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最強のオチコボレ  作者: 誤字多んば~
1章 頭でっかちの冒険者
3/21

1-2話 オチコボレ冒険者誕生

誤字、脱字などがあったら教えてください。また感想等ありましたら教えてくださるとうれしいです。

 途中薬草の群生地があったので、薬草を拾っていたため到着時間が伸びたが、問題なく王都に到着した商人一行。

 その後ろでかなり呼吸が乱れていた私は現在王都の冒険者の宿で一休みしている。

 冒険者の宿は、冒険者ギルドが出す依頼をギルドの代わりに冒険者に提供し、冒険者からの依頼終了を受け付けをできる宿である。

 大きい冒険者の宿なら冒険者登録も受け付けているのだが、王都は冒険者ギルドがあるため登録は行ってはいけないことになっている。

「クレナ大丈夫か?ほんとに冒険者になれるのか?」

 ここまで一緒に来た商人のダーレスさんが水を私の前に置きながら聞いたきた。

「…ありがとう…ございます。」

 何とか返事をする。

「まだ息あがってるんだから無茶すんなよ。にしてもよくガードンやエーリカさんが許したな。」

 ダーレスさんは父さんと親友で、私も小さいころからお世話になっている。

 そのため父さんや母さんのことはよく知っている。

「私が無理いって押し通した感じになりましたので…」

「そうか。まぁガードンも昔は親に無理いって冒険者になっていたし、止めることができなかったのだろう」

 そうダーレスさんが納得した顔で返事した。

「父さんも冒険者に?」

「ああ、ガードンも成人してすぐに冒険者になったのだよ。まぁあまり強くなくて結局レザースター防衛戦で怪我して引退し、実家に戻って農家を始めたがな」

 ダーレスさんがそういうとまぁがんばれと私の肩をたたいた。

「さて、俺はエリック商会に顔ださなきゃならんから、ここで失礼するぜ。冒険者ギルドの場所は、この宿を出て右にまっすぐ行けば王立第一騎士学校があって、そこで左に曲がればすぐに看板が見える。目立つから簡単に発見できるだろう」

「何から何までありがとうございます。ダーレスさん」

 気にするなというとダーレスさんは出て行った。

 

 この世界ラクラシナは2つの勢力が支配していて、一つは第一の始祖神を信仰する勢力の第一の始祖信仰国。

 もう一つは第二の始祖神を信仰する勢力の第二の始祖神信仰国である。

 今いる国のリーズナイト国は第一の始祖神信仰国の一つで、すぐ隣に第二の始祖神信仰国の勢力があるためよく戦争がおこる。

 ゲームではこの第二の始祖神に作られた神を倒すことでメインクエストは終了する。

 そのあとは運営側が用意した第二の始祖神信仰国との領地をかけた戦いを繰り返し、最終的に第二の始祖神信仰国をすべて倒せばゲーム終了。

 その後そのサーバーは全キャラクターが一部を引き継ぎリセットされ再びゲームが始まるという流れである。

 現在この世界では8つある大陸のうち4つが第二の始祖神信仰国の勢力が支配し、2つの大陸が第一の始祖神の信仰国が支配する。

 残り2大陸が2つの勢力が戦争をしている戦争大陸で、そのうち黄の大陸ガイアにある第一の始祖神信仰国の一つがこのリーズナイト国である。

 リーズナイト国は第一の始祖神から作られた、太陽神テラスの加護のもとにできた国とされており、1個の王都、2個の大都市、10個の村からなる。

 私が生まれ育った村もこの中の一つである。

 先ほどダーレスさんの話に出てきたレザースターも昔はリーズナイト国の一つだったが、レザースター防衛戦で負けたため現在は第二の始祖神信仰国アルテミナの領土となっている。

 現在王都ではレザースター解放戦のための戦力補充を行っており、冒険者や騎士の育成に力を入れている。

 アイナが騎士学校に入れたのもこの戦力補充の一環である。

「そろそろギルドに行くか」

 そうつぶやくと私はギルドに向けて足を進めた。

 

