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薄紅色の花が咲いたら  作者: 巻乃
32/56

芽吹きー28

 ピーオニー公爵家の身内だけのお祝いパーティーに出席しました。熱烈歓迎されました。ソルベール様は、ずっと揶揄われていましたが、キスしろー!と口々に囃し立てられて、ソルベール様から私のほっぺにキスをされました。今度は何とか真っ赤になるだけで失神は免れましたー。ご馳走も沢山食べて、ジュースも飲みました。お祝いにはソルベール様もコンジェラシオン様もサラベルナール様もいたのに、ノワール様がいませんでした。その事をソルベール様に聞いたら、今日の主役のプリムラ以外の子供は出れないから仕方ないのだと説明されたので、納得しました。失礼なノワールだから、私的には別に出なくても困らないからいいやー、と思ったのは内緒。


 その後、オーキッド公爵家へ帰る馬車の中、沢山食べて飲んだお兄様はいい具合に酔ってご機嫌で、私はソルベール様に寄りかかり、ソルベール様と執事のマルスが話をしていたのを少し見た後、居眠りをして眠ってしまいました。


 メイドにお風呂へ入れてもらい寝間着に着替えさせられたのでしょう。気付いたら、ソルベール様と私は、私のベッドの上でした。半分眠ったままの私は、ソルベール様に言われるまま、収納スペースから丸薬を一瓶出して、瓶ごと渡しました。ソルベール様がその中から1粒出して私に飲ませてくれました。丸薬のせいでしょうか、再び眠くなったので、おやすみなさいと呟いたら、ソルベール様からおやすみなさいと言われ、ほっぺにキスをされました。ここまでしか覚えていません。丸薬のおかげでしょうか、翌朝にスッキリと目覚めました。


 目覚めて隣を見る。ソルベール様がいました。ソルベール様は、起きていられるようになったと聞いていたけど、眠っていました。まだ外は薄明るくなったばかりの様なので、そのまま、抱き着いて幸せを味わいます。そのまま、今日の自分の予定を考えてみる。


 今日はピーオニー公爵家で採寸が昼過ぎにあるから、それまでは厨房で作り置きを作ろうかな、ニョッキだけ作ったままになっているから、そのソースを作っておきたいな。他には、何を作ろうかな。正式な養女になったら、台所が出来るまでは厨房を使わせてくれるとワトソニアお父様と約束したし、厨房に行っても大丈夫だろうし。ただ、クリナムお婆様いや、クリナムお母様や私に慣れていない公爵家の厨房の人達には、私オリジナルのレシピ(前世の料理法)を見せるのはなるべく控えようかな。ピーオニー公爵家から持たされた食材、特産品を見せてもらうのも楽しみだな。


 隣で寝ていたソルベール様が起きた気配がした。


「おはよう、プリムラ。」「おはようございます、ソル。」んー、そのまま、おはようのキスをした。

「プリムラの隣の部屋が私の部屋になると聞いている。午前中は、その内装の相談と手配、午後からは、採寸と私の荷物をこの部屋に運んで、隅に置いておくことかな。」

「ピーオニー公爵家では、夜通しお祝いだったのですよね。」

「ああ、朝から昼まで寝て、午後からまた祝の用意をして夜通し祝う。翌朝に寝て、1日ダラダラとゆっくりしたら、次の日はいつも通りに普通に仕事をして過ごすようになっているんだ。皆、丸2日間は休みで、私は当事者だから、4日間の休みを貰えたんだよ。私とプリムラは初日に顔を出すだけでいいんだ、一族で息抜きする為の飲み食いの理由になればよかっただけだから。」

