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39話 初めてのB級ダンジョン


 俺はついにB級ダンジョンに来ていた。


 先ほどC級ダンジョンの8階層に寄ってシルバーベアを10体ほど瞬殺して、銀熊(シルバーベア)の腕輪を手に入れた。今の俺にはシルバーベアは格下すぎて余裕だった。


 そして、腕輪はモフの右腕に装備させている。これでモフの体力と筋力が更に上がり、肉弾戦もかなり出来るようになったことだろう。


 モフの左腕が空いているので、できればもう一つ何かユニーク腕輪が欲しいところだが、これからB級ダンジョンで戦っているうちに手に入ることもあるかもしれない。その時が楽しみだ。


「さて、いよいよB級ダンジョンに入るか。ワクワクするな」


 B級ダンジョンの入り口は、C級のそれと比べてかなり広かった。


 その入り口の右側手前に、ボス部屋の時と同じような水晶の乗った台座がある。


 俺はその水晶に触れて少し魔力をつぎ込む。


 これでB級ダンジョンに入れるはずだ。


 実はB級ダンジョンに入るには、必ずC級ダンジョンの迷宮主を倒して攻略しなければ入れない仕組みになっている。

C級を攻略せずにB級ダンジョンに入ろうとすると、目に見えない透明な魔力ではじき返されてしまうのだ。同様にA級ダンジョンに入るにはB級ダンジョンを攻略する必要がある。不思議なシステムだ。

まあ、この世界は元々ゲームのような世界なので、納得感はある。



 俺は深呼吸をして1階層に踏み込む。


 ダンジョンの中もC級と比べるとかなり広く、天井も高い。


 早速、魔物が現れた。


 大きなスライムだ。C級の1階層のスライムとは比べものにならないほど大きい。体の天辺は俺の胸の高さくらいはあるだろうか。


「鑑定!!」


 俺は新しく覚えたスキル、鑑定Lv3を発動してみる。



―――鑑定―――

ビッグスライム Lv25

・弱点:炎系等

・物理攻撃には比較的強い

――――――――


「ビッグスライムか。さすが、B級ダンジョン。いきなりレベルが高い魔物が現れるな」


 しかしこの鑑定Lv3は優秀だな。敵の弱点なども教えてくれるのか。


「ファイアボール!!」


 俺は火魔法を使った。


「――!!」


 ビッグスライムは無言で消えて行った。一撃だ。


 こちらのレベルは45、しかも装備で魔力もかなり底上げされている。一撃で倒せたのは当然だろう。


 落ちた魔石とアイテムを拾う。


 俺は感知スキルでビッグスライムを探して、今度は短剣で攻撃してみる。


 ズサッ!


 物理攻撃には比較的強いとのことだが、こちらも一撃で倒せた。


短剣を振るった時、何か今までとは違う力強い感覚があった。もしかしてこれが剣術Lv3の力なのか? 今の俺のステータスがかなり高いおかげもあるだろうが、剣術スキルの手ごたえを感じる。


 剣術スキルLv3の詳細を感覚で探ってみる。


 ――剣術Lv3(通常攻撃、パリィ、バッシュ)


 剣術Lv3では「パリィ」と「バッシュ」という派生スキルを使えるようだ。


 パリィは敵の攻撃を剣で弾くスキル、バッシュは単体攻撃でより強力な攻撃が出来るスキルのようだ。


 なるほど、剣術レベルが上がるにつれ、このように剣技の派生スキルが増えていくようだ。


 剣術Lv4になったら、何の剣技を覚えるのだろうか。ちょっとワクワクしてくる。SPを使って上げてみたいところだが、他にも上げていきたいスキルがたくさんある。

それに、装備次第で、今後新規スキルが出て来る可能性もある。今は、まだSPは温存しておこう。



 引き続きビッグスライムを積極的に探して狩りまくる。


 モフにも戦闘をさせてみると、余裕で倒せていた。猫爪攻撃やレベルの上がったライトボールで一撃だ。素晴らしい。


 こうして十数体ほど狩ったところでユニークアイテムを落としたので、まとめて鑑定してみる。


~~~鑑定~~~

スライムゼリー(大)(素材)

・錬金、料理、建築など様々な用途に使われる。

‥‥‥‥‥‥‥‥

スライムロイヤルゼリー(大)(レア素材)

・スライムゼリーの上質版

‥‥‥‥‥‥‥‥

回復の宝玉(ユニークアイテム:消耗品)

・体力や怪我などを回復させる

・ポーション効果(上)

・使用回数は10回

