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135話 A級ダンジョン制覇のご褒美 ①


 潜水船の製作の段取りがほぼ決まり、後は出来上がるのを待つだけとなった。


 俺たちの次の目標は、月の神殿にたどり着くことだが、船が出来るまで取り立ててやることが無くなった。

 すでにA級ダンジョンを制覇した俺たちなので、当面の王都での目的は果たしている。

 今は、ダンジョンでの金策などを軽くやりながら、それ以外の時間は基本的には、各自思い思い過ごしている。


 俺は王都内にあるB級ダンジョンを巡回し、新たなユニークアイテムの開拓をしている。また、エメルダさんたちに贈るプレゼントなどを考えたりしている。

 シャンテは、裁縫をしたり、アイテムの整理などをしている。

 ミーアやイナリたちは、ルーナさんと一緒に、王都の繁華街で食べ歩きとかしているな……。

 モフは、ミレアと戯れたり、ポルポワール家のメイドさんたちに可愛がられ、お菓子などを餌付けされてご満悦のようだ。

 なんだかモフは最近太ってきた気がするが、大丈夫なのだろうか……。

 



 今日もポルポワール邸の食堂で豪華な晩餐だ。

 皆も、モフも食事の間は、特に幸せそうだ。いいことだ。


 食事もあらかた終わり、のんびり皆で紅茶を飲みながら雑談をする。


「にゃ~、そう言えば、トール。古代竜アルタインの落としたアイテムってどんな感じだったのかにゃ?」

「あ、そうそう忘れていたわ。私もすごく気になるわね」


 あれからルーナさんを中心に生活が回っていたので、俺も気になってはいたが、後回しにしてまだ確認してなかったな。


「そうだな。これから皆で確認してみるか」



 夕食後、皆で広い作業部屋に集まる。


 俺は、アイテムボックスからアルタインのドロップアイテムをすべて取り出し、作業台に並べる。



~~~鑑定~~~

アルタインの牙(素材)

アルタインの鱗(素材)

アルタインの爪(素材)

・非常に希少な高級素材

・武器防具、錬金等、最高級の素材として使用可能。

‥‥‥‥‥‥‥‥

光の紋章(レアアクセサリー:胸)

・装備時、全能力値+30

・光魔法の威力+15%

‥‥‥‥‥‥‥‥

聖剣バハムル(激レア武器:剣)

・攻撃力(AR)30

・装備時、全能力値+60

・剣術Lv+2

・騎士剣術Lv+2

・光属性を持つ

・付与スキル:聖竜バハムート召喚

‥‥‥‥‥‥‥‥

聖杖イーディカ(激レア武器:杖)

・聖女専用杖

・攻撃力(AR)15

・装備時、魔力+80、精神+80

・杖術Lv+2

・光属性を持つ

・付与スキル:聖なる霧、聖光のアイテム

‥‥‥‥‥‥‥‥

アルタインの光(ユニーク武器:剣)

・勇者専用剣

・攻撃力(AR)50

・装備時、全能力値+240

・剣術Lv+3

・勇者剣術Lv+3

・追加光属性ダメージ(大)

・付与スキル:ドラゴンブレス、光の波動

・空間ソケット《3》

・セットアイテムの一つ

(アルタインの光、デネルの氷、ベーガの雷)

 3つのアイテムが合わさると真の力を発揮する

‥‥‥‥‥‥‥‥

・古代竜アルタインの魔石

 全能力値+70、すべてのスキル+1(ユニークスキルは除く)

~~~~~~~~



「にゃ~、凄そうなアイテムばかりにゃ~」

「わぁ~、いい素材がたくさんありますねぇ~」

「こ、この剣は凄そうだぞっ!」

「こ、この杖も素敵だよ!」


 皆が口々にアルタインのアイテムを見て感嘆している。



 通常ドロップの素材は大きく、なんだかよく分からないが凄そうだ。最高の武器防具、錬金に使用出来そうだ。

 特に錬金に使用すると素晴らしいものが出来そうだ。今度、メアリさんやジーナさんに見せてみようかな。

 シャンテが、裁縫スキルの素材として使用できるのなら、彼女に一部渡してもいいだろう。



 さて、レアアイテムが3つあるな。


 まず、「光の紋章」。やっとモフ用の紋章(胸ブローチ)が出た。今までモフだけが胸のアクセサリーを付けてなかったのでちょうどよかった。そして、これでモフの光魔法の威力が更に上がることになる。いいことだ。