「そうなんですね、私は午前中、厨房で昨日いただいた食材や特産品を見せてもらってから、何か作ろうかと思っています。今日の手土産に何か作れたらいいかなーって。」

「期待しておくよ。プリムラの作るお菓子は美味しいから。」

「そんな期待されても大したものは作れないですけど。」


「プリムラは婚約の記念に何か欲しい物はある?婚約の証を私から渡すのに何にするか悩んでいて。希望の物にしようと思ったんだ。」そんな物があるんだ。

「普通は何を貰うんですか?」

「女性は装飾品かな、男性には特にないな。女性を娶れる幸せがあるから必要ないと言われている。女性は婚約した証がないと、婚約者がいない女性だと間違えられて婚約を迫られてしまう事が多くて、過去には横取りされた男性もいるんだよ。だから、婚約者が魅力的で魔力の多い女性だと他に盗られてしまわないように、心配した男性はなおさら目立つような婚約の証を送るんだ。証を身につけてもらって、婚約しているんだから(周りに)手を出すなと牽制出来るんだよ。」

「証って?」

「男性の魔力を込めた魔石を使った、装飾品を渡すんだ。婚約式に。」

「その為に婚約式が?」

「婚約したら、装飾品で何が欲しいかを聞いて、婚約式までに作って、婚約式に渡すのが普通だ。婚約式で、証を渡すのを見届ける証人になってもらう為に客を招待するんだ。貴族だから同じ家格の当主夫妻と、婚約する2人の家の親や家族になる。」

「私の場合は複雑ですね。」どこの家まで招待するのかな。

「公爵家と侯爵家の当主夫妻、私達の兄弟、祖父母、今回は私の友人として、何人かかな。王家は呼ばれない。王家がどこかの家に肩入れしていると見られない様にしないとならないから。」

「でも、ジェイド様はゴリ押ししそう、私の伯父とか言って。」やりそうだよね。あり得るよね。

「ありえそうだな、父に相談しておこう。」ジェイド様に関しては、共通認識だったか。

「しばらく、くっついていてもいいですか。」

「嬉しいからいいよ。」やったー!ソルベール様、えと、ソル好き!大好き!


 婚約の証かぁー、身につける装飾品、邪魔にならないで、いつも身につけていられる物、

「私、まだ小さいから何が身につけられるかな。そこから考えないと、何があるかな。」

「イヤリングは?大きくなったらピアスにするとか。」あれ?私、いつの間にか、思った事を口にしてたみたい。ソルにも聞こえちゃったかー。

「ソルは今までに、もし婚約者が出来たら、その時は何を渡そうかとか考えた事はありますか?」

「学院にいた時、友人が婚約して何を渡すか悩んでいたから、何回かは話題に上がったかな、そのぐらいだね。私自身は、婚約者が出来たら考えようと思っていたから、具体的には考えた事はなかったな。今は、あの時もっとよく話を聞いていればよかったと思うよ。」

「イヤリングだと気付かずに落としたら、号泣しちゃう自信があります。んーと、ペンダントヘッドか髪飾りはどうですか?どちらも外すのは寝る時だけだし。」

「寝る前には私が外してあげられるか。それもいいな。」ソルは優しいなぁ。

「大きくなっても使える意匠にすればいいかな、って。」

「そのどちらかにしよう。決まって良かった。ありがとう、プリムラ。何にするのか意匠はどんな物なのかは婚約式の当日までの楽しみにしておいて欲しい。」

「はい、楽しみに待ちます!」


 ノックの音がする。「プリムラ様、起きていらっしゃいますか?そろそろ起床の刻(時)となります。お支度はいかがなされますか。」

「今日は支度を自分でします。下がって下さいな。」「承知致しました。」


「私も起きるか。プリムラはこんなに早く起きているんだね。」

「体力をつけようと、3歳になってからは毎朝走っているんです。大きくなっても体力は必要だと思うんです。」

「そうだね、私も今は、実感しているよ。」

「そうですよね。書類を捌くのにも仕事にも体力は要りますよね。」

「そうだね、跡継ぎの仕事にも体力は必要だよ。」

「ソルの仕事にもついていける体力をつけますね。」

「そうしてくれると、私としては嬉しいし、有難いな。私も少しずつ、今よりは体力をつけるようにするよ。」

「じゃあ、走る用意をしてきますね。」起き上がって衣裳部屋に行き、着替えた。ジャージみたいな伸びる衣装がないので、ただのズボンとシャツだけど。髪はポニーテールに自作のシュシュをつけて、っと。タオルがわりの布を収納スペースへ入れて、素振りをするための木で出来た剣も入れれば、支度完了。


