬢と仲がいいからオーキッド公爵家へ滞在していると、仲がいいから、一緒の部屋で寝ていると今の姿での出入りも繕えますな。」

「そんなところでしょう。」お父様が同意する。

「グラジはその臨時の護衛を私から命じられて、仕方なく護衛することになった事にしましょう。」

「ああ、お兄様が不届き者を吹っ飛ばしても、神がどうにかするって言ってます。」

「では、心置きなく私も暴れられますね。」ニヤッとお兄様が笑った。

「ソルベール様?聞いていらっしゃっていました?」首を傾げて聞いてみる。

「聞いている。ただ、ちょっと、いろいろあって…。」

「?」私が顔を覗き込んだら、ソルベール様が鼻血を出した。「ぶはっ!」お兄様が笑っている。お父様も宰相様も肩を震わせて笑いを耐えている。「?」私だけが分からない。

「ソルベール様、治癒魔法をかけますね。」治癒魔法をかける。


「では、私はワトソニア殿と王城へ行く。グラジは護衛でソルベールとプラン嬢について、服飾店へ赴いてくれ。」宰相様が言う。

「では、私達は王城へ移動しますか。」父様とお仕事へ行かれるんだ。

「行きましょう、グラジ様、ソルベール様。」私は早く着る服が欲しい。

「そうだな、ソルベール。行こう。」

「ああ、行こう。」


 プリムラは部屋でやりたいことがあるので、一切部屋に立ち入らないで欲しいと言っている事にして、私の部屋が誰も入れない完全密室になるようにお兄様とソルの2人で魔法をかけた。これで暫くは大丈夫だろう。

 シャツとズボンだけを身に着け、髪も後ろで一つに結わえているだけの状態はイヤなので、早く服飾店へ行きたい。靴もソルのを借りて履いているけど、ぶかぶかで歩きにくい。


 服飾店に着き、店の中に入ったら、仕方なく警護をしている風の態度をするお兄様。ソルベール様はそれを取り繕う態度をとっている。私は店員に、「仲良くしている子に驚かされて、荷物ごと池に落ちてしまって、荷物が沈んで着替えが全てなくなってしまったので、4日分の下着一式と4着の出来合いのドレス、いくつかの小物が欲しい。」と話した。店員は「それは災難でしたね。」と気の毒がったが、突然の大口の客に目が爛々と輝いていた。


 池に落ちて、下着も無くなったと聞いて、気の毒の思ったのか、パンツを先に身に着けられた。これを待っていましたー。それから採寸をして、上につける下着の大きさで、私のに合うものが店に無かったので、急遽、お針子さん達が既製品をサイズ直ししている間に、ドレスの試着をする事になった。


 昼間のドレスだから露出の少ない物でよくて、良かったと思った。ドレスも2着はサイズが合うものがあって、そのうちの1着は、下着をつけてから、今そのまま着ている。あとの2着のドレスは、大至急で仕上げてくれるそうだ。7日間分だから、ショールやボレロで変化をつけて着まわそうと思って、いくつか選んだ。手袋も4日分を選んで、靴もドレスの色に合わせた物を4足選んで、1足は今、履いています。


 布があれば何か作れないかと布の在庫を聞くと、布を見せてくれた。その布も幾つか選び、他に糸もレースもリボンも幾つかを選んだ。化粧品も選んだ。この後に王城へ行かなくてはならないと話して、選んだ化粧品で化粧する事に店の許可をもらってから、軽く薄化粧をした。手袋をしてから扇子を持った。化粧品や予備のコルセットとかは私の収納スペースへ入れさせてもらった。扇子は3本選んで、2本を収納スペースへ入れた。もちろん脱いだシャツとズボンも急いでいたので、そのまま後で洗浄魔法をかけようと収納スペースへ入れましたー。


 下着やドレスに靴、ショールやボレロ、手袋他、布や糸、レースやリボンなどの付属品をオーキッド公爵家へ届けてもらえるように手配。その際、プリムラ嬢が嫌がるので、ソルベール様の部屋に運んでおいて欲しいと言づけた。


 ソルベール様がプリムラ嬢の希望で、このご令嬢とお揃いのドレスにしたいと言い張り、部屋から出てこなくなってしまったので、コンジェラシオン様が許可を出した。だから、さっき採寸したサイズで、プリムラ嬢とお揃いの婚約式のドレスと靴をコンジェラシオン様の名前で、注文して作ってもらえるように頼んだのだった。


