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最強のオチコボレ  作者: 誤字多んば~
2章 ドキドキ迷宮攻略
9/21

2-1話 君がほしい

仕事で日焼けをして膿が出てしまい治療を行っていたため投稿が遅くなりました。

皆さんも熱いので熱中症などにならないように十分注意してください。

※今まで水神の名前を間違えていました。ご指摘いただきありがとうございます。また、誤字のミスは私の頭がぽんこつだからです。またルビのミスはいまだにこのサイトの使い方を十分理解していないからです。見つけ仕出しこちらも直しますが、何かございましたら感想などを使っていちゃもんをつけてください。(作者はMではありません)

 待ちに待った休みが来た。

 この世界は1年が2つの月に分かれている(白の月と黒の月)。

 ひと月が6つの週に分かれる(白、黄、青、緑、赤、黒の週)。

 一つの週が30日から(1~30日)なる。

 今は白の月黄の週5日である。

 休みは前世の世界みたいに7日のうち2日が休みということなく、働く場所ごとに決まっている。

 国が採用している人たちの休みは5日に1回である。

 私の休みもそれに合わせているので5日に1回である。

 日にちでいえば各月の5、10、15、20、25、30日が休みである。

 ちなみに私の休みの日は(司教様が妹と過ごせるようにという配慮から)国立第一騎士学校の休みと一緒である。

 先週はアイナと買い物に行ったためいけなかったが、今日こそは図書館に行くぞ…と準備していたら

「クレナ助祭。司教様がお呼びでしたよ」

 アリシア助祭が部屋まで呼びに来てくれた。

 ちなみに彼女の休みは3、8、13、18、23、28日である。

「ありがとうございます」

「勤めが今日はないはずなのに、人気者の助祭さんは大変だ」

 苦笑いしながら彼女はそういって出て行った。

 いくら休みといっても何か問題が起きれば簡単につぶれるのはどの世界でも同じである。

 図書館に行きたい気持ちを抑え司教様のところへ行く。

 ドアをノックし、中に入ると

「クレナ助祭お休みのところすまないね。まぁかけなさい」

 そういって目の前の椅子に手をさし示す。

 その椅子の前には王都騎士団の鎧を付けた女性がいた。

「司教様こちらがクレナ神官ですか?」

「そうですよ。クレナ助祭。こちらは王都第4騎士団のエリスさんです。」

「クレナ・ヒートです」

 私はそういって紹介された女性に自己紹介をする。

 女性はほんとにこの人?という感じの目で見てきた。

「えっと、エリス・ヒーラーです。」

 そういって女性が立って挨拶する。

 エリスさんは身長は第一次成長が終わった女性くらいで、顔も見た目は幼い。

 しかし体は出つと子は出て、引っ込むところは引っ込んでいるプロポーションのよい女性である。

 ほぼ間違いなくドワーフだろう。

「クレナ助祭。エリスさんがあなたに用があるみたいなので来ていただきました。あとはクレナ助祭にすべて任せます。私は仕事があるのでここで失礼します」

 そういって司教様は部屋を出て行ってしまった。

 あれ?ここって司教様の部屋だよね?なんて考えていたら

「えっと失礼しですがほんとにクレナ神官ですよね?」

「少なくてもこの神殿でクレナという神官は私しかいません」

 そういって答えを返す。

「えっと…実はうちの総団長がクレナ神官を呼んできてほしいと頼まれましてきましたので、一緒に詰所まで来ていただけませんか?」

 司教様がすべて任せますといったのは自分で考えていきなさいってことだろう。

「司教様には本人についていくか聞いてくださいと言われました」

 思ったとおりである。さすがに急ぐ用事もなく騎士の呼び出しに応じないのは問題になる。司教様の許可も出てるのだが

「すいませんが、なんで呼ばれたか教えていただけますか?」

「あー…言いにくいのですが、私も聞いたのですが教えてもらえなくて…。ただ逮捕とかではなく仕事を頼みたいとか言ってました」

「騎士団が(白種)に?」

「あなたがクレナ神官なら…」

 エリスさんも白種に仕事を頼むということに疑問があるみたいだ。

「すいませんが総団長の名前をうかがってもいいですか?」

「ええ?知らないのですか?」

 これだから白種はという顔でエリスさんは私を見てくる。

 どうやら第4騎士総団長の名前は有名らしい。

「総団長の名前はガドロフ・グドリフスです」

 あのおっさんらしい。

「あの人は第6騎士団の団長では?」

「あなたは本当にこの国の人ですか?」

 エリスさんが冷たい視線で見てくる。

「すいません。はずれの村で育ってつい最近出てきたものですから」

 王都騎士団は基本王都からでないため、はずれの村だと英雄の名前などは入ってくるが騎士団の団長クラスは興味がないと知ることはほとんどない。

 エリスさんはそれを知ってかなおさらなんでこんな奴に用があるのだろうという顔になった。

「すいませんが一緒に来てくれませんか?」

 エリスさんは説明するのも嫌になったようだ。

 

