表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
48/141

48話 12階層~14階層


 12階層にたどり着いた。近くには転移陣がある。


 休憩と食事を済ませた後、早速12階層の魔物を探す。


 どうやらまた人型の魔物が現れたようだ。


 黒い鎧に黒のフード付きマントを身にまとっている。顔の部分は暗く目だけが赤く光っている。不気味だ。

 片手にはそれぞれ黒光りする剣を持っている。二刀流の剣士だ。更に大きな黒い大剣を背に納刀している。


 素早く鑑定する。


―――鑑定―――

暗黒の騎士 Lv55

・剣技に優れている

・黒炎を纏って攻防に力が乗る

・全般的に能力が高い

・弱点:光魔法

――――――――  


「暗黒の騎士、レベル55か。一気に上がって来たな。経験値が美味しそうだ」


 剣技と黒炎に注意しないといけないな。

 しかし、弱点は光魔法だ。モフに任せて見るか。俺はモフに合図を送る。


「にゃー」


 モフが早速ライトスプレッドを放った。扇状に広がる光の光線だ。避けるのは難しいだろう。


「ウオオオオオオオ!!」


 モフの攻撃を浴びて敵は苦しそうに叫ぶが、なんとか耐えたようで、モフに攻撃してきた。


 剣速が凄い。モフは振られる剣を、持ち前の素早さで華麗に避ける。と同時に敵のもう片方の剣も振られる。


 モフは、猫爪で剣を受け止める。


 ガキイイイイイイーン! ブワッ!


 受け止めた瞬間に剣から黒炎が舞う。モフは一瞬びっくりしたようだったが、素早く距離を取る。

 

 すると、敵は左右の剣を投擲してきた。モフは反射的に飛んで避ける。更に暗黒の騎士は背中に納刀した大剣を抜き、力強く踏み込んで来る。


 モフは光魔法の「光の壁」を前面に展開する。


 パリイイイイーン! 


 光の壁が壊れると同時に、敵も衝撃を受けたのか少し後ろにはじき飛ばされる。


 その隙にすでにモフのライトボールが放たれていた。ライトボールが敵の頭部に命中する。


「ウオオオオオオオオオオ!!」


 暗黒の騎士は、悲鳴を上げて消えて行った。



「おお、結構強いな! さすが暗黒の騎士」


 俺は敵ながら賞賛を送る。


 相手がモフでなければ、かなり強いと思う。今の冒険者でこの敵に勝てるのはそうそういないような気がする。


 そういえば、エメルダさんが12階層以降は難易度が高いようなことを言っていたな。


 だが、俺たちなら大丈夫だ。モフの光魔法を中心に攻撃し、俺も少しサポートしながら戦おう。



 こうして、暗黒の騎士を、モフと俺で狩りまくるのだった。


 8体ほど倒した時点でユニークアイテムを落としたので、まとめて鑑定する。


~~~鑑定~~~

黒剣(武器:剣)

・攻撃力(AR)6

‥‥‥‥‥‥‥‥

黒鋼剣(武器:剣)

・攻撃力(AR)8

・装備時、体力+3、筋力+3、敏捷+3

‥‥‥‥‥‥‥‥

フラマニゲルス(黒炎の大剣)(ユニーク武器:大剣)

・攻撃力(AR)15

・装備時、体力+10、筋力+15、敏捷+10、

・追加攻撃、黒炎(中)

~~~~~~~~


「おお、ついに大剣のユニークが出たな!」


 さすが大剣だけあってARは15と高い。ついにミスリルの剣と並んだ。装備時の能力上昇もいい。追加攻撃の黒炎も凄そうだ。


 黒い大きな大剣は、黒炎のオーラを纏い刀身が怪しく光っている。


 よし、この大剣はガイにプレゼントしよう。こういう大剣は好きそうだしな。大剣好きのガイなら喜ぶはずだ。

 黒炎の効果もあるので4~6階層の植物階層での戦いにも相性がいいだろう。 


 一応念のため自分用にもう1本確保するために再び暗黒の騎士と戦う。今度は2体ほど倒したところで出たので運が良かった。 



「さて、次は13階層だ!」


 13階層に入ると、ダンジョン内が草原のように、かなり広くなっていた。

 よく見ると、辺り一面が麦畑になっていた。


「なんだろう? ここは……」


 気が付くと、麦穂と思われていたものが、ざわざわと動き始めた。その麦穂は人の体くらいの大きさの一塊となっており、無数の塊がダンジョン中に密集していた。


「やばい! 数が多すぎる!」


 俺は焦りながらも素早く鑑定する。


―――鑑定―――

ムーギー Lv50

・麦の魔物

・硬い麦の粒を放ってくる

・粒に麻痺効果(小)

・集団で行動する

・弱点:火・炎

――――――――  


「麦の魔物か! 囲まれるとやばいぞ!」


 数十体のムーギーが一斉に襲ってくる。無数の麦の粒が一斉に飛んで来た。


 モフが光の壁を張る。


 俺はすぐさま水魔法の水膜を自分とモフに掛ける。


 無数の麦の粒は光の壁や水膜に遮られて跳ね返る。


「危なかった! よし! 焼き払うぞ!」


 俺はすぐさま判断する。

 左右の手に持ったユニーク短剣を2本とも空間魔法にしまい、フレイムソードを2本取り出して二刀流装備する。あれからアスカにプレゼントするためにフレイムソードは2本確保しておいたのだ。


――――――――――――

フレイムソード(ユニーク武器:剣)

・攻撃力(AR)13

・装備時、体力+10、筋力+10、敏捷+10、魔力+10

・攻撃時、追加火炎攻撃(中)

――――――――――――

 

