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96話 26階層~29階層


 朝が来た。


 今日はA級ダンジョンの26階層からの攻略になる。


 一気に転移で25階層へ飛ぶ。

 うなぎの魔物の棲む地底湖のほとりを迂回しながら、26階層への入り口へ進む。

 どうしても湖に近寄らないといけない場所があったが、エミリーが結界を張りうなぎの電撃を防ぎながら、皆で遠距離攻撃をしてうなぎの群れを倒す。

 また、極上のうなぎ肉が大漁だ。ここは案外いいスポットなのかもしれない。



 26階層に入ると、そこは雪の降る草原だった。地面は真っ白に染まっている。

 氷のような薄い水色をした狼の群れが現れた。


―――鑑定―――

ブルーフェンリル Lv360

・狼の魔物

・フェンリルの上位種

・強力な冷気攻撃をしてくる

・噛みつき、爪などの攻撃も強い

・全般的に能力が高い

・冷気耐性を持つ

――――――――  


 いつものように皆で一斉攻撃をして、次から次へとブルーフェンリルの群れを倒す。

 何匹か、かなり強い冷気の風で攻撃してきたが、イナリの火魔法のファイアウォールなどで、防ぎながら安全に狩る。

 ドロップアイテムが散らばる。


~~~鑑定~~~

ブルーフェンリルの牙(素材)

・硬く強い武器素材となる

‥‥‥‥‥‥‥‥

ブルーフェンリルの毛皮(レア素材)

・上質な毛皮。

・服、ローブ、マントなど、様々な素材となる

‥‥‥‥‥‥‥‥

フリーグマント(ユニーク防具:全身)

・防御力(DR)12

・装備時、全能力値+20

・寒熱耐性(大)

・防水機能に優れる

‥‥‥‥‥‥‥‥

女神のフリーグマント(ユニーク防具:全身)

(同上)

・空間ソケット《2》

~~~~~~~~


 マントのユニークアイテムが出た。以前使用していたフェンリルのマントの更に上位版だ。色は以前の物より若干薄い青色だが、より上品で神々しく見える。

 レアアイテムの方もこのレベルの魔物になれば、かなり高級素材として高値がつくことだろう。

 

 全員分集めて、皆でマントを羽織る。暖かい。

 雪の中を急ぎ急ぎ、次の階層に向かう。シャンテやミーアが氷雪の上で転んでた。イナリは狐獣人の特性なのか、雪の中でも滑ることなく踊るように駆け足で進んでいた。


 

 27階層に入ると、そこは一転して日が差したかのような明るい草原に変わった。そこは広々とした麦畑のようだ。

 

「にゃ~、広いにゃ~!」

「あれは、麦畑みたいなのじゃ~」


 よく見ると、以前B級ダンジョンで見たムーギー(麦の魔物)のようにも見えるが――。


―――鑑定―――

オリュザス Lv280

・稲の魔物

・強い魔力を纏っている

・硬い米の粒を放ってくる

・米粒に麻痺と睡眠効果(大)

・集団で行動する

・弱点:やや火・炎

――――――――   


「おおお!! お米だ!」


 俺はつい叫んでしまった。


 その稲穂は人の体くらいの大きさの一塊となっている。その無数の塊がダンジョンの大地に密集している。レベルは前の階層の魔物より低くなったようだが、数が物凄く多い。

 ざわざわと動き始め、一斉に襲ってきた。

 稲の魔物、オリュザス。無数の米の粒が一斉に飛んで来る。強力そうな米粒だ。


「防御結界!」


 エミリーが結界を張る。


 無数の米の粒はエミリーの結界に遮られて跳ね返る。


「よし! 皆! 焼き払うぞ! 収穫の時間だ!」


「ここはわらわに任せるのじゃ~!」


 結界の中からイナリが無数の狐火を出し、辺り一面を焼け野原にする。


 燃え上がるオリュザスの集団。


「コメェエエエエエエエエエエ!!」


 奇妙な叫び声を上げながら、次々に消えて行くオリュザスの群れ。


 こうして敵の集団を殲滅した結果、大量の魔石やアイテムが周囲に転がっていた。


~~~鑑定~~~

米(食材)

・炊いて食べると美味しい

‥‥‥‥‥‥‥‥

極上の米(レア食材)

・炊いて食べると非常に美味。

・ふっくらとして病みつきになるよ!

‥‥‥‥‥‥‥‥

ご飯の製造魔具(ユニーク魔道具)

・炊飯用魔道具

・米を入れると一瞬で美味しいご飯が炊きあがる

・製造にはオリュザスの魔石が必要

~~~~~~~~  


「おお!! 極上の米が出たぞ! しかもユニークは便利な炊飯器だ!」


 あたり一面、米が入った大きな麻袋などが転がっている。炊飯器のユニーク魔装具もかなりあるようだ。 

 シャンテが網の糸を出して、辺り一面に散らばったアイテム群を取り寄せ、モフが空間魔法に収納する。


「にゃ~、米かにゃ? まだ食べたことないにゃ~」

「わらわもじゃ~。噂には聞いておるが、どんな味なのかのう?」

「ミレアも食べたことないよ!」


「おう、米を炊いてご飯にするとこれはもう癖になるほど美味しいぞ~」  


 これで "うな重" が食べられるな。それにおにぎりとか丼物とかチャーハン、カレーライスなど、いろいろ作れるなー。焼肉にあつあつのご飯。米はなんにでも合うな。やったぞ!


