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20話  宴の終わり~6階層へ


 パーリィーの夜は更け、酔いつぶれる冒険者たちがちらほらと出始めたころ、俺は帰宅することにした。

 あまり遅くなってはリンが心配するからな。といっても、もうすでに十分遅い時間だが……。


「えー、もう帰っちゃうのー、もっと飲もうよー。トールぅ~」


 アスカが酔っ払って絡んでくる。ガイとメイはすでに酔いつぶれてテーブルに突っ伏して寝ている。


「いやー遅くなるとリンが心配するからな。じゃあ、またなー」


「もぅ~トールのシスコン~~」


 俺は苦笑いをして、眠そうにしているモフを抱えて、そっとギルドを後にする。


 ほろ酔い気分で自宅への道を歩く。空を見上げると、満天の星が奇麗に輝いている。いや~ほんと楽しい一日だったな。




 ――自宅に帰って来た。


「お~い、リン~、ただいまあ~~」


 リンはドタバタと玄関口まで走って来る。


「もう! お兄ちゃん! 一体どうしたの!? こんなに遅くなって――って、な、何!? その大きな…猫!?」


「おう、ギルドで宴会があって遅くなったんだよ。あ、こっちはテイムした『モフ』だ。これから俺たちの家族になるんだぞー」


「え、ええっ!?……」


 リンは突然のことで困惑していたが、ゆっくり一から説明すると、納得したようだ。


「きゃ~かわいい! それにもふもふしてる~」


 リンはモフを抱いてもふもふし出した。


「にゃ~ん♪」


 モフも嬉しそうに目を細めて気持ちよさそうにしている。


「あ、そうそう。リン、プレゼントだ」


 俺は、ポーチからキャッツアイ(ユニーク首飾り)を取り出してリンに渡す。


「えっ!? わあ~すごく奇麗!! お兄ちゃん、ありがとう!!」


 リンは早速、首に掛けて喜んでいる。


 そして、モフもちょこんと座り、もふ猫のポーチを取り出し、肉球の上に乗せてリンに向かって差し出した。


「リン~。モフからもプレゼントがあるみたいだぞ~」


 リンは目を見開いて喜びの表情を浮かべた。


「きゃ~!! もふ猫のポーチだあ~!! モフちゃん、ありがとう!!」


 リンは再びモフをもふもふして喜ぶ。


 そして、もふ猫のポーチを自分の細い腰に巻き付け、キッチンに向かい何やらいろいろと始めだした。


「お兄ちゃん!! これすごい便利だね!!」


 どうやら、キッチンにある食材や道具類を次々に収納しているみたいだ。特に食材はポーチに収納していればずっと新鮮なまま保存できるし、本当に便利だ。

 嬉々として、今度はリビングに行ったり、自分の部屋に行ったりと、いろいろと収納を試している。


 まあ、喜んでくれて俺も嬉しい。


 しばらくリンのことは放っておいていいだろう。

 俺はモフを連れて、自分の部屋に入る。そして、俺のベッドの横に大きな木の箱を置いて、そこに余っている毛布を敷き詰めた。


「よし、ここがモフのベッドだ。モフ~夜はここで寝るんだぞ~」


 俺がモフにそう言うと、モフはモフ用のベッドに飛び込んで、嬉しそうに飛び跳ねている。


「ふぁああ~、そろそろ眠くなったな。んじゃ、モフ、寝るか」


「ふにゃ~ん」(――コクリコクリ)


