136話 A級ダンジョン制覇のご褒美 ②
朝が来た。
昨日確認した古代竜アルタインのドロップアイテムは素晴らしかった。
その後俺たちは、ドロップアイテム以外に、アルタイン討伐後に与えられた様々な恩恵を改めて確認したのだった。
まずはレベルがかなり上がり、全員のレベルが1000になったのだった。
戦う前のレベルが800だったので、200レベルも上がったことになる。
さすが、A級ダンジョンの迷宮主の経験値だ。素晴らしい。
また、特別ボーナスとしてSPが多く与えられ、パーティーメンバーのそれぞれに応じて新規習得可能スキルが解放されたようだ。
皆は、各自思い思いSPを使って、得意なスキルなどを上げることが出来そうだ。
これでいっそう、スキル強化ができる。いいことだ。
次に、モフがまた進化したのだ。
以前の「フェイズモフミィ」から「モフミィロード」へと上位種に変化した。
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種族:モフミィロード
・モフミィ種の最上種
・すべてのモフミィ種を従えることができる
・従えたモフミィの能力が上がる。
・スキル向上(光魔法Lv+1、空間魔法Lv+1)
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モフは、すべてのモフミィを従えることが出来ることになったようだ。
どこからモフミィたちを呼び寄せるのか、よく分からないが、なんだか凄そうだ。今後に期待しよう。
また、モフの得意な魔法である、光魔法と空間魔法のレベルが一つ上がるとのこと。素晴らしい。
更に、モフには「ドラゴンキラー」の称号が与えられたようだ。
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称号:ドラゴンキラー
・ドラゴン系の魔物に対して特効
(ダメージ+30%)
・付与スキル:ドラゴンブレス(大)
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どうやらモフも「ドラゴンブレス」を使えることが出来るようになったらしい。
竜のブレスを吐く猫なんてちょっと凄いと思う。まあ、戦闘の幅が広がることはいいことだ。
そして最後に、なんとパーティーメンバーの4名にそれぞれ「ユニークスキル」が与えられたことだ!
これはすごいことだ!
もともと、俺、リン、ミレア、シャンテの4人がユニークスキルを持っていたが、ついに全員がユニークスキル持ちになったのだ。
新たにユニークスキルを習得した、エミリー、ミーア、イナリ、アリシアさんは大喜びしていたな。喜ばしいことだ。
それぞれのユニークスキルについては、すでにパーティーメンバー同士お互いが知り、だいたいの内容を共有している。
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【ユニークスキル】
エミリー:女神の結界
ミーア :女神の武器
イナリ :女神の火炎
アリシア:女神の騎士
ミレア :女神の大樹
リン :女神の栽培
シャンテ:女神の裁縫
トール :女神のドロップ
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エミリーは、「結界」、ミーアは「武器」、イナリは「火炎」、アリシアさんは「騎士」のユニークスキル――女神の加護が与えられたのだった。
そういえば、以前領都で魔物の大軍と戦ったときに、イナリのスキルをつい鑑定で見てしまったが、そのときに???となっていて見えないスキルがあったな。あれは、やはりユニークスキルだったのか。リンやミレアの教会での洗礼式のときもそうだった。
なぜだか分からないが俺の鑑定スキルは、将来的に女神の加護――すなわちユニークスキルを与えられる運命の人が朧気ながら見えるらしい。
そして、その運命の人は、何かをきっかけとしてユニークスキルが習得できるのだろう。
今回、4人がユニークスキルを習得できたトリガーとなったものは、どうやらA級ダンジョンの迷宮主を倒すことだったようだな……。
それはともかく、新しくユニークスキルを得た4人は、今回得たSPをユニークスキルをメインに振っているようだ。
まだ、実際にユニークスキルを使用するところは見たことはないが、今後一緒に魔物と戦う際に見せてくれることだろう。実に楽しみだ。
さて、ちょっと自分のステータスを確認してみるか。あれからかなり強くなったはずだ。
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トール 18歳
Lv 1000
体力:1000+ 994 →1994
魔力:1000+1204 →2204
筋力:1000+ 979 →1979
敏捷:1000+ 962 →1962
精神:1000+1039 →2039
幸運:1100+1004 →2104
SP:770
スキル:
剣術Lv11、勇者剣術Lv5、翡翠眼、夜目Lv5、感知Lv5、水魔法Lv14、風魔法Lv9、火魔法Lv8、土魔法Lv8、闇魔法Lv6、雷魔法Lv6、冷気魔法Lv6、回復魔法Lv6、空間魔法Lv7、蹴術Lv5、体術Lv5、操糸術Lv6、硬化Lv5、飛針術Lv5、魅了Lv4、グランレクイエム、石化毒のブレス、猛毒ブレス、回復の光、地獄の咆哮、水撃砲、水のブレス、海竜の竜巻、ドラゴンブレス、光の波動
≪新規習得可能スキルがあります≫
ユニークスキル:女神のドロップLv9
特殊スキル:迷宮主と戦う場合に全能力値+10%
【装備品】
武器(右手): 《3》アルタインの光
武器(左手):M《3》魔剣リヴァイアサン
防具(頭) :M《2》猫又のフード