 冒険者ギルドはすぐ見つかった。

 なぜなら、ゲームで何度も来ているし、リーズナイト国の王都冒険者ギルドはかなり有名だからで、看板に『めんそ~れ』と書かれている。

 製作者は沖縄の人?という疑問が出たがたが、実際は製作者が沖縄に行きたかったからそうなったという話が有名になり、製作者はフリーダムということが騒がれた。

 冒険者ギルドの扉を開け中に入るとかなりにぎわっていた。

 その賑わいを横目に見ながら受付に行くと女性の人魚(マーマン)が話しかけてきた。

「いらっしゃい。見かけない顔だね。何の用だい?」

「冒険者の登録をしたいのですが、ここでいいですか?」

 そういうと女性は少し顔を曇らせる。

「あんさん本気かい?あまり言いたくないが白種(ハクシュ)が登録するのはお勧めできないよ」

「え~と…薬草とりなどで生活できる最低限の収入があればいいかなと思ってるので…」

 そうあいまいな答えを答えを返すと、女性がフムといって2枚の葉を取り出す。

「あんさんはこれが何かわかるかい?」

 そう聞いてきた。

「裏見てもいいですか?」

「もちろん」

 許可が出たので私は裏返し裏を見る。

 この草は一つは緑草(みどりぐさ)でもう一つが黄緑草(きみどりぐさ)である。

 この二つは見た目がそっくりで緑色なのだが、ゆでると黄緑草は黄緑色になる。

 また葉の裏が光沢があるのが緑草で、ないのが黄緑草。

「こちらが緑草。そのまま傷にあてて使ってもいいが、アルコールと水を1:6で混ぜた溶液でゆでると薬用成分が染み出て初級の傷薬になる。こっちが黄緑草。これをすりつぶし、水に混ぜて飲むと初級の解毒薬になる」

 私がそう答えると受付の女性は驚いて

「へぇ。調合方法までしってるとはたいしたものだ。それなら必要最低限は稼げそうだね」

 と答える。

「…まぁ知ってるだけで実際はできないですけどね…」

 私が苦笑いしながら答えると、女性はあぁそうかと納得したような顔になる。

「まぁ薬草摘みは白種でも知識があればできるから問題ないさ。さぁ登録するからこれに手を当ててくれ。心配しなくてもいい。これはギルドカードを作る儀式だからさ。」

 そういって女性は丸い球を私の目の前に置いた。

 ギルドカードとはギルドに登録している証である。

 この世界には冒険者ギルドや商人ギルドなど様々なギルドがあり、それぞれギルドカードを発行している。

 ただし複数のギルドに所属しているキャラは最初に発行されたギルドカードに追加されていくので、2枚も3枚もギルドカードを持っている人はいない。

 ゲームではこのギルドカードでステータス・装備・職業・スキルをセットすることができる。

 この世界のステータスは力・魔力・精神・知識・体力・技術・敏捷・運によって決まる。

 力が装備や攻撃力、魔力が魔法攻撃力や魔力量(MP)、精神が魔法抵抗力、知識がアイテム判定成功率、体力がHPや防御力、技術がクリティカル率、敏捷が回避率、運がドロップ率や経験値取得率である。

 ステータスは数字とアルファベットであらわされ、他人に見えるのはアルファベットだけである。

 アルファベットは高いほうからS→A→B→C→D→E→F→Gとなっている。

 ステータスはレベルが上がるごとに一定量上がるのであったり、スキルによって上がる。

 ちなみに白種は一定レベルまでは上昇率平均0.1なので10レベルあがってどれか1つが1だけ(すべてMaxは999)上がる。

 レベルは職業ごとについていて(例えば剣士Lv1とか鑑定士Lv1とか)、その職業のレベルが上がればステータスも上がる。

 職業レベルは職業難易度でMAXが決まっており難易度1はMax20、難易度2はMax15と5ずつ減っていって難易度5はLv1しかない。

 経験値を割り振ることで習得可能で、難易度が低いものほど習得条件が簡単である。

 ゲームでは自分の好きなように取得経験値を職業に振ることができるので、育て方は無限大といわれている。

 個人のレベルは習得している職業レベルの合計である。

 ただこれはゲームの中での話であり、今の世界では経験値を稼いだものの職業Lvが上がるらしい。たとえば、農業のレベルを上げるのには農業を、剣士のレベルを上げるには剣をふるって上げるしかないみたいである。

 つまりゲームでは農業や薬草摘みで経験値を稼ぎ、剣士などのレベルを上げれたが、この世界ではそれができないのである。

 これは戦闘の苦手な白種にとっては大きな問題ではあるが、英雄になることはこの13年で諦めがついたので今はどうでもいいことである。

 受け付けの女性の言われた通り私は玉に手を乗せる。

 それを確認した女性が登録の儀式を始める。

「我汝が望む通りに仲間の契りを交わさん」

 これを聞くたびに変な言葉だなぁと思う自分の心に笑いながら私は儀式が終わるのを待つ。

「さぁ終わったよ。カードを確認してくれよ」

 と女性はいいながらカードを出してくる。それを受け取り確認する。

 

 ギルドカード

 クレナ・ヒート 種族:白種 15歳 

 称号:アマちゃんのかわいい弟

 ステータス

 力:1 G 魔力:1 G 精神:10 G 知識:わかんな~い S 体力:5 G 技術:5 G 敏捷:1 G 運:100 F

 職業

 植物鑑定士Lv20 上位植物鑑定士Lv15 農家Lv2 動物鑑定士Lv20 上位動物鑑定士Lv15 鉱物鑑定士Lv20 上位鉱物鑑定士Lv15 アイテム鑑定士Lv20 上位アイテム鑑定士Lv15

 装備

 銅剣 農民の服 農民の靴

 所属ギルド

 冒険者

 所持金

 100†

 

