表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
71/141

71話 19~20階層 魔石鑑定


 少し休憩した後、俺たちはB級ダンジョンの19階層に入った。


 ここでは大きな鳥のような魔物が現れた。見た目はまさに孔雀(クジャク)といった感じだ。

大きな羽は真っ赤に燃えているようだ。


―――鑑定―――

火炎孔雀 Lv90

・火魔法および火炎攻撃をしてくる

・魔力が高い。

・火炎耐性(大)

・弱点:水、氷

――――――――  

 

 敵のレベルが更に上がった。レベル90だ。

 炎の攻撃をしてくるようなので、俺は、念のため皆に水魔法の「水膜」を張る。

 そして、いつも通り皆で一斉攻撃をして、狩りまくる。


 こちらの炎攻撃がほぼ効かないので、火炎攻撃を得意とするイナリは、少ししょんぼりしているようだ。仕方ないといった感じで「土の腕輪」に付与されている土魔法Lv3で攻撃している。

 

 ユニークアイテム2種類を入手した時点で、ドロップアイテムをまとめて鑑定する。


~~~鑑定~~~

激辛鶏肉(食材)

・火炎孔雀のお肉

・激辛の味が癖になる

‥‥‥‥‥‥‥‥

炎の孔雀羽(レア素材)

・炎の力が込められた孔雀の羽

・貴重な錬金用素材

‥‥‥‥‥‥‥‥

火炎孔雀の扇(ユニーク武器:扇)

・攻撃力(DR)8

・装備時、魔力+15

・火魔法Lv+1

・火炎系の攻撃効果上昇+20%

‥‥‥‥‥‥‥‥

女神の火炎孔雀の扇(ユニーク武器:扇)

(同上)

・空間ソケット《2》

~~~~~~~~ 


「おお! 今度は(おうぎ)のユニーク武器だ!」


 扇の武器は初めてだな。かなり火炎系に特化した武器だ。武器として扱うより火魔法や火炎攻撃をかなり強くする効果が付いているので魔法使い系の補助武器としてかなり有効だろう。

 魔力が上がり、火魔法のスキルが1つ上がる。そのうえ火炎系の攻撃効果が20%も上昇する効果が付いている。こういった効果は初めてだな。

 これは火魔法や狐火などの火炎系攻撃を得意とするイナリにうってつけの武器に違いない。


 俺はイナリに「火炎孔雀の扇」を渡す。


 受け取ったイナリは目を見開く。


「こ、これは!? 凄い扇なのじゃああ!! やったのじゃあああ!!」


 イナリがそのユニーク扇を手に狂喜乱舞している。ふさふさの尻尾が大きく揺れている。   


 良かったな、イナリ。皆も生暖かい目でイナリを見つめていた。



 そして、俺専用の「女神の火炎孔雀の扇」はソケットが2つ付いてた。これはラッキーだ。やはりこういった武器にも2つ付くんだな。

 この扇は、全員分そろえる必要はなさそうなので、とりあえずイナリの分とは別に2本ほど入手して、次に進む。



 そして俺たちはいよいよ20階層に踏み込んだ。

 B級ダンジョンの最下層は24階層だ。迷宮主戦が近づいて来るのを意識して胸が高鳴ってくる。



 20階層では、青い狼のような魔物が現れた。

 C級ダンジョンの7階層に出現するブルーウルフに似ているが、こちらは更に二回りほど大きく、かなり強そうだ。


―――鑑定―――

フェンリル Lv95

・狼の魔物

・冷気や闇の攻撃をしてくる

・噛みつき、爪などの攻撃も強い

・全般的に能力が高い

・弱点:特に無し

―――――――― 


 レベル95。更に上がった。 


「にゃ~! 強そうだにゃ~!」

「わらわの炎で焼き尽くすのじゃ~!」


 皆で一斉攻撃する。

 この辺りになるとモフも光魔法の「弱体化の光」を使ったり、ライトボールなどを連発して積極的に魔法を使っている。

 シャンテも操糸術のレベルを上げたのか、俺の知らない糸術を使っている。俺があげたユニーク短剣を糸にからませて飛ばし、(あやつ)りながら遠距離攻撃などしている。器用なものだ。また、飛針術で針を飛ばし、敵を一瞬マヒ状態にするなど、有効なサポートをしている。

 エミリーとミレアはいつも通り風の力を纏った弓で強烈な矢を連続で放つ。

 ミーアとアリシアさんは、相変わらず脳筋一筋、剣での連撃だ。

 リンは俺と同じような性能を持つ全能力+20の「キングキャットの勲章」(ユニークブローチ)を装備しているので、全般的に強い。土魔法Lv4の強力な岩の弾丸などを放ちながら、剣撃を行っている。


