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クインテット。ナイツ 日常編  作者: 恵/.
P―繋がる。ナイツ
12/36

最近忙しいので短めにしときます


  ◇


 ……そして学校。その校門。


「うー、るー、ふー、きゅーん!」

 闇代の十八番、愛情たっぷり渾身のダイブ。何故登校直後に? とか思ってはいけない。これぞ闇代クオリティ。

「……ふん」

「きゃっ!」

 そしてそれを軽く躱す狼。流石に慣れたのだろうか。

「い、痛いよぉ、狼君……」

「知るか」

 額を摩る彼女を、狼は冷たい視線で見下ろしている。

「もう、最近すごく冷たいよ? 狼君」

「お前がそこまでアホじゃなかったら、少しは違うんだがな」

 そう言い放つと、彼はその場を離れた。

「待ってよぉ~」

 闇代はそれを、必至になって追いかける。



 ……二人が教室へ着いた頃。


「あっ、狼に闇代ちゃん」

 上風が、二人に気づいた。

「よう、上風」

「おはよう上風ちゃん」

「あんた達、ほんと仲いいわね」

「どこがだ?」

「いやあ、それほどでも」

 まったく正反対の意図で、二人はその言葉を否定した。

「息もぴったりじゃない」

 クスクスと笑う上風。対して狼は、心外だとでも言わんばかりに顔を顰める。

「お前、性格がどんどん婆臭くなってるぞ」

「そりゃどうも」

 笑顔のままで、額に青筋を浮かべる上風。絵としては、とても恐ろしい。

「ったく」

 狼は溜息混じりに自分の席に着いた。

「そんなに照れなくてもいいのに」

 闇代も、自分の席に着く。



 ……数分後。


「……」

 あかりが、教室に入ってきた。

「あっ、天野さん。おはよう。久しぶり」

 それに、上風が気づいて、あかりに声を掛ける。

「……」

 しかしあかりは、その傍を無言で通り過ぎようとする。

「どうしたの? 今日はいつもより早いみたいだけど」

「……」

 上風は構わず話しかけるが、あかりは全力でそれを無視。自分の席に着くと、携帯電話(小型で高性能、大容量のスマートフォン)を取り出し、それに繋いだイヤホンを耳に挿して、音楽を再生し始めた。

「ま、いっか」

 上風はそう呟くと、自分の席に戻っていく。どうでもいいのか? 妙にしつこかったのに。

「……」

 あかりの目は伏せられていて、彼女の心は読み取れない。だが、その表情が少しだけ寂しそうに見えたのは、ただの錯覚だろうか?

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