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69話 12階層~17階層


 朝が来た。


 今日は皆で引き続きB級ダンジョン攻略を進める日だ。今日は12階層からの攻略になる。


 ギルドに朝から行き、日課である「祝福のドロップ」かけを済ませる。


 その後、俺の(ハーレム?)パーティーメンバーがやって来たので、俺は、皆に声をかける。


「皆、聞いてくれ。俺とモフは『転移』を覚えた。ここからダンジョンの12階層まで一気に転移するぞ!」


「えっ? 転移?……」


 皆は一瞬、理解が追いつかなく戸惑っているようだったので、実際に体験してもらうことにした。


「転移!!」


 皆が光に包まれる――


 そして、俺たち全員はダンジョンの中にいた。


「にゃにゃ!? ダンジョンの中だにゃ!」

「わっ! ダンジョン!?」

「きゃはは~! 転移じゃ~! 凄いのじゃ~!」

「トール! いつの間に転移なんて覚えたの!?」

「びっくりですぅ~」

「全く……。トール殿には驚かされてばかりだ……」


「よし、みんな。今日も張り切って行こう!」


 驚き呆れられながらも、気合を入れて付いてくる皆。


 12階層では、暗黒の騎士(Lv55)が出てくる。ユニークアイテムはミーアが持っている大剣「フラマニゲルス」だ。いつものように皆で一斉に攻撃して、予備のフラマニゲルスを1本手に入れる。


 下の階層へ進む。


 13階層はダンジョン内が草原のように広くなっている場所だ。ムーギー(Lv50)の麦の魔物がわらわらと出て来るところである。


「にゃ~! すごい数にゃ~!」

「わらわに任すのじゃ~!」


 皆で一斉攻撃をする。特にイナリの「狐火」の無数攻撃がかなり効いている。辺り一面焼け野原になって、ドロップアイテムの小麦や金色の小麦、そしてユニークアイテムの「パンの製造魔具」が至る所に落ちた。

 パンの製造魔具はパンをあっという間に作れる便利なものだ。避難所の炊き出しをしているところにも幾つか配っておこうかな。必要なムーギーの魔石と一緒にすべて回収する。


 この階の担当の冒険者パーティーが、俺たちの戦いを見てびっくりしていた。


 更に下の階に進む。


 14階層はウッドゴーレム(Lv60)が出る階層だ。ユニークアイテムは「クランハウス」だ。これは避難所にはいくつあってもいいので、しばらく皆で狩り、更に5つのクランハウスを手に入れた。これで避難民の住居問題も少しは解消されるはずだ。



 そして、いよいよ今回俺も初めて入る15階層に到着した。

 15階層は今までの階層と比べて更に広くなっている。階層攻略に少し時間がかかりそうだな。


「お腹空いたにゃ~」


 そろそろ昼の食事時か。転移を発動し皆でダンジョンを一旦出る。やはり転移は便利だな。


 食事が済み、再び転移で15階層に戻り、探索を開始する。


 早速魔物が現れた。人間型の巨体が歩いている。頭に2本の角が生えている。強そうだ。手に大きな剣を持っている。

 鑑定してみる。


―――鑑定―――

オーガ Lv70

・体力と筋力に優れる

・攻撃力は高い

・弱点:特になし

・体は硬く物理攻撃は効きにくい。

―――――――― 


「おお、いきなり70レベルか。さすがオーガだな」


 といいつつ、皆で一斉攻撃をかけ瞬殺するのだった。

 しばらくオーガを狩り続けて、ユニークアイテムを入手したので、まとめて鑑定する。


~~~鑑定~~~

オーガの角(素材)

・硬く強い武器素材となる

‥‥‥‥‥‥‥‥

オーガの剣(レア武器)

・攻撃力(AR)9

・装備時、体力+6、筋力+6

‥‥‥‥‥‥‥‥

剛力の指輪(ユニークアクセサリー:指)

・装備時、体力+10、筋力+15

・攻撃時、クリティカル効果(小)

~~~~~~~~


「おお! 素晴らしいユニーク指輪だ!」


 攻撃を得意とするメンバーはもちろん、それ以外でも体力や筋力は重要だ。


 早速、皆で引き続きオーガ狩りをする。階層がだいぶ広くなったので、狩りにかかる時間も増えて来た。

 そして、なんとか剛力の指輪を全員分、入手することが出来た。


 ちなみに今の俺のユニークドロップ率は15%なので、全員8人分のユニークアイテムををそろえるのに、理論上54体ほど倒す必要がある。そうするとその過程でレアアイテムは20個以上、通常アイテムは80個ほど落とすことになる。すごい数だ。

