27話 スキルレベル6を目指して
朝が来た。
今日は女神のドロップスキルのレベル6を目指して、レベル上げの日だ。前回8階層をクリアしたので今日は9階層からの挑戦だ。
装備をして、ステータスを開いてみる。
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トール 18歳
Lv 22
体力:22+31
魔力:22
筋力:22+25
敏捷:22+25
精神:22+5
幸運:22+5
SP:5
スキル:夜目Lv3、感知Lv3
ユニークスキル:女神のドロップLv5
【装備品】
武器(右手):フロストムーン
武器(左手):ホーンソード
防具(頭) :もふ猫のフード
防具(全身):藍狼のマント
防具(肩) :緑光のショルダーガード
防具(体) :クリムゾンレザー
防具(腰) :ゴブリンの腰巻
アク(首) :キャッツアイ
アク(頭) :――――
アク(腕) :銀熊の腕輪
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「おお! なんかすごいことになってるな!」
二刀流にしたので武器の両方の能力上昇が反映されている。それに銀熊の腕輪の効果も素晴らしい。
……ん? あーそっか、風のリボンをミレアにあげたので、頭のアクセサリーが抜けてるな。よし、先に5階層に寄って、さくっと取って来てから、9階層に行くか。
さて、あとレベルを5上げればSPが10になるのか。
俺は、念のため女神のドロップをレベル6にする操作をしてみたが、やはりSPを10ポイント要求された。間違いない、確認よし。
◇
俺はダンジョンの9階層にいた。
先ほど5階層で、有り余る体力と敏捷と力で鬼のごとくバタフルを狩りまくり、風のリボンを得て、今、身に着けている。ついでに出会ったキャタピルも狩りまくったので、シルスレッダ(ユニーク素材の糸)も一つ手に入れている。今度、シャンテにまた何かオーダーするかな……。
「よし、早速、9階層に挑戦だ。確か9階層はバトルゴブリンだったな。ゴブリンの上位種で、普通のゴブリンとは桁違いな戦闘力を誇るらしいな」
感知スキルを発動して、見つけ次第、積極的に狩ることにする。今日中にレベルを5上げる為だ。
バトルゴブリンはロングソードを持ち、鋭いステップやジャンプで人間の冒険者のように攻撃してきた。剣だけでなく、いきなり蹴りを繰り出して来たのには少々びっくりした。しかし、今の俺は筋力や敏捷などに関しては、レベル50に匹敵するほどのステータスがある。バトルゴブリンの動きにはほぼ対応できる。あっという間に、十数体を倒し、ユニークアイテムを得る。
~~~鑑定~~~
戦闘狂の牙(素材)
・武器素材として有効
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戦闘狂の長剣(レア武器:剣)
・攻撃力(AR)7
・装備時、筋力+3
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バトルブーツ(ユニーク防具:靴)
・防御力(DR)4
・装備時、敏捷+10、力+5
・付与スキル:蹴術Lv2
・ジャンプ力が上がる
・滑りにくくなる
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「よし!! ついに靴のユニークが出たぞ! いい感じだ!」
いろいろと有効な効果がついてる。蹴術Lv2のスキルもついている。
俺は早速装備すると、蹴りの技術的なイメージが湧いて来た。試しに、近くにあった岩を蹴ってみたら、粉々に砕け散った。うわぁ、すごい威力だな。これで俺の戦術の幅がまた一つ広がったな。
よし、10階層に向かおう。今日は怒涛の如く進むのだ!