 ベッドのある寝室へ戻ったら、シャツとズボンだけに着替えたソルがいた。

「勇ましい恰好だね。」

「どこか変ですか?自分では気付かなくって。」ソルの前で、くるっと回ってみる。私は前世での一般的な知識があるから変に思わないけど、この世界では女の人はあまりズボンを穿かないのだー。楽なのになー。まぁ、ドレスの中ではガニ股をしても誰にも気付かれないって知った時の衝撃もあったけど。ドレスの長さは、いろんな事を隠せるんだと知ったのだ、ドレス凄い!って。ドレスの中に、ズボンを穿いて裾を折り曲げて上げておけば、早着替えが出来そうだとも思ったし、いつか、使えそう、いや、使おうっと。

ほら、こうやってソルの膝の上に乗っていても大丈、夫、いつの間に!あー、考え事をしていたから、その間ですね。そして、そのままキスが顔のあちこちに降ってくる、と、仕方のない人。そのまま受け止める。


 …気が済んだみたい。

「可愛いけど、日頃のドレス姿しか見てないから、新鮮だね。」なら、いいかー。

「では、走ってきますね。」顔はまだ赤いけど、さぁ、走ってこよう!


 走ってから、無心で木剣での素振りをしていたら、グラジーお兄様に会った。

「おはよう!プリムラ!」

「おはようございます、グラジーお兄様!」

「早速、やってるな。」

「はい!」

「素振りは何回した?」

「もうすぐ100回です。」

「初日はそのぐらいでいいよ。」

「走ってきてから、素振りをしました!」

「それじゃ、基本の構えをしてみて。」

「こうですか。」

「基本の構えは出来ているな。」

「エリシマム兄様に教えてもらったので。」

「じゃあ、俺が構えるから、打ち込んでみて。」

「行きます!」

 グラジーお兄様に向かって、打ち込む。何度も躱されて、勢い余って転んだけど、それでも何度も打ち込んだ。立っていられない程になっても、打ち込むために立ち上がろうとして、「止め!」お兄様の制止がかかった。


「今日はここまで!よくやったな。」グラジーお兄様に頭を撫でられた。私のお腹がぐーぐーなっている音がする。お腹すいたなー!

「お腹がすきましたー!」

「ふふっ、着替えたら朝食だ、一杯食べろよ。」「はいっ!」「じゃ、朝食で。」

 部屋に向かおうと歩き出したら、物陰から誰かが出てきた!とっさに木剣を構えて見ると、執事のマルスだった。「マルス!脅かさないで下さい!ビックリしました!」木剣を構えるのを止めて、マルスを見る。

「お嬢様の訓練を見させていただきました。筋が良さそうですね、男なら、間違いなくグラジオラス様ぐらいにはなれそうですよ。」

「フリューリンク家でも、走るのと素振りはエリシマム兄様と一緒にやっていたの。」

「なるほど、素振りの回数を増やしてもいいかもしれません。まずは、120回で。」

「次からはそうします。」

「では、朝食の準備は済んでいますので、すぐにでもお食事出来ます。」

「お腹がすいているので、少しでも早く行きたいです!」

「お待ちしております。」


 早歩きで、部屋に向かう。ご飯!ご飯!食べたいなー!ソルベール様またまた言い間違いしちゃった、ソルが心配するから、部屋に着く前に表面の傷や打ち身は魔法で治して、っと、着いたら着替えなきゃ。メイドに洗濯を頼まないとなー。ふふふーん。


 自分の部屋に着いたけど、ソルはいなかった。開放的になったから、ぱぱっ!と服を全部脱いで、お風呂に向かう。シャワーを浴びなきゃ。シャワーを浴びたら、魔法で髪を乾かした。着替えを持って来てなかったなー、ソルがいないのをいいことに裸族で衣裳部屋に行く。ごそごそして必要なのを取り出して、身に着ける。今日は、水色のワンピース。朝食だし、気楽な恰好で行こう。髪をツインテールにして、水色リボンをつけて出来上がり!厨房で何か作るのにも楽だし、ご飯!ご飯!