 こうして睡魔に襲われた俺は、そのまま自分のベッドに潜り込んだ。





 朝が来た。 

 いい目覚めだ。昨日の宴で英気を養われたようだ。

 それに、昨夜のガイの話を聞いたからか、B級ダンジョンに行きたい欲求が高まっている。その為には早く今のC級ダンジョンを制覇しなければな。


「よし、今日は6階層から行けるところまでいくぞ!」


 おっと、その前にステータスの確認をするか。あれからレベルも上がっているはずだ。いつもの装備を身に着けてステータスを見る。


――――――――――――

トール 18歳

Lv 18

体力:18+6

魔力:18+10

筋力:18+5

敏捷:18+15

精神:18

幸運:18+5


SP:11


スキル:夜目Lv3、感知Lv3、風魔法Lv2


ユニークスキル:女神のドロップLv4


【装備品】

 武器(右手):ホーンソード

 防具(頭) :もふ猫のフード

 防具(肩) :緑光のショルダーガード

 防具(腰) :ゴブリンの腰巻

 アク(首) :キャッツアイ

 アク(頭) :風のリボン

――――――――――――


「よし、あれからレベルが3上がり、18になったな。いい感じだ。――おっ! SPが11あるな。やっと女神のドロップのレベルを上げられるな!」


 俺はわくわくしながら、女神のドロップのレベルの部分を触る。


≪SPを使用してスキルレベルを上げますか?≫


「はい」


≪Lv5に上げるにはSPが10必要です≫


「はい」 


 そして表示が変化した。


…………………………

女神のドロップLv5


効果:魔物を倒したときのアイテムドロップ率および質が向上する。


 通 常 ドロップ 120%

 レ ア ドロップ  30%

 ユニークドロップ  10%


追加効果:従魔が倒した魔物に対しても上記ドロップ率が適用される

…………………………


「おおおお!! これは凄い!」


 前回より、ドロップ率が上がっているが、特にユニークドロップ率がいい感じで上がっている。前回は5%だったのがいきなり10%になっている。これで、ユニークアイテム狙いがかなりやりやすくなった。10体ほど倒せば入手できる確率だ。


レアドロップも25%から30%へと上がり落としやすくなっている。最早、自分にとってはレアではないな。

そして、なぜだか通常アイテムのドロップが120%になっている。これは、2つ落とす場合もあるということだろうか。これはこれで地味においしいかも。

 

 そして、追加効果として従魔が倒した魔物に対してもこのドロップ率が適用されるということは嬉しい効果だ。モフとパーティーを組んで狩りをしてる時に、モフが倒した場合にも俺が倒した時と同じようにドロップするということだ。これで必ずしも俺が止めを刺す必要が無くなり、気軽に戦えるようになるのは助かる。


「さて、一応モフのステータスも見てみるか」


――――――――――――

モフ (モフミィ種)

Lv 13

体力:10

魔力:16

筋力: 8

敏捷:26+10

精神:10

幸運:16


スキル:夜目Lv3、感知Lv3、空間魔法Lv1、光魔法Lv1


装備品:キャッツアイ(アクセサリー首)

――――――――――――


「お、モフもレベルが3つ上がったのか。いいぞ~」


 モフは敏捷の上がりがすごいな。踊りが器用なのもなんとなく納得いく。次点で魔力と幸運か。その他は逆に上がりにくそうだ。特に筋力はダメそうだな……。

 




 ダンジョンの6階層に来た。


 6階層はレッドボアが出る。赤黒いイノシシの魔物で、大きなキバがあり体も大きく突進して攻撃してくる危険な魔物だ。

 しかし、俺には風魔法がある。遠距離からの攻撃なら安全にいけそうだ。


 

 早速、レッドボアが一体現れた。

 突進して来るのを待って、俺は左手を前にかざし、風魔法のウインドボールを発動させる。


 ズバババババーーン!!


「グルァアアアアア!!」


 ウインドボールが正面から命中し、レッドボアは大きな体を地面に擦り付けながら転び突進が止まる。瀕死の状態のようだ。


 俺はすかさず、横から回り込んで、ホーンソードをレッドボアの首辺りに突き込む。


「グアアアアアアアアア!!」


 消えて行くレッドボア。魔石とアイテムを一つ落とす。


「よし! 余裕でいけそうだ。やはり風魔法Lv2は凄いな。魔力も装備で10上がっているので威力も申し分ない」




 こうして俺は同様のやり方で、6階層を駆け巡りレッドボアを狩りまくる。時折モフのライトボールで止めをさす場合もあった。

 そして、ほぼ10体ほど狩ったところで、ユニークアイテムを入手する。


 今まで入手したアイテムを含め、鑑定してみる。


~~~鑑定~~~

ボアの肉(食材)

・ワイルドな味わいの肉

‥‥‥‥‥‥‥‥

レッドボアの牙(レア素材)

・武器などの素材に適している。硬い。

‥‥‥‥‥‥‥‥

クリムゾンレザー(深紅の皮鎧)(ユニーク防具:体)

・防御力(DR)8

・装備時、体力+10  

・体力自然回復(小)

~~~~~~~~

 

「おおお!! やっとユニークの鎧が出た!」


 今まで安物の皮の鎧を着ていたが、これでかなり防御力が上がり安心感が増す。しかも体力+10や、体力自然回復の効果も少しついてるので、スタミナ面の向上も期待でき、冒険が捗りそうだ。


 早速、クリムゾンレザーを装備する。体力が上がり、活力が増すのを感じる。深紅の皮の鎧が美しい。皮製なので、動きも阻害されることなく戦いやすそうだ。


「よし、次は7階層だ! どんどん先に行くぞ!」


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