防具(全身):M《2》ブルーフェンリルのマント
防具(肩) :M《2》黒光のSガード
防具(体) :M《2》ガーディアンヴェール
防具(服) :シャンテの冒険者服Ver2
防具(腰) :シャンテの腰マント
防具(足) :M《2》風のブーツ
アク(頭) :M《1》三つ首の髪飾り(or森林蝶のリボン)
アク(耳) :M《1》九首の耳飾り
アク(首) :M《1》ヴァイパーストーン
アク(胸) :水の紋章
アク(腕) :M《1》マッドボアの腕輪
アク(腕) :M《1》ミスリルゴーレムの腕輪
アク(足) :風の足輪
アク(指) :M《1》フロストリング
アク(指) :M《1》バルベリタリング
アク(指) :M《1》剛力の指輪
アク(指) :M《1》スマラカタル
アク(指) :M《1》暗黒の指輪
アク(指) :M《1》雷電の指輪
総空間ソケット数:27
【魔石とその効果】
・森林蝶(魔力+20、精神+15、幸運+15)
・ラーフィン(全能力値+20)
・ドラゴンゾンビ(幸運以外の全能力値+15)
・モルフェン(全能力値+25)
・ケルベロス(全能力値+30、AR+2)
・ヒュドラ (全能力値+32、毒耐性)
・グリフォン(全能力値+35、風耐性)
・リヴァイアサン(全能力値+40、水耐性)
・イフリート(魔力+100、精神+40、火耐性)
・タイタン (全能力値+45、土耐性)
・アルタイン(全能力値+70、すべてのスキル+1)
・フロストホーク(全能力値+7)16個
(M:女神のユニーク装備。その後ろの数字は空間ソケット数を表す)
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おお! ついに実質的なレベルが2000を超えているようだ。
やはり、今回入手した勇者剣――『アルタインの光』の効果がすごいようだ。また、アルタインの魔石の効果も大きいだろう。
随分と強くなったものだと思う。
ちなみにパーティーメンバーの誰かが「魔剣ラーフィン」を装備していれば、全員に能力値が+10%されるので、全能力値が更に追加で100上がることになる。
スキルについては、「勇者剣術」を新たに取得した。
この勇者剣術スキルは、なかなか個性的で強力なものがあるようだった。まだ、使ってないので今度折を見て試してみようと思う。
また、鑑定スキルは、上位の「翡翠眼」があるため必要なくなったようだ。
装備品で付与されていたスキルはすべて新規習得可能になっていたので、SPを使いある程度自前で習得した。アルタインの魔石の効果で、すべての習得スキルが一つ上がるのだ。これはかなりおいしい効果だ。
満遍なく上がったスキルに俺は満足する。
SPはかなり残っているが、今後のために温存することにした。
ちなみに女神のドロップスキルは、まだレベルが足りないようで、9から10にすることは出来ないようだった。一体レベルがいくつあれば解放されるのだろうか。そのときがくることが楽しみだ。
さて、モフのステータスを見てみるかな。どんな感じかな?
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モフ (モフミィロード)
Lv 1000
体力:1100+190 →1290
魔力:1500+150 →1650
筋力:1000+180 →1180
敏捷:2000+120 →2120
精神:1050+120 →1170
幸運:1250+100 →1350
スキル:
猫爪Lv9、精神向上Lv5、幸運向上Lv5、夜目Lv6、感知Lv6、空間魔法Lv9、光魔法Lv10、土魔法Lv5、闇魔法Lv5、冷気の霧、鈴の音、猛毒ブレス、回復の光
【装備品】
武器(両手):オルトロスの爪
アク(腕) :ミスリルの腕輪
アク(腕) :マッドボアの腕輪
アク(首) :モルフェンの首飾り
アク(頭) :モルフェンのリボン
アク(耳) :九首の耳飾り
アク(胸) :光の紋章
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「おお! すごい!」
モフもかなり強くなったようだ。
モフは基本的にアクセサリーしか装備できないが、レベルに対する能力値の補正分がすごいので、かなりの能力値になっている。
敏捷に関しては俺より数値が上だ。
そして、モフミィロードになったことにより、モフの主要スキルである光魔法のレベルが10になった。
更に、ついに空間魔法のレベルが9になり、「瞬間転移」を覚えたのだった。これは、以前ネームドモンスターの『モルフェン』が使った技だ。
今後の戦闘に期待できそうだ。
俺はモフの成長に満足する。
他の女性メンバーも皆、装備を含めると実質的なレベルは1300以上にはなっていることだろう。
以前、ブランダさんに聞いた話では、ここ王都の裏社会を牛耳る "ゲルダ商会" のバックには、魔族が潜んでいるかもしれないとのことだった。
魔王はともかく、今後、王都に潜むであろう高位魔族との戦いも予想される。
高位魔族『ニバラス』のレベルが800だったことを思えば、それくらいのレベルの魔族なら、今では俺たちのメンバーは単独でも勝てる力を秘めている。
心強い限りだ。
だが、油断は禁物だ。魔族はいつどこでどんな手を使ってくる分からない。
特にポルポワール商会は、彼らにとって目の上のたんこぶのような存在に違いない。
ブダンダさんのことだ。きっと十分な警備体制を敷いていることとは思う。
しかし、高位魔族の強さを知る俺にとって、心配は尽きない。
今は俺たちの誰かが常にポルポワール邸に居座っているので大丈夫だとは思うが、いずれ全員で冒険に出るとなると、今後の警備体制なども考えなくてはいけないな。
俺はそう思うのだった。