 朝食にありつけた私は、ワトソニアお父様に厨房を使う許可をもらい、マルスが料理人達に私が厨房を使っても大丈夫かと確認をしてもらった。今日は皆、昼間は出かけてしまうので、夕方に夕食の仕込みを始めるまでは空いていますと聞いて、ラッキー!と思った。この公爵家の料理長は、フリューリンク家の料理長から私の話を聞いていて、その上、お茶会の時の私からの差し入れ、疲れのとれるお茶の茶葉とアイスボックスクッキーで私の実力を認めたらしく、快く「厨房を使ってください」と言ってくれた。料理長は、ピーオニー公爵家から頂いた食材の説明と主な調理法と料理の説明までしてくれて、助かった。私はメモを取って話を聞いていたので、「勉強熱心ですね」と褒められた。「当り前じゃないですか、知識を教えてもらっているのに。」と答えると、私の後ろに控えていた執事のマルスと視線を交わし、頷いていた。

「お嬢様がお使いになりたい食材の選び方も出来るだけ、私がお教えいたしましょう。」料理長が言ったので、「はい!出来たらで構いませんので、宜しくお願いします!」ピョコン!と勢いよく頭を下げた。

「お嬢様、頭を下げるのはいかがなものかと思います。」マルスからの教育的指導が入った。

「知識ある料理長に食材の鮮度を見たり、選んだりするのを教えてもらえるのだから、頭を下げるのは当たり前です。」

「お嬢様は、これだから…。」

「お高く威張られるよりはよっぽどいいじゃないか、マルス!」

「そうですが。」

「さっきの食材について、もう少し聞いてもいいですか?」

「どうぞ、なんなりとお聞きください。」


 料理長と話が弾んで、色々話し込んでしまった。お礼に甘くないお菓子、ケークサレの作り方を教えて、収納スペースからケークサレを何切れか出して、試食してもらった。この後、これを作るのだと話したら、手伝ってくれると言ったので、一人で作るよりも早く沢山出来るので手伝いを快諾した。宰相室見学時にも持って行ったから、今日の手土産にいいだろうと思ったんだー。ついでに何種類か作り溜めしよう。どさくさに紛れて、ニョッキ用のソースも作ろう。


 そうして、ケークサレを切り分けて切り口が見えた時に、彩りの工夫が出来る事に意欲を燃やした料理長が、ケークサレを作る事に夢中になった。その間に、ニョッキ用ソース何種類か、キッシュも何種類か、食パンも作っておいた酵母菌を使い焼いた後、サンドイッチを甘いのと、甘くないのを何種類か作った。昨日、サンドイッチがあると、食べ損ねた時に助かるんだー、と思ったから。このまま、ケークサレは料理長に任せよう。私が作りたかったケークサレを料理長と試作と称して何種類か作ったし、食パンと一緒にバターロールパンもレズンの実を入れたレーズンバターロールパンも作った。作った端から収納スペースへいれたから、大丈夫。魔法で、違うものを作っているように誤魔化したし。


 婚約式までにお絵かきロールケーキ、またの名をデコロールケーキというロールケーキを作るのを練習して、婚約式に私からソルベール様にプレゼントしようと今、思いついて、決定した。甘いもの好きなら喜んでくれるかな。形に残らないなら、女性から男性へプレゼントしても大丈夫だよねっ。