 服飾店を出たら、そのまま王城へ向かう。口紅がキチンと付いているか馬車の中でコンパクトミラーで確認をする。大丈夫みたい。収納スペースから、自作のイヤリングとペンダントを出したが、ドレスじゃ腕が上がりにくくて、2つとも身につけられない事に気付いた。


 ちらりとソルベール様を見る。こっちを見ていたのかな、目が合った。言いたい事が分かったのか、お兄様と並んで座っていたのを私の隣に来て、イヤリングとペンダントをつけてくれた。今の変化した自分の色で出来たアクセサリーだ。ドレスが、深い青色なので、銀色の金具で、ピンク色の石がついたイヤリングとペンダントに、ちょっとだけ心が弾んだ。


 王城の城門では親戚が訪れる話が通っていたのか通過できた。ソルベール様にエスコートされて、宰相室まで連れて行ってもらえた。宰相室で、コンジェラシオン様から皆に紹介された。

「家名は事情があって言えないのだが、親戚のプランタンというご令嬢だ。プリムラ嬢たってのお願いで、今日から7日間だけ宰相室に通うことになった。」

「プランタンと申します。家名は事情があり名乗れませんが、7日間、宜しくお願い致します。」ほほ笑んで、カーテーシーをした。


 王城にいる今、特に仕事中はソルをいつもの様に呼ぶと、プリムラなのがバレるかもだし、ソルベール様と心の中でも呼ぼうと意識した。間違えて呼んだりして、私の今の見た目で、ソルが浮気を疑われてもマズいし。


「ソルベールの仕事を手伝う予定だ。グラジオラス殿に臨時の護衛を頼んだから、宜しく頼む。ただし、王家には絶対に目を付けられたくないと、家の事情があるのと本人の希望なので、他言無用で頼む。」

 秘書官達が無言で頷く。何か深い事情があるご令嬢なのかと。


「婚約者も決まっているご令嬢なので、気軽に紹介したり教えたりしないでもらいたい。」宰相様が釘を刺す。他に言うなよ!っと。

「もし聞かれたら、聞いた者が誰だったのか、宰相と私に話して欲しい。」ソルベール様も追撃してくれそうだー。でも自分でも気を付けなくちゃ。

「もし、他の者に聞かれても、宰相預かりで軽々しくはいえないと、突っぱねて欲しい。」更に知りたいなら、宰相様に聞きに来いとまで言ってくれたのだったー。

「プリムラのお気に入りだから、怒らせたら差し入れも癒しもなくなる覚悟をするように。」ソルベール様の追加で、話すなよー!と追い打ちをかけた。

「ええっ!」「肝に銘じます。」「漏らしません!」「聞かれても突っぱねます。」「気を付けます。」


 ソルベール様から仕事の流れを説明された。事務仕事なら出来そうかも…と思って隣に席を用意してもらい、手袋を汚さない様に外してから、書類を手伝う。お兄様はソファーにどっかりと座って、仕方なく護衛をしている態度を演じている。


「ソルベール様、ここの計算が違いますわ。これならこの数値になりますの。」何枚も計算間違いを見つけて、指摘する。誤字脱字も指摘していたら、計算間違いがあるかどうかを確認して欲しい書類があちらこちらから集まって、私の机にうず高く積まれてしまった。でも、前世の仕事のおかげだったのか、あれ?仕事って?何の仕事をしていたのか思い出せないや。

 業務終了刻前には全部終わってしまったので、手袋をしてからお茶を飲んで、ソルベール様が終わるのを待っていた。


 業務終了刻が来たようだ。コンジェラシオン様から声をかけられた。

「プラン、明日は違う仕事も手伝えそうだね。沢山手伝ってもらえると、皆が早く帰れるようになる。明日も宜しく。では、今日はここまで。」コンジェラシオン様のご機嫌が良い。

「父上、プランはどうですか。」

「このまま、宰相室にいてもらいたいぐらいだよ。」

「だそうだ、プラン、良かったな。」

「コンジェラシオン様に褒めて頂けるとは思いませんでしたわ。ありがとうございます。」立ち上がって、これから帰るとご挨拶をして、宰相様とソルベール様と並んで、護衛のお兄様は少し後ろについて、皆で歩いて移動した。

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