 ギルドカードを見た私は驚きを隠せなかった。

 ギルドカードは神が能力をはかり記入されるが、なぜ知識が『S』でなおかつ『わかんな~い』なのか、神様ちょっと教えてください。

 なおかつ称号のアマちゃんって誰ですか。

 私には姉もしくは兄はいませんよ神様。

 ちなみにお金の†は単位である。

 女性が私の怪訝な顔をしてるのを見て

「白種は平均能力はG~Fだから低くても仕方ないよ」

 と言って慰めようとしてくれる。

 私はあわてて顔を戻す。

「まぁこれから頑張って強くなります」

 っそうあわてていうと女性もそれがいいよ、という。

 その後ギルドの規定や依頼の受け方、ダンジョンやアイテム販売の仕方、初心者訓練所の説明をしてくれた。

 武器やアイテムは基本道具屋や武器屋が販売するが冒険者ギルドでも一部を取り扱っている。

 説明が終わると女性は

「白種の子はまず教会で神の恩恵をうけるといいよ。そのあと訓練所いって初心者訓練を受けるといい。さて、何か質問あるかい?」

「ありません。」

「そうかい。きおつけて冒険者ライフを楽しむんだよ。無理はしないこと。命があればいくらでもやり直しがきくからね。では…えっと…」

「クレナです。クレナ・ヒート」

「了解クレナ。私はエリシア・カトレット。ギルドマスターのバートン・カトレットの妻さ。みんなからエリさんと呼ばれてるよ。」

「わかりました。いろいろありがとうございますエリさん。」

 お礼を言ってエリさんと別れた私はギルドを出て神殿に向かった。

 この世界は2人の始祖神が作ったとされている。

 さらに始祖神は様々な神や生物を作ったとされている。

 第一の始祖神は生物たちが自ら考えた法の下で生活し、神はそれを手助けする存在という考えを持つ。

 第二の始祖神はすべての生物は神により管理されるべきとしている。

 さらに第二の始祖神から生まれた神々は神のいうことを聞かないものは滅ぶべしといった感じで第一の始祖の加護を攻めたために争いが生じた。

 この話はこの世界の住人が知る話で、実は始祖神は3人いる。

 3人目は世界を作ったらすぐに異次元に籠ってしまった。

 生命が死んだときに次の命としてこの世界に戻す仕事をするために、生と死のはざまにいたほうが都合がいいのである。

 そのため第三の始祖神は神を作ってすぐにこの世界から手を引いた。

 第三の始祖神に作られた神はその後第一の始祖神に造られた神や第二の始祖神に造られた神の一つとして扱われている。

 エリさんに神殿の話をされたときにアマというものになんとなく予想がついた。

 第三の始祖神から作られた神に水神アマという神がいる。

 この神様なら何か知ってると感じたのだ。

 急ぎ足でアマ神殿に行き中に入った。

 アマ神殿はがらんとしていた。

 この国では太陽神の信者が多いため水神信者は少ないのである。

 さらに今日は多くが仕事のある日で、信者も仕事のため参拝してないと思われる。

「水神神殿に何か用ですかな?」

 中に入ると神父さんらしき人が笑顔で話しかけてくれた。

「今日冒険者になったクレナといいます。水神アマ様の加護がほしく参りました」

 そういうと神父さんが祭壇に案内してくれた。

 神の加護を得るには神に祈りをささげ、神からの承諾を得なきゃいけない。

 といっても基本祈りをささげれば加護をくれる。

 もちろん神の意に反した場合は神罰が下るようになるといったデメリットもある。

 ゲームの世界では加護をもらうと神官Lv1が手に入り全体的にステータスに補正が入る。

 また、信仰する神ごとに違うが、神聖魔法も使えるようになる。

 水神アマの場合は神官Lv1で水浄化(どんな水でも飲めるくらいきれいな水になる)と水生成(水を作ることができる)が使えるようになる。

 私が祭壇で祈りをささげると急に天井が明るく光った。

 そしてその光は私を包んだ。

 ゲームではこんなことは起こらなかったので驚いて神父さんを見ると、神父さんも驚いた顔をしていたが、すぐにひざを折って何かに祈るような恰好をした。

 それを見てるとどこからか声がした。

『ふっふっふ。驚いたクレナちゃん?』

「どなたでしょう?」

『っえ?クレナちゃんひっど~い。私のこと忘れちゃうなんて。お姉ちゃんおこちゃうぞ。ぷんぷん』

 どこからか聞こえた声は幼い女性の声でぷんぷんといっていた。

『しょうがないな~。自己紹介してあげよう。』

「お願いします」

『時に人は私を水神といい、時に人は第一の始祖神の子という。その名も』

「アマ様。自己紹介長いです」

 水神アマ様と私が初めて会話した瞬間である。

 

 

 


水神アマちゃん登場。にしてもこの神様ノリノリである。

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