1月【前半】
2014年1月1日から1月15日までのtwnovelです。
新たな一年のはじまり。さて、この一年をどんなストーリーにしようか。
1月1日〈元旦〉
今からはじまる新たなステージ。
年が明けて心機一転。
もう一歩前進していこう。
よい一年になりますように。
ろうそくに火を灯し、
しあわせを探して歩こう。
くちびるからは、歌声こぼして。
#twnovel
1月2日〈初夢〉
今年の初夢も、ぼんやりとしか覚えていない。でも昨年と、いやずっと前から同じ夢。暗い闇の向こうで誰かが待ってる。私のことを呼んでいる。顔も声もわからない。けれど、確かに誰かが待っていた。今年こそ出会えるのだろうか。ねえ、あなたはいったい誰なの? #twnovel
1月3日〈瞳の日〉
君と視線が交わる、恋が始まる。その澄んだ瞳に心を奪われた。見つめられるたびに胸が高鳴る。
貴方と視線が交わる、恋が始まる。そのまっすぐな瞳に心を奪われた。目が合うたびに心がときめく。
瞳と瞳。つながる間はふたりだけの世界。 #twnovel
1月4日〈初売り〉
通りを歩けば、どこの店にも赤い福袋が並んでいる。さて、ひとつ買ってみようか。今年一年の運試しだ。適当な店でひとつ買う。中身は柔らかくほのかに温かい。服でも入ってるのかな?家に帰って開けてみると、中から出てきたのは黒い子猫。これは、吉なのか凶なのか。 #twnovel
1月5日〈シンデレラの日〉
王子様と結婚したシンデレラは幸せでした。しかし、お城の暮らしは想像とは違いました。テーブルマナーに外国語の勉強、言葉遣いも直さなければなりません。そんな生活に嫌気がさしたシンデレラは裸足でお城を抜け出しました。部屋には二足そろったガラスの靴。 #twnovel
1月6日〈色の日〉
青い空は幸せの鳥の行方を隠した。赤い夕焼けは二人をつなぐ糸を見えなくした。黒い夜は君の影を消した。だけど、僕らはこの世界だから好きなんだ。黄色い空も緑の夕日も、白い闇だって望まない。この世界が選んだ奇跡のような配色を、ありのままの色を愛してる。 #twnovel
1月7日〈爪切りの日〉
貴方のために塗った爪も、必要ないね。パチン、笑顔の横で立てた親指。パチン、こっそり唇に当て笑い合った人差し指。パチン、貴方をそっと撫でた中指。パチン、空っぽのままの薬指。パチン、結んでたはずの小指。バイバイ。今はすべて散り散りに混ざった三日月。 #twnovel
1月8日〈イヤホンの日〉
昨日までは、僕だけの世界をつくった。両耳を塞ぎ、完全封鎖。僕だけの空間が広がった。今日からは、僕らの世界をつないだ。片耳ずつ繋いで、以心伝心。僕らだけの風景が広がった。プレーヤーを握りしめ、ポケットに突っ込んだ左手は、君の右手を握れない言い訳。 #twnovel
1月9日〈風邪の日〉
全身を包む寒気とは裏腹に頬だけが妙に熱を帯びている。口の中は渇いて粘つき、喉が鈍く痛んだ。風邪だ。ついにひいてしまった。幸い今日は何の用事もない。おとなしく寝ていよう。布団にもぐるとすぐに眠りに落ちた。なぜだか、ぼんやりと、子供の頃を思い出した。 #twnovel
1月10日〈かんぴょうの日〉
巡る巡る、今日もまた巡る。繰り返す同じ景色はもう何度目だ?僕はもう数えるのをやめた。現れては去りゆく仲間。同じような姿をしているのに、中身が違うだけなのに。どうして僕は。乾いていく体。僕はまだ、敷かれたレールから、外れることができずにいる。 #twnovel
1月11日〈塩の日〉
砂糖と塩を間違えてしょっぱいお菓子を作る漫画のキャラクター。正直、そんなことあるのかってツッコミたくなる。だって、砂糖と塩って、結構違うでしょ?そう言って弁当の卵焼きをかじる。これが甘いのは、ただ単に甘い方が好きなだけだから。間違えた訳じゃないの。 #twnovel
1月12日〈スキー記念日〉
真っ白なゲレンデでは、女性は三割り増しで美人に見えるとか。俺はあわよくば出会いを求めて一人でスキー場へ。しかし、スキーなんて初めてだったうえに、予想以上の難しさに早々ギブアップ…しようとしたら、視界の端に俺好みの美人。さて、もうちょっと粘るか。 #twnovel
1月13日〈たばこの日〉
子供ができて、たばこをやめた。妻との最初の約束。ただ……。
目をつぶり、手を合わせる。目の前には愛しい名前が刻まれた白い石。マッチを擦る。ポケットからたばこを取り出した。火をつけてひとつ吸い込む。今日くらい、いいだろ?懐かしい味に少しむせた。 #twnovel
1月14日〈愛と希望と勇気の日〉
僕と君との合言葉。それだけでわかる。僕らはいつも繋がっている。自由気ままな君に、時々うんざりするけれど、それが君なら構わない。どんな困難の前だって、口笛を吹き、冒険しようと君は言う。愛と希望と勇気ある君を、僕はいつも見守っていたい。#twnovel
1月15日〈いちごの日〉
私はイチゴジャムが好き。はじめて食べたのは物語の中で。スプーンで掬って、焼きたてのトーストに塗れば甘い香りが漂って、一口かじれば口いっぱいに甘酸っぱい幸せが広がるの。ああ、懐かしい。色んなメーカーを試したけれど、どれもあの味にはかなわないわ。 #twnovel