~~~~~~~~


「おお! 回復の宝玉か!」


 ポーション効果(上)ということは上級ポーション並みの効果なのだろうか。そうすると、10回分は有難いな。上級ポーションは高いからな。


 俺は、基本的には中級ポーションを中心に買い込んでいるが、大怪我をしたりいざという時のために上級ポーションは少しだけ買っている。

 

 この宝玉は便利だな。

 せっかくだし、もう少し欲しいので、しばらくビッグスライムを狩ることにする。

 いくらあっても困らないしな。


 モフの猫爪のスキルを上げる為にも、積極的にモフにも狩らせる。

 

 こうして、合計3個の回復の宝玉を確保出来た。上々だ。


 今後も必要に応じて、定期的に取りに来ようと思う。


 キングラビット戦で一気にレベルが上がったので、B級ダンジョンの上層階の魔物は、今の俺たちにとってはかなり格下なのかもしれない。まあ、油断は出来ないが。


 格下だとこちらのレベルが上がりにくいので、先を進んですくなくとも自分と同レベル帯の魔物を狩りたいものだ。その過程でユニークアイテムをたくさん集めていこう。


「よし! どんどん進んでいくか!」



 2階層に入る。


 C級ダンジョンの時は、エメルダさんたちに階層毎の魔物の情報を聞いていたが、今は事前情報は無い。しかしこれが本来の冒険なのだろう。


 何が出て来るか分からない方がドキドキ感があって楽しく感じられる。


 感知スキルが高いモフに行先は任せることにする。俺はモフのすぐ後をついていく。


「にゃー」


 モフが何か見つけたようだ。


 少し奥の方を見ると何か大きな人型の魔物がのしのしと歩いているのが見えた。


「ん? これは、前世のゲームやファンタジー小説とかで良く見る魔物だな」


 顔は豚みたいに鼻が大きく、体もでっぷりとして大きい。


「これはきっと、オークに違いない! 鑑定!」


―――鑑定―――

オーク Lv28

・弱点:やや魔法系等に弱い

・体力と力がある

・女騎士は要注意

――――――――


「やはりオークか。どれどれ、魔法系等に弱いのか。よし、ちょっと新しく覚えた水魔法でも試してみようかな」


 オークに向かって水魔法を唱える。


「ウォーターボール!!」


 以前の「水の宝玉」とは比べ物にならないほど大きく力強い水の玉が放出された。


 バシュゥウウウウーン!!


「ウォオオオオオオオオオ!!」


 水の玉を胸に浴びたオークは断末魔の叫びを上げ消えて行った。一撃だ。


「おお! やはり水魔法Lv3は強いな!」


 ちょっと嬉しくなる。よし、この調子でユニークアイテムが出るまで狩りまくろう。


 それはそうと、鑑定の「女騎士は要注意」って……。ここの世界でも定番だったのか……。



 しばらくオークを狩っているとユニークアイテムを落としたので、いつも通りまとめて鑑定してみる。


~~~鑑定~~~

オーク肉(食材)

・普通に美味しい

‥‥‥‥‥‥‥‥

オークの棍棒(レア武器:棍棒)

・攻撃力(AR)8

・装備時、筋力+7

・重い

‥‥‥‥‥‥‥‥

エロリィナイト(夜の悦び)(ユニークアイテム:消耗品)

・精力増強剤

・催淫効果(大)

・良い子は使用しちゃダメ絶対

~~~~~~~~ 


「…………」


 えっと、オーク肉に、オークの棍棒か。悪くないな……。


「さて、次の階層に向かうかー」


 俺はユニークアイテムについては、見なかったことにした。

 まあ、一応回収はするけどね。



 前々から思っていたが、女神のドロップの鑑定機能って、女神様の主観が入ってるような気がするな……。


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