 おっと、つい興奮してしまったな。

 まだまだ、敵のレベルは低いので、さっさとレベルアップ効率の良い階層に行くか。



 28階層は、普通の洞窟型のダンジョンに戻った。

 しばらく進むと、人型の魔物が現れた。背に天使のような羽が付いている。


―――鑑定―――

堕天使バルベリタ Lv380

・かつて大司祭だった天使の成れの果て

・魔力が高く様々な魔法攻撃をしてくる

・回復系魔法を得意とする。

・弱点:特になし

――――――――   


 いつものように、先手必勝の一斉攻撃をする。何体も探し、倒しまくる。

 俺たちの基本レベルよりも少し高い魔物だ。少しづつレベルアップ効率が上がってくる。


~~~鑑定~~~

堕天使の羽(素材)

・いろいろな道具に使える

・錬金用にも使える

‥‥‥‥‥‥‥‥

堕天使の灰衣(レア防具:ローブ)

・防御力(DR)10

・装備時、魔力+10

・魔力自然回復(中)

‥‥‥‥‥‥‥‥

バルベリタリング(ユニークアクセサリー:指輪)

・装備時、魔力+40、精神+10

・付与スキル:回復魔法Lv4、グランレクイエム

・魔力回復(中)

‥‥‥‥‥‥‥‥

女神のバルベリタリング(ユニークアクセサリー:指輪)

(同上)

・空間ソケット《1》

~~~~~~~~


「おお! 回復魔法系の指輪だ!」


 素晴らしい性能の指輪だ。魔力の能力値上昇が高く、すでに回復魔法Lv4が付与されている。

 しかも「グランレクイエム」というスキルまで付与されている。これはレクイエムの上位版のように思える。

 グランレクイエムの文字をじっと見つめて、更に詳細を鑑定する。


~~~鑑定~~~

スキル:グランレクイエム

・アンデッドに対しての攻撃効果(特大)

・攻撃対象には痛みや苦痛を一切与えない。

・複数の敵を対象に使用することが可能(効果範囲大)

・鎮魂作用を持つ。

・消費魔力は使用範囲による

~~~~~~~~


 なるほど。確かにレクイエムの完全上位版だ。


 俺は、女神のバルベリタリングを指にはめようとするが――装備出来なかった。あれ? おかしいな……。

 ああ、そっか! 思い出した。指輪は6つまでしか装備出来なかったのだった。以前、冒険者になり立ての頃、冒険者研修で教わったのを忘れていた。右手に3つ、左手に3つの合計6つまでしか装備出来ないようになっているのだ。

 こういった仕様も、この世界がゲームのような世界だと改めて感じる。


 バルベリタリングは、現在装備している「コラプトゲンマ」の完全上位互換の指輪だ。

――――――――   

コラプトゲンマ(ユニークアクセサリー:指輪)

・装備時、魔力+10

・付与スキル 回復魔法Lv2、レクイエム

・魔力回復(小)

――――――――   


 そう言えば、レイクイエムが付与されているこの指輪には、今まで随分と助けられたものだったな。

 俺は、感謝の念を込めて、コラプトゲンマを空間魔法に収納し、新たなユニーク指輪「バルベリタリング」を装備する。



 29階層に入ると、再び広い草原に変わった。なぜだか辺りは薄暗く、月みたいなものが空に浮かんでいた。

 夜の草原のようだ。

 遠くを見渡す。月明りの中で、広々とした草原に、所々に樹々が生えているのが見える。見晴らしはよく自然にあふれていて気分が良い。

 この夜の草原は、何故だかほっとする階層だ。


 ダンジョンの中は、階層ごとにいろいろな形態を取るようだ。不思議なものだ。


「にゃ~、夜の草原も、広々としてて気持ちいいにゃ~」

「月が奇麗なのじゃ~」

「ほんと、なんだか不思議な気分だわ」


 遠くを見渡しても特に魔物の姿は見られない。


 そう言えば、お腹が空いたな。ここは広いしクランハウスを建てて、中で食事でもするか。クランハウスの中なら、魔物の襲撃に遭うこともなさそうだしな。


 クランハウスを建てて、皆で入る。


「クランハウスに入るのは久しぶりね」

「そうだにゃ~。落ち着くにゃ~」

「わらわは、お腹がすいたのじゃ~」


 こうして、俺たちはクランハウスの食堂で、朝にメイドさんから頂いた豪華な弁当を広げて食事をするのだった。


「にゃ~、お腹がいっぱいになって、なんだか眠くなってきたにゃ~」

「わらわもじゃ~。少しだけ寝るのじゃ~」

「そうね、私も少し仮眠をとることにするわ」


 俺たちは、それぞれベッドのある個室に入り、少しだけ仮眠を取ることにした。



 ――しばらく皆が仮眠に入り、静まり返っていたその時だった。



 ドカーーーーーーン!!

 ドカーーーーーーン!!



 激しい音が響き渡り、クランハウスが、まるで地震にあったかのように激しく揺れ出した。


評価頂きありがとうございます!

また、誤字報告して頂いた方、ありがとうございます。大変助かります。改めて見ると結構誤字ありますね>.<


(ちなみに75話の女騎士さんの会話で一部誤字らしきものがありますが、誤字ではなく、作者のいたずら心です。笑)

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