 魔力が上がり、追加火炎攻撃が出来る。この状況で最適な武器だ。


「よし! 麦狩りの時間だ! ウオオオオオオオオ!!」


 俺は次から次へと襲い来るムーギーたちを、左右のフレイムソードで斬りまくる。

 ついでにファイアーボールを周囲に連発する。


 燃え上がるムーギーの集団。


「ムギイイイイイイイイイイイ!!」


 次から次へと奇妙な叫び声を上げて消えて行くムーギーたち。


 モフも光魔法を広範囲に使って支援してくれた。



 こうして敵の集団を殲滅した結果、大量の魔石やアイテムが周囲に転がっていた。


~~~鑑定~~~

小麦(食材)

・パンの原料になる

‥‥‥‥‥‥‥‥

金色の小麦(レア食材)

・美味

・最高のパンの原料になる

‥‥‥‥‥‥‥‥

パンの製造魔具(ユニーク魔道具)

・小麦を入れると美味しいパンが出来る

・製造にはムーギーの魔石が必要

~~~~~~~~  


 あたり一面、小麦が入った大きな麻袋などが転がっている。ユニークアイテムを見る。


「こ、これは……。パン作りに特化したようなドロップアイテムだな」

 

 乱獲したせいで、パンの製造魔具(ユニーク魔道具)が4つも手に入った。パン屋でも開けるんじゃないか……。


 そうだ、ポゴタさんに1つプレゼントしようか。……しかし、ムーギーの魔石が必要となると、そう頻繁には使えないかもしれないな。


 まあ、ポゴタさんの手作りパンは美味しいし、今は特に必要ないだろう。


 とりあえずすべて回収する。念のためムーギーの魔石は売却しないで保管しておこうかな。何かの役に立つときもあるかもしれない。

 


「さて、14階層に行こう!」


 どんどん進んで行く。


 14階層に入る。草原から一転して今まで通りの洞窟のダンジョンに変わる。しかしここも広々とした階層だ。高さもかなりある。


 探索してると、またゴーレムのような巨体な魔物が現れた。


 前回のクレイゴーレムに似ているが、大きさは二回りも大きい。かなりの巨体だ。

 体の色は茶色で樹木の年輪のようなものが刻まれている。歩くたびに地面が揺れている。


 鑑定してみる。


―――鑑定―――

ウッドゴーレム Lv60

・魔力を帯びた樹木でできたゴーレム

・体力、筋力、魔力が高い

・回復力(中)

・尖った木の杭を飛ばして来る

・弱点:やや火に弱い

―――――――― 


「レベル60かあー。高いな。それにかなりの巨体で強そうだ」


 う~ん、弱点はやや火に弱いか。樹木で出来ているが魔力を帯びているので「やや弱い」ということだろうか。


 まあ、基本火攻めで行こう。


 動きは鈍そうで体が大きいので、ファイアーボールを連発してみる。


「ファイヤーボール!!」


 ウッドゴーレムの巨体にいくつもの火の玉が当たる。


「ウオオオオオオーン!!」


 腹の底に響くような叫び声を上げて、敵はこちらを振り向く。


 ビュン ビュン ビュン


 幾つもの木の杭が勢いよく飛んで来た。


 俺たちは避ける。木の杭は地面に深々と刺さり、岩を砕く。かなりの破壊力だ。


 だが、これくらいなら避けられる。


 モフが敵に光魔法の弱体化の光をかけた。


 俺は更にファイヤーボールを連発する。


「ウオオオオオオーン!!」


 かなり効いているようだ。


 しかし、ウッドゴーレムの体に薄い緑色の霧のようなものが現れる。どうやら回復しているようだ。


 俺はフレイムソードを持ち、何度も敵に斬りかかる。


 巨体の一部がだんだんと炎と斬撃ではがれていく。


「バッシュ!」


 剣技を使う。強力なスキルが炎の斬撃に乗る。


「ウオオオオオオオオオーン!!」


 敵は燃え尽き、叫び声を上げて消えて行った。


「ふぅ、結構敵は体力があったな」


 少し時間がかかったが問題なく倒せた。


 

 こうして引き続きウッドゴーレムを倒し続け、虹色の光が出た。どうやらユニークアイテムを落としたようだ。


 巨大なドロップアイテムが辺りにたくさん散らばっている。


 まとめてドロップアイテムを鑑定する。


~~~鑑定~~~

丸太(素材)

・主に建築用の木材に使用される

‥‥‥‥‥‥‥‥

魔力木材(レア素材)

・魔力の込められた木材

・最高級の建築用木材

‥‥‥‥‥‥‥‥

クランハウスの箱(ユニーク魔道具)

・使用すると大人数が居住出来る家が一瞬で出来上がる

・立派な家、住み心地がとても良い

・再度元の箱に戻すことも可能

~~~~~~~~ 

 

「おおお!! クランハウスの箱! これは素晴らしい!」


 なんか豪邸が簡単に手に入ったようで嬉しいやらびっくりやら。俺は興奮する。



 形状は、手のひらに乗るくらいの小さな箱だ。これが大きな家に変わるなんて信じられないくらいだ。再度元の箱に戻すことも可能ということは、いつでも元の箱に戻して移動できるということだろうか。本当にびっくりである。


 まあ、自宅があるから今すぐに使う必要はないが、興味がそそられる。王都あたりに土地を買って、別荘がわりにするのもいいかな。まあ、後でじっくり使い道を考えてみよう。


 それにしても、大きな丸太や上質の木材が散らばっている。重そうだ。そもそもこれをドロップさせた冒険者は持って帰れるのだろうか……。俺はそんなことを考えながら、すべて空間魔法を使い収納する。


「さて、今日はここまでにするか」


 俺とモフは感知スキルを使い、駆け足で敵を避けながら12階層まで戻り、転移陣に乗って1階層に戻って行った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