 

 私たちが詰所につき中に入ると聞きなれたあの声が聞こえた。

「おおクレナ。よく来てくれた。すまんがちょっとそこに座って待っててくれ」

「失礼します」

 そういって私は彼の目の前にあるソファーに座った。

 騎士団の詰所に白種がいるためか、いろんな騎士が覗きこんでくる。

 落ち着かない面持ちで座ってるとエリスさんがお茶を出してくれた。

「ありがとうございます」

 エリスさんはほんとなんで田舎者の白種が呼ばれているのだろうという顔をしていた。

「すいませんがクレナ神官質問いいですか?」

 エリスさんが小声で聞いてくる。

「どうぞ」

 お茶を飲みながら答える。

「あなたは総団長とあったことがあるのですか?」

「少し前に依頼を一緒にしました」

 そう答えるとびっくりした顔をした。

 白種がやるような依頼を総団長である彼が一緒にするなど思いつかないからだ。

 さらに質問しようとしたら

「すまんなクレナ。よく来てくれた」

 そういってガドロフさんがきた。

「ガドロフさんって総団長だったのですね」

「あぁそうか、クレナはアイナと違って村から出てきたばっかだったな。一応本当の地位は第6騎士団の団長だ」

 王都騎士団の1~5騎士団は戦時中は主戦力となるため、複数の小騎士団からなる。

 それ以降は少数精鋭の特殊任務などに就くための小騎士団の集まりのなので総騎士団長がいない。

 ガドロフさんは元冒険者だったため破壊工作部隊(第6騎士団)に最初所属していた。

 そこでの実績が認められ団長になり、昨年第4騎士団総団長が別の部隊に移ったため席が空き、次の人が決まるまでの間彼が任されたということらしい。

 成金貴族の彼が総団長に一時的とはいえ就任したことは賛否両論あり、平民にはあこがれの対象となったとエリスさんが教えてくれた。

「まぁ俺のことはさておき、今日来てもらった用件を伝えないとな。クレナも忙しいだろうし」

「いえ、今日はお・休・みで、王・立・図・書・館に行こうと思っていただけなので大丈夫です」

「そうか、ならよかった」

 どうやらガドロフさんは嫌味のスルースキルは高いらしい。

「クレナ覚えておくといい。冒険者は他人に恨まれて一人前だ」

 訂正。ガドロフさんはヒトの心が読めるらしい。

「さて、本題なんだがクレナは西にあるアドリー迷宮は知っているな?」

 アドリー迷宮は冒険者のアドリーが今から50年前に見つけた迷宮で、地面に入り口がある。

 入り口が前世のマンホールのようになっていてその奥に行くと人口の迷宮がある。

 50年たった今でも完全攻略できたチームはないとされている。

 そもそもこの50年は隣国に土地をとられたためにいつ戦争が起きてもおかしくないように中級程度の冒険者などはあまり外に出ずに国境線付近での任務が多くなっている。

 そのために迷宮を突破できる能力の冒険者がいないのである。

 この世界では地形を大きく分けて2つに分類する。

 自然にできたものや神がつくった地形をダンジョンといい、生物がつくった地形を迷宮という。

 このため城は当然迷宮になるし、森や海はダンジョンになる。

 ただ、一般的には魔物が生息する場所のうち自然、神がつくった建物や地形をダンジョン。

 生物がつくった建物をダンジョンという。

「知っていますが、あのトラップ迷宮がどうかしたのですか?」

「そこまで知っているなら話が早い。あそこを攻略してきてほしい」

「はぁ?」

 思わず変な声が出てしまった。

 現に周りからはにらまれてるし。

 ちなみに言われた本人のガドロフさんは上機嫌である。

「あの、私なんかが突破できる迷宮ではないですよ。自慢ではないですが生命力110ですから」

 生命力とは前世ではHPと表されていたものである。

 100+体力が生命力である。

 この世界は実際どれくらいダメージを受けたら倒れるかは生命力とはほとんど関係ないが、目安としては使えるのでよく使われる。

「ほう、やはりその程度だったか」

 あの人(ガドロフさん)は大体分かったうえでの提案らしい。

「安心しろ、クレナひとりに行かせるつもりはない。むしろサポート役として行ってほしい」

「神官ですが、魔力が低いので治療魔法などはそんなにできませんよ」

 一番最初に覚える治療魔法でも魔力が10必要である。

 現在の私の魔力は22なので2回行ったら終わりである。

 しかも回復量はそこまで高くない。

「回復魔法や支援魔法はそこの魔法使いの嬢ちゃんがやる」

 そういってガドロフさんはエリスさんを指でさす。

 失礼な態度をとったためかエリスさんが口を開く。

「私は魔法使いではありません。呪符師です」

 うん。訂正箇所はそこですか?指さされたのですよ?

