02癌が見つかった
記憶を頼りに書いているので、間違いは多数あると思う。
まあ雰囲気で。
十月上旬に定期健康診断で胃カメラのオプションを追加しました。鼻から入れるタイプの方が細いと書いてあったので鼻方式を選択。
十分位で終わるかなと思っていましたが体感三十分以上掛かっているように感じました。えずきそうになって結構大変でした。看護師の方が定期的に背中を優しくなでてくれて凄く助かった。
「紹介状の書き方~」
医者が看護師の方に何度か話しかけているんだけど、紹介状の話って今回取っている私の話? まさか? この前に作業していた人の話なのかなとか思いつつ、検査を終えました。
検査後に胃内部の映像を見せられて、突起物を見せられました。
「悪性の可能性がある。他臓器に転移している可能性がある。別の病院で精密検査を受けるように。サンプルで組織を採取した。結果が分かったら私の働いている病院でも良いし、他の病院でも良いから絶対受診して」
今まで見た人の中で一番真剣な表情をしていました。人の顔ってここまで深刻さを表現出来るのかと感心するくらいの顔つきでした。
他臓器転移の可能性も含めて覚悟しました。とはいえそれが悪性の可能性があるとは言い切れないし、すべてはサンプルの解析結果からだと思う。なので、奥さんにも詳細には伝えなかったと思う。
十一月上旬に健康診断を受けた病院で結果を受ける予定でしたが、一週間以上前に電話が掛かってきました。
「胃カメラの結果が出ました。日程を早めて受診出来ませんか?」
ああ、悪性だったのね。まあそうだなと思ってました。最短で翌日の予定が取れたので急遽休みをいただいて受診することにしました。その日の深夜、トイレに行きたくて布団から出たら立ち眩みして転倒しました。
寒かったので布団から出るのに勢いを付けたかっただけなんだけど、それが良くなかった。奥さんがその転倒した音で起きてきて、今まで転倒なんてしたこと無かったからすごく心配させてしまった。翌日奥さんも急遽仕事を休んで、一緒に説明を聞きに行きました。
健康診断を受けた病院ではステージなどの説明は出来ず、悪性でした、別の医療機関を紹介します、だけしか話せなかった。
胃カメラを操作してくれた先生が自分から自分あての紹介状を書いてくれていた。自宅から一時間位で通える場所だったし、一番状況が分かっている人に担当してらもう方が早いと思ったのでその病院にしました。直ぐに予約を入れました。
担当の先生は火曜日に居るという話だったが、なぜか金曜日を案内されて、火曜日じゃないのか念押しをしたが初診は金曜日とのことで最短の日付で予約しました。
何の追加検査をするか分からなかったので十九時以降は飲食せずに臨みましたが、病院前に着いたら電話がありました。
「本日先生がお休みで、受診延期されますか?」
いやいや、もう既に病院の目の前にいるし、遅らせたくないのでとりあえず受診することにしました。結果的には他の先生に診てもらったので問題が無かったのですが、それで帰ったら余計な期間を無駄にするところでした。
ステージは造影剤を使ったCTスキャンで他臓器の転移状況を見ないと伝えられないそうなので、まずはCTスキャン結果後に転移しているのか、どういう治療方法にするかなどもそれからになる。
一応、そこで癌である旨は明確に言われました。食道胃接合部癌というもので、食道と胃の接合部に出来た癌です。この部分はリンパに近いため他臓器に転移している可能性が高いそうです。
CTスキャンの日程予約は最短で翌日でした。そこで撮影したものを翌火曜日の担当先生の受診に間に合うそうなので、日程が無為に過ぎなくて本当によかった。
火曜日に先生の診断を受けた時に、他臓器に転移していないことが確認出来て一安心しました。なので問題の箇所を取り除く手術が良いとの事なので、その治療方法で行く事にしました。現状ではステージは1または2という判断でした。
入院までの間、奥さんとは四、五回口論になりました。最終的には奥さんが折れたのですが互いの価値観が違うために起きました。
・手術に関する説明が少ない。もっと説明が聞きたい
万が一のことがあった時にその手術を選択した事が問題になるかも知れない
・私の両親や兄弟に対して、早く伝えなくていいのか
・説明を聞く側にも心構えが居るのに、突然あっさりと伝えようとしている
私は手術の手法などどうでもよくて、医者が選択したならそれが最適だと思うし、心配したから手術の成功が上がるわけでもない。根底にあるのは成るようにしか成らないです。だから他臓器に転移していたら、それはそれで仕方ないと思ってました。
ただ両親よりも先に死ぬのだけは申し訳ないと思っても居たので他臓器転移していなくて本当に良かった。
脱線しちゃたけど、また詳細が分からない中で両親や兄弟に連絡したって、その間心配をかけるだけになるんだから、転移がないことが分かってから伝えれば良いでしょという考えでした。
私の両親に癌を伝えるにあたって、別件の用事があったので実家に寄る用事があったから、そこでふらっと伝えようと思ってました。そしたら、相手にも心構えを持つ時間がいるのに考えが無さすぎると。
私は他臓器転移もしていないし、心配させても仕方ないし、万が一何かあったとしてもその時はその時なんだし、極力心配させたくないという思いが強かった。
両親も私が癌の話を聞いたが、そこまで心配することは無く、今度入院する手術することを理解してもらいました。うちの父親は私よりも数倍優秀なので、きっと心配させたくないという思いもくみ取ってくれて、軽く流してくれたと思う。
癌や転倒したことで奥さんは常に心配しっぱなしで、家事全般、とにかく全部を一人で受け持ってくれて、退院した今もなんでも全部やってくれている。本当に感謝しかないです。私には人の心を思いやる、そういうものが欠けているのかも知れない、自分の事だから、なるようにしか成らないから、他の人がそれほど心配しているという事に思い至らなかった。




