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ギフト

作者: n

今朝は地震で目が覚めた


揺れる数秒前に

ベッドの中で

目が覚めた


そしたら揺れた



いつものように

父が別室の寝室でドタバタしてる

母との会話が聞こえる




地震がくると

いつも真っ先に逃げるんだ

父ってば



揺れるベッドの中で

ちょっと笑った


頑固で堅物の父が怖いものは地震だ


震災の3年と1日後に地震がくるなんて

なんだかタイムリーというか


うん

地震くるんじゃないかと思ってたらきたな


うんうん


それからうとうとしたけれど

結局眠れず

目が覚めてベッドの中でもぞもぞもぞもぞ


父は完全に目が覚めてしまったみたいで

一人リビングへ降りてった


母はまだ部屋にいるみたいだ

せっかくのお休みなのだから

寝てたいよね



でも父が起きるから

よいしょ

って起きたんだろう


全く

もう

って






今日一日考えていたことは

あの人に何を贈ろうか

本当にそれだけ

殆ど考えていた


他人にプレゼントをこんなに考えたのは

生きていて初めてだったかも知れない


何もかも持ってる人に

何か物をあげるって事は

難しいんだなぁと

しみじみしてしまった


今私にあげられるものなんてない


あの人は

私に沢山のものをくれたんだ

花と本とそれから服と靴を


でも物よりもっと

素敵なものをくれたんだ

それにやっと気づいた




日本語が好きだけど

それは

ギフト

って言葉がなんだか相応しい気がした


物ではとても表せない

素敵なものを貰った


お返し

私に何が出来るだろうって

一日

丸一日考えてた


デパートに電話して相談したり

ネットで調べたりしたけど

友達にも

兄弟にも

母さんにも相談した


結局

浮かんでは消えて浮かんでは消えた




何にもないんだ

私には


でも

何か表さないと

表したい


それがとても難しい


頭でっかちにならなくてもいいんだろうけど


気持ちを物に表すのは

とても難しい


思ってしまったんだ


もうあと二日しかない





ふと思ったのは

これは幸せな悩みだな

って事だった

こんな悩み

生きてて初めてくらいかも知れない



あの人は私に

本当にたくさんのものをくれた


ギフト

ってやつかもしれない



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