「同じようなものじゃないか。なぁクレナ」

「呪符師は魔法使いと違って自分の体内にあるマナを使うのではなく、呪符に込められたマナを使うので違いますよ」

「ふむ」

「理論上ではマナが少ない私でも呪符師のレベルが高ければ青魔法最強であるビックウェーブが使えます」

「ほう」

「さらに魔法使いとは違って呪符がある限りはビックウェーブを何度も出すことができます」

 基本上級魔術師でもビックウェーブは5発も打てば魔力がなくなり打てなくなる。それに比べ呪符師は呪符がある限り何発でも打てる。

「なるほど。つまり詠唱できない私でも魔法ができるということか?」

「それとは話が違います。詠唱できないのは体内のマナの制御ができてないだけですので、それができるように訓練すれば詠唱ができますので。呪符であっても呪符の魔力がコントロールできなければ魔法は使えません」

「つまりは俺は魔法が使えないということか。ならどっちでもいいか」

「使えるようにする方法はありますよ」

「ほう。それは興味深いが、それは今度にしよう」

 そういって話を切って、彼は一つの書類袋を取り出し渡してくる。

 それを受け取って見ていると

「そこにも書いてあるのだが、簡単にまとめると戦争状態が続いている中いろいろと資源が乏しくなったから迷宮を攻略して何か見つけようという話になった。そのための来季の新人騎士確定者の研修の一つとして攻略させろという内容だ」

「つまりは私にその話が来ることがおかしいということですね」

「まぁおちつけ、最後まで聞けば関係していることがわかる。実は研修中の騎士が実戦を行うときは必ず2つ以上の神殿から新人の神官が派遣されるのだ。これは神殿と王国との連携を密にする一つの伝統ともいえる。アマ神殿はここ2,3年新人の神官がいなかったため出てこなかったが、今年は君がいる。だから話を司教に通したのだ」

「つまりは伝統にのっとり私を司教様がおくったということですか?」

 いくら司教様が私のことを高く評価しているとはいえ、伝統だからという理由だけで足手まとい以外に何もならない私を送ることはないと思う。

「実は当初は反対された。クレナは将来有望だからある程度育つまでは出したくないのだろう。実際に君が神殿に所属した時にはすでに他の神殿の司教宛に伝統だが彼を出すのは能力的に無理であると伝えたしな」

「ならどうして私がここに?」

「俺が頼み込んだ」

「何故?」

「獅子は我が子を千尋(おもしろそう)の谷に突き落とすというではないか」

 自分の楽しみで人を殺すのかと聞こうとしたら

「まぁ正直言うと君は何か今までの白種とちがうし、今回は強い護衛が付くから君の命の危険が危ない」

「人のこと言えませんが、言葉をもう一度ならったほうがいいと思いますよ」

「ちなみにこれが今回の人選な」

 そういって一枚の紙を渡してくる。そこの一列目にはアイナの名前があった。確かに私の命の危険が危ない。

「ちなみに神官の名前に私以外ないのですが」

「エリスが今年ディスナ神殿の神官になったから2人だ」

 ちなみに新人の神官がいない年は、神殿から若い神官を派遣することが決まりらしい。

「どうしても断れないですかね?」

「ん?君が嫌がれば断れるぞ。そもそも司教は君にゆだねるって言ってたし」

 最終決定権は私にあるらしい

「ちなみにこれは冒険者ギルドにも話を通しておくから、冒険者ギルドの依頼としてカウントされるぞ」

 冒険者ギルドに所属するものは必ず規定数の依頼をこなさなければならない。

 新人の私は成否関係なく月に3個受けなければならない。

 今月はまだ1個も受けてないが、まだ25日あるので問題ないと判断している。

「まぁ今すぐ答えを出せとは言わないができれば明日までに答えを出してほしい。正直今回のメンバーであそこのことを詳しく知っているのは君だけだろう。だから力を貸してほしい」

 そういって頭を下げてくるガドロフさんに対し、断るといえなかったのはほぼ間違いなく周りからの「総団長が頭下げてんのに断ったら承知しねえぞ」という怖い視線を受けたからに違いないと言い聞かせる私であった。

 

 


アマ「さ~て次回のクレナちゃんは

   ・クレナちゃんの旅は始まったばかりだ

   です」

クレナ「それは本文の最後に書く一言です」

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