 モフに光の紋章を付けてあげる。


「にゃ~ん♪」


 モフはすごく喜んでいるようだ。


「モフちゃん、良かったね!」

「奇麗な紋章だにゃ~」

「光の紋章ですね~。光魔法が得意なモフちゃんにぴったりですねぇ~」



 ちなみに現在、胸のアクセサリー(ブローチ)の装備状況は以下のようになる。

 トール :水の紋章

 リン  :土の紋章

 エミリー:森林蝶のブローチ

 ミレア :風の紋章

 ミーア :猫王の勲章

 イナリ :火の紋章

 アリシア:牙の紋章

 シャンテ:兎王の勲章

 モフ  :光の紋章



 次に、「聖剣バハムル」。

 やっと、アリシアさん用の剣が出たな。彼女には聖剣がぴったりだ。騎士剣術Lv+2の付与効果もついてるし。

 今までアリシアさんだけ、武器が弱かったので、ちょうど良かった。これでアリシアさんの戦力が上がるな。

 しかも、付与スキルに「聖竜バハムート召喚」なんてあるな。なんだか凄そうだ。さすが、聖竜であるアルタインのレアアイテムだ。

 アリシアさんにこの聖剣を渡す。


「おお! 素晴らしい聖剣だ。トール殿、皆、ありがとう!」

「アリシアさん、良かったね!」

「その剣、すごくかっこいいね!」


 喜ぶアリシアさんと皆。



 次に、「聖杖イーディカ」

 これは、聖女専用杖なので、聖女であるリンに渡すことにする。

 リンは、高性能な武器「魔剣タイタン」を持っていて、左手には盾装備が基本だ。

 この杖は、魔力と精神上昇が素晴らしいので、盾との使い分けになりそうだ。


「リン、この杖は聖女専用杖だ。リンにしか扱えないようだ」


 俺は、リンにその杖を渡す。


「わぁー! ありがとう! 素敵な杖だよ!」


「リンの杖、奇麗!」

「ほんと、何だかすごく神聖な杖みたいだわ……」

「奇麗な杖だにゃ~。光ってるにゃ~」



 それにしても、付与スキルの「聖光のアイテム」とはなんだろうか?

 ちょっと、気になるので、詳細を鑑定してみるか。



――――――――――

スキル 聖光のアイテム

・任意のアイテムに「聖光」を付与させる。

・「聖光」を付与された装備アイテムは、悪人や犯罪者は、装備出来なくなる。

(消耗品などのアイテムにおいては使用効果が出なくなる)

――――――――――   



「こ、これは!? ……!」


 俺はびっくりすると同時に、以前より懸念していた問題が解決されたように感じた。

 

 その懸念していたことは、俺たちの持つユニーク装備やアイテムが、なんらかの間違いで悪い人たちの手に渡ってしまう場合だった。

 この聖杖「イーディカ」の持つスキル「聖光のアイテム」は、それを未然に防ぎ、解決してくれるのだ。

 さすが、聖女専用の杖。素晴らしい杖だ。


 それと、実は以前より、初級レベルのユニークアイテムなら、ブランダさんに販売したり、オークションへの出品等をしてもいいと考えていたのだが、どうしても悪人の手に渡る場合を考えると、躊躇せざるを得なかったのだ。

 以前、ブランダさんより、ゲルダ商会の闇オークションの話があり、それに対抗するためにブランダさん主催のオークションの人気を上げる必要があった。そのために、初級レベルのユニークアイテムの出品を検討していたのだった。 


 俺は心の中で満足気に頷く。この件は、後でリンや皆と相談だな。 



 さて、最後にユニークアイテムだ。

 A級ダンジョンの迷宮主――古代竜アルタインのユニークアイテムなのだ。

 その性能は破格だ!

 勇者専用剣なので、これは勇者である俺が装備することになる。


 それにしてもARと全能力値上昇が凄まじい。

 付与スキルとして、「ドラゴンブレス」や「光の波動」などが付いている。なんだか凄そうだ。


 そして、なんと、これがセットアイテムの一つであるということだ。

 残りの二つ、「デネルの氷」と「ベーガの雷」を合わせると、真の力を発揮するらしい。

 

 アルタインが消える間際に言った言葉が思い出される。魔王を倒す志があるならば、デネルとベーガに会えと。


 これは、なんとしても深遠の迷宮に行き、デネルとベーガに会って、彼らの持つであろう残りの二つのアイテムを手に入れる必要があるな。


 俺は、そのユニーク剣「アルタインの光」を握りしめる。

 凄まじい力が沸き上がってくる。

 

 

「にゃ~、トールの持ってる剣、凄そうだにゃ~!」

「ふむぅ~、鑑定メガネで見ると、ほんと凄い性能です! 勇者専用剣ですねぇ~」

「こ、これが、勇者剣なのね! 初めて見るわ!」

「トールの剣、すごく輝いてる!」

「凄い剣なのじゃ~」


「お、おう……俺もびっくりしてる」



 そして、最後にアルタインの魔石だが、これも凄まじい性能だ。

 特に、すべてのスキル+1は素晴らしい! もはやチート級だな。

 俺は、その魔石を、勇者剣「アルタインの光」の空間ソケットに入れる。いい感じだ!



 こうして、A級ダンジョンの迷宮主――アルタインのドロップアイテムの確認と分配を終えるのだった。


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