 レアアイテムのオーガの剣などは、冒険者や騎士団員たちにとってかなりの上物になるだろう。後で在庫管理しているエメルダさんに渡そうと思う。



 次は16階層だ。

 ここでは、緑色に光る巨大なスライムが現れた。


―――鑑定―――

エメラルドスライム Lv75

・魔力に優れる

・4属性すべての魔法を使ってくる

・弱点:特になし

・物理攻撃、魔法攻撃共に効きにくい。

――――――――  

 

 どんどん敵のレベルが上がって来る。

 皆で一斉攻撃をして、倒しまくる。やはり8人とモフでの一斉攻撃は強力だ。

 ユニークアイテムを入手した時点で、ドロップアイテムをまとめて鑑定する。


~~~鑑定~~~

エメラルドゼリー(素材)

・スライムゼリーに更に魔力が加わったもの

・様々な素材に使われる

‥‥‥‥‥‥‥‥

エメラルドポーション(レア消耗品)

・各種状態異常を治すポーション

・効果(中)

・飲んでも振りかけても良い

‥‥‥‥‥‥‥‥

スマラカタル(全魔の宝石)(ユニークアクセサリー:指輪)

・装備時、魔力+15、精神+10 

・4属性魔法Lv+1

~~~~~~~~


「おおお! これはまた素晴らしいユニーク指輪だ!」


 魔力と精神が上がり、しかも4属性魔法のレベルがそれぞれ1上がるのだ。凄い効果だ。

 火魔法や風魔法などの4属性魔法を持ってないミーアなどには、この効果は意味がないが、それでも魔力と精神が上がる効果は大きい。


 再び、皆で引き続きエメラルドスライム狩りをし、スマラカタル(全魔の宝石)を全員分、入手するのであった。 

 また、レアアイテムの「エメラルドポーション」も大量に入手出来た。効果は(中)みたいだが、各種状態異常を治す貴重なポーションだ。これもいざという時のためにたくさん持っておいた方がいいだろう。



 次は17階層だ。

 ここでは、人間型の魔物が現れた。魅惑的な美しさを持った女性の姿をしている。


―――鑑定―――

ダークサキュバス Lv80

・状態異常攻撃に優れる

・幻惑攻撃をしてくる。

・弱点:物理攻撃

・男性に対しては特に強い魅了攻撃をしてくる

・男性は特に注意。精神力で耐えること!

――――――――  

 

 おお、なんかやばそうな敵だ。特に俺が! 鑑定の最後の文字が、女神の鑑定機能のような口調になっている。

 俺のステータスの精神値は今や140はある。きっと大丈夫だとは思うが……。

 ヤバい状態異常にかからないよう、先手必勝だ。皆で一斉攻撃をして、一気に倒しまくる。一応エミリーが、結界魔法をいつでも張れるように準備はしている。

 ユニークアイテムを入手した時点で、ドロップアイテムをまとめて鑑定する。


~~~鑑定~~~

サキュバスの羽(素材)

・主に錬金素材に使われる

・怪しい効果が出来やすい

‥‥‥‥‥‥‥‥

サキュバスの魔薬(レア素材)

・錬金用の上位素材

・怪しい効果が出来やすい

・良い子は錬金しちゃダメ絶対!

‥‥‥‥‥‥‥‥

アニムスイナレス(精神のイヤリング)(ユニークアクセサリー:耳)

・装備時、精神+25

・付与スキル:魅了Lv1

・魅力が上がる

~~~~~~~~


 おお、なんか心臓に悪い敵だったな。

 しかし、おかげで精神がかなり上がるユニークアクセサリーを1つ手に入れることが出来た。死霊術師のこともあるし、精神を上げるアイテムはすごくありがたい。

 そういえば、イヤリング(耳飾り)のアクセサリーは初めてだな。……それにしても、付与スキル:魅了Lv1ってなんだろう。なんか怪しいスキルだな。

 それに、レア素材の方もなんか怪しい感じのする素材だな。

 

 ともかくこのユニークイヤリングは、全員分欲しいアイテムだ。

 再び、皆で引き続きダークサキュバス狩りを開始する。


 その後、ダークサキュバスを倒すこと、数体目の時だった。


 天から声が聞こえて来た。


≪レベルが80に達しました。女神のドロップスキルのレベル8が解放されました≫


「おおおお!! ついに来たかー!!」


 俺は狂喜して、つい喜びの踊りを踊っていた。


「にゃ? トール、何かいいことでもあったのかにゃ?」

「トール? どうしたの? 疲れて頭がおかしくなったのかしら? ……そろそろ今日はこれくらいにする?」

「そうだな。トール殿、もう午後からだけで、かるく100体以上は倒してるぞ……」


 なんかエミリーが変なことを言っているが気にしない。

 女神のドロップスキルのレベル8がすごく気になる。今日はここまでにして早く帰ることにしようか。


「おう、了解。皆、今日はこれでおしまいにしよう。――転移!」


 

 こうして俺はワクワクしながら、皆と一緒に転移し、ダンジョンを出ていくのだった。


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