 料理長が手土産に相応しい切り口の出るケークサレが出来たので、見て欲しいと言われて見る。さすが、本職!綺麗な切り口になるように計算された配置で具を詰めたんだ。「凄い!凄い!」「これで、手土産になりますかな?(ニンマリ)」料理長とハイタッチをして、「なるっ!」と返事をした。これで、オーキッド公爵家の領地で収穫された野菜で、ケークサレが流行るだろう。

「ワトソニアお父様に今夜にでも食べさせてみて!領地の野菜を使った特産品、名物料理になるでしょう?」

「それはいいですね、お嬢様。」

「ただし、貴族向けに薬草(いわゆる前世でのハーブ)を何種類も使ったレシピはオーキッド家だけで秘匿してください。普通の調味料で作る分は問題ないので、構いません。」

「このレシピだけでも、大変な物です。私達はお嬢様がオーキッド公爵家へいらしてくれて、幸運です。」

「大袈裟です。でも、お世辞でも嬉しいです。」

「手土産にする物以外は、お嬢様からの差し入れだと、使用人の今日の昼食に出してもいいでしょうか。」

「いいですよ!皆で、食べて下さいね。」

「手土産にする方はいかがいたしましょうか?」

「私の方で包んで持っていきますから、後片付けを手伝ってもらえますか。」

「では、私は後片付けを先に進めていますので、お嬢様が手伝って下さる時はお声がけください。」

「はい。この5本分が手土産にする分ですか?」

「そうです。」

「それにしても、すごい数が出来ましたね。」

「手土産以外の出来の良い物は、グラジオラス様の近衛騎士団に妹様からの差し入れとして屋敷の者が届けますので、大丈夫です。当主様の分は新たに焼きますので、ご心配には及びません。」

「お兄様に差し入れ!素敵な提案です、執事のマルスが届けるのですか?」

「ええ、先程から何度か様子見に来ていましたので。」

「全然、気付いていませんでした。料理を作る事に夢中になっていたので。」

「私もそうですが、私だけには気付くように私の目の前を横切っていたので、気付きました。」

「マルスは案外、お茶目なのですね。」

「お、お茶目、ぷぷっ。そうですね。」


 後片付けを先にしている料理長を横目に、5本のケークサレに状態維持の魔法をかけて、出来立ての温かいままで維持させて、包んで収納スペースへしまった。私も後片付けを手伝って、部屋に戻ると、ソルがにこやかに待っていた。

「着替えましょう。その前に私がドレスを選んでも?」

「ソルにお任せします。」


 衣裳部屋に移動して、ソルにドレスを選んでもらった。白いドレスだ。他にもネックレスを銀色に、リボンを白に選んでもらい、ソルには部屋の外で着替えるのを待ってもらった。着替えて、支度も終わってすることもなく2人で、イスに座ってピーオニー公爵家からの迎えの馬車を待っています。今日は、お爺様、じゃなくて、お父様もお兄様も王城へそれぞれ馬車を使って仕事に出掛けたし、お母様も朝からフリューリンク家へ出かけていて、その馬車で午後から2人でイリス母様を乗せて、どこかの夫人のお茶会に出るそうで帰宅は夕方。馬車はまだあるけど、婚約者と2人で馬車に乗るのはピーオニー公爵家の権力を示す意味で必要だとか言われて、迎えの馬車が来ることになっています。


「プリムラお嬢様、ピーオニー公爵家からの迎えの馬車が着きました。」見掛けた事のある執事の1人が知らせに来た。

「分かりました。ソルベール様と向かいます。」そう返事をして、ソルにエスコートされて馬車に向かった。馬車の前に着くと、ピーオニー公爵家で昨日、紹介された執事のラングがいた。

「お迎えに上がりました。」

「爺、出迎えご苦労。」

「では、お二方、馬車へどうぞ。」


 御者に手伝ってもらい馬車に乗った。ソルの隣に座るように言われる。素直に座ったが、婚約者様が膝の上に座らせたいと希望した。婚約者に甘いと自覚があるが、嬉しいからこれまた素直に座ったのだったー。えへへっ。執事のラングに微笑まれました。馬車はピーオニー公爵家へ向かっています。

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