10階層に入る。
「えーと、確か10階層はリトルリッチだったかな。黒いフードマント姿の魔法使いの魔物だ。魔法には気を付けないとな」
感知スキルで見つけ次第、積極的に狩る。魔法攻撃をしてきたが、避けることができる。ジグサグに急速に接近し、一気に首を刎ねる。モフもライトボールで援護してくれている。リトルリッチはどうも光魔法が苦手みたいだな。ライトボールが当たるとかなり苦しそうだ。
数十匹倒して、ユニークアイテムを手に入れた。まとめて鑑定してみる。
~~~鑑定~~~
黒のフード(防具)
・防御力(DR)3
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黒の魔法杖(レア武器:杖)
・攻撃力(AR)3
・装備時、魔力+5
・魔力回復(微)
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黒炎の指輪(ユニークアクセサリー:指輪)
・装備時、魔力+10
・付与スキル 火魔法Lv2、闇魔法Lv2
・魔力回復(小)
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「よっしゃあああああ!! ついに指輪のアクセサリーが出たな!」
ユニーク指輪は初めてだ。しかも火魔法Lv2と闇魔法Lv2が付与されている! 魔力+10効果も大きい。
俺は、早速指にはめてみる。赤黒い髑髏のような不気味な指輪が、厨二病心をくすぐられる。魔法装備なので形状が変化し、しっかりと指の大きさにフィットする。更に魔力が上がった感覚がする。いい感じだ。
火魔法使用に集中すると、ファイヤーボールやファイヤーウォールのイメージが湧いて来た。闇魔法は、ブラックボールやブラックアウト、それぞれ闇の玉での攻撃や黒い霧で敵の視界を奪う魔法のようだった。
「さて、次は11階層だ!!」
怒涛の進軍である。時折現れるリトルリッチを更に速攻で倒しながら、11階層に入る。
「えーとここは、ダークプリーストが現れるんだったな。闇に落ちた司祭だったっけ。人型の魔物が続くな」
またもや感知スキルで探し、見つけ次第突撃する。今度は火魔法を試しに使ってみる。
「ファイヤーボール!!」
「ファイヤーウォール!!」
「ウオオオオオオオオオオ!!!」
ダークプリーストが断末魔の叫びを上げ、霧のように消えて行く。どうやら炎に弱いようだ。
敵は黒い玉の攻撃をして来るが、たいしたことはなく、ほとんど避けることが出来る。また、時折自分に回復魔法みたいなものをかけているが、俺の攻撃に追い付かず、消えて行く。
こちらも数十体ほど倒し、ユニークアイテムを手に入れた。どうやらこちらも形状は指輪のようだ。なんだかドキドキする。
ふぅ~ちょっと休憩するか。昼をとうに過ぎていた。鑑定をしたい気持ちを押さえて、一旦食事休憩をすることにする。
だいぶ魔物を倒したし、レベルもだいぶ上がったような気がするな。
俺は、充実感を感じ、モフと一緒にしばしくつろぎながらリンの弁当に舌鼓をうつ。
「はあ~美味いなあ~! ダンジョン攻略が捗った後のご馳走は格別だな~~」
食事が終わり、ちょっとドキドキしながら、ダークプリーストのドロップアイテムをまとめて鑑定してみる。
~~~鑑定~~~
灰色の法衣(防具)
・防御力(DR)5
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朽ちた錫杖(レア武器:杖)
・攻撃力(AR)4
・装備時、魔力+5、精神+5
・魔力回復(微)
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コラプトゲンマ(ユニークアクセサリー:指輪)
・装備時、魔力+10
・付与スキル 回復魔法Lv2、レクイエム
・魔力回復(小)
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「おおおお!! ついに回復魔法付きのユニーク指輪が出たか!」
回復魔法は欲しかったのですごく嬉しい。ポーションでもいいけど、戦闘中に飲むのも隙を見せるし、回復させるにはやはり魔法が便利だ。遠距離から仲間を回復することが出来るのも良い。
装備時に魔力が10上がるので、回復魔法に限らず攻撃魔法の威力が上がるのも嬉しい効果だ。
……あと、レクイエム? これはどういうスキルなんだろう?
レクイエムの文字をじっと見つめて、更に詳細を鑑定する。
~~~鑑定~~~
スキル:レクイエム
・アンデットに対しての攻撃効果大
・攻撃対象には痛みや苦痛を一切与えない。
・鎮魂作用を持つ。
・消費魔力(中)
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「――こ、これは!!」
俺は驚愕した。と同時に口元が笑みで緩むのを感じた。