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シャンプーとサンライズ

作者: finale

シャンプーが切れた。

散々チャットをやってラジオを聴いてさあ、風呂でも入ろうかと思った時にこれだよ。ツイてない。

かといってこんな深夜4時半に開いている所なんてコンビニくらいしかない。コンビニは歩いて十分位の距離。正直言って面倒臭い。仕方ないから、引き出しの奥で眠っていてぶっちゃけ持て余していた試供品のシャンプーを引っ張り出してきた。

髪と体を洗って、バスタブに浸かる。

あぁ――――――。

この瞬間の為に生きてるよ。いや、さすがに冗談だけど。

で、風呂のお供と言えばスマホだ。私はイヤフォンを耳に差し込んで、静かに目を閉じた。


…………

…………

…………!?

はっ、と目が覚めた。

……ヤバい、今何時?取り敢えず時間確認しなきゃ……

…………!?

スマホ……どこ行った!?辺りを見渡す。バスタブの縁にはない。床にもない。――となると。

イヤな予感が脳内を駆け巡る。正直確かめたくない。

深呼吸をして、バスタブの中を覗き込む。

「うああやっぱりーーーーーー!!」

バスタブの中に、私のスマホが、沈んでるぅぅぅぅ!!

「嫌ぁぁぁああ!!」

急いでバスルームからでて、スマホにドライヤーを当てる。

「生き返れ私のスマホーーーー!!」

ヤバいもう泣くわ私。スマホがないとか悲劇すぎるマジないわそんなの。取り敢えず、誰か私のスマホを助けて……。


スマホ究救命作業開始から一時間が過ぎた。

早い話が、スマホ死滅。電源入れてもすぐに切れちゃう。

……終わったー……。

完ッッ璧に終わった。もう終わった。嘘みたいに終わった。

スマホがないとか…………。

ガックリと肩を落として窓際のソファーに向かう。

カーテンを開けて、ソファーに座ろうとした時だった。

窓から見えたのは、オレンジ色をした朝日と、まだレモン色な朝の空だった。

しばらく、見入ってしまった。

朝日なんて眺めたのは、何年ぶりだろう。多分、もう数年は拝んでいない筈だ。

綺麗だ。素直にそう感じた。

――――取り敢えず、スーパーが開いたら、シャンプーを買ってこよう。

次第に青みを増していく朝の空を見上げながら、ふとそう思った。



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