 こうしてフェンリルを狩り続け、いつものようにユニークアイテム2種類を入手した時点で、ドロップアイテムをまとめて鑑定する。


~~~鑑定~~~

フェンリルの牙(素材)

・上質の武器素材

‥‥‥‥‥‥‥‥

フェンリルの毛皮(レア素材)

・上質の毛皮

・服、ローブ、マントなどに最適

‥‥‥‥‥‥‥‥

フェンリルのマント(ユニーク防具:全身)

・防御力(DR)9

・装備時、全能力値+6

・寒熱耐性(中)

・防水機能付き

‥‥‥‥‥‥‥‥

女神のフェンリルのマント(ユニーク防具:全身)

(同上)

・空間ソケット《2》

~~~~~~~~ 


 ついにユニークマントが出た。性能も素晴らしい! DRはマントとしてはかなり高く、全能力値+6は凄い。

 これもメンバー全員分欲しいものだ。


 皆で引き続きフェンリルを狩りまくって、「フェンリルのマント」を全員分入手した。

 

 現在俺が装備している「藍狼のマント」(レア防具)となんとなく色つやが似ているが、明らかにこちらの方が高級そうなマントだ。深い青色の格好いいマントだと思う。


 ダークシルフから全員分入手した「闇風のフード」と合わせて、この「フェンリルのマント」も全員が装備した。

 皆は、一様に、闇に包まれたかのようなフードを被り、深い青色のマントを身に(まと)っている。


 こうしてみると、このパーティーが何か影の組織の一員のような感じがしてくる。

 でも、皆似合っていると思う。


「にゃ~、みんな同じ格好だにゃ~」

「怪しい集団に見えるのじゃ~」

「いや、結構この姿も格好いいと思うぞっ!」

「ふむぅ、トールさんのだけ、少し色が違う気がしますねぇ~」

「そうね、トールのだけなんだかオーラを感じるわ」


 まあ、俺のは女神シリーズのユニーク装備だからな。女神様の特別な力が込められているからかもしれない。微妙に色合いが違って神々しいオーラを放っている。

 そして、皆の装備の上位装備で、空間ソケット(穴)が付いているのだ。穴があったら入れて見たくなるものだ。もちろん魔石をだ。


 それはともかく "女神の" という修飾詞の付いたユニークアイテムは、俺だけに装備出来る特別な物だ。俺はちょっと嬉しくなる。


「さて、今日はこの辺にするかー。皆だいぶ攻略も進んだし、そろそろ帰るぞー」


 こうして俺は転移魔法を使い、皆でダンジョンを出ていくのだった。





 その後、俺はリンと一緒に自宅に転移して帰って来た。リンは夕食を作り始める。


 俺は自分の部屋にこもる。


 さて、気になる女神のユニーク装備のソケットの件だ。


 魔石を入れるとどうなるんだろう。それぞれの魔石の効果とかも気になるな。なんだかワクワクするな。

 俺は今まで狩りで得た魔石は概ねギルドに売却していたが、各種いくつかはコレクションとして持っている。最近はほとんど売却してないので、B級ダンジョンで手に入れたものは、アイテムボックスの中にかなり貯まっている。


 手始めにC級ダンジョンで得た、適当な魔石をいくつか鑑定してみる。


~~~鑑定(ソケット効果)~~~


・スライムの魔石(物理耐性・微)

・ホーンラビットの魔石(筋力+1、敏捷+1)

・ゴブリンの魔石(体力+1、敏捷+1) 

・グレイキャットの魔石(敏捷+2、夜目Lv1)

・モフミィの魔石(敏捷+2、幸運+1、感知Lv1)

・キャタピルの魔石(体力+1、DR+1)

・バタフルの魔石(魔力+2、風魔法Lv1)


~~~~~~~~~~~~~~~~ 


 なるほど、こういった感じか。まあ、レベルが低い魔物の魔石なので効果はたいしたことないな。

 スキルが付いている物もあるな。これを複数入れると足し算されるのだろうか。

 俺は試しに女神のフェンリルのマント(空間ソケット2つ付き)にモフミィの魔石を2つ入れて鑑定してみる。


~~~鑑定~~~

女神のフェンリルのマント(ユニーク防具:全身)

・防御力(DR)9

・装備時、全能力値+6

・寒熱耐性(中)

・防水機能付き

☆敏捷+4、幸運+2、感知Lv1

~~~~~~~~ 


 おお! 効果が付いた! 能力値においてはそのまま足し算されるようだ。スキルについてはやはり無理なようだな。

 だが、これはおもしろそうだ。


 よし、次は最近の高レベルの魔物の魔石を鑑定してみるか! 俺はドキドキしてくる。



「お兄ちゃーん。夕食出来たよー。今日は激辛鳥肉を使ったスープだよー」


 今夜も、リンの元気な声が聞こえて来た。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