13話 4階層へ ~猫狩り~
朝が来た。
いつものようにステータスを確認する。
昨日はレベルが2上がったため、ついにレベルは12に達している。
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トール 18歳
Lv 12
体力:12+6
魔力:12
筋力:12+5
敏捷:12+5
精神:12
幸運:12
SP:5
ユニークスキル:女神のドロップLv4
【装備品】
武器(右手):ホーンソード
防具(肩) :緑光のショルダーガード
防具(腰) :ゴブリンの腰巻
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順調に伸びているな。しかも装備のおかげでステータスもかなり底上げされてる。
「お? SPが5もある。よし、早速スキルレベルを上げてみるか」
早速、女神のドロップのレベルの部分を触る。
≪SPを使用してスキルレベルを上げますか?≫
「はい」
≪Lv5に上げるにはSPが10必要です≫
「はい?!……」
……いつもの流れだと必要なSPは5のはずだが、なぜかSPを10も要求された。
なぜだ?…
まあ、考えてもしょうがないか。
今のままでも十分だし、しばらくはこのままレベルアップや狩りに勤しみ、次のポイント振りを楽しみにするとしよう。
◇
「さて、いよいよ今日は4階層に挑戦だ」
なるべく魔物を避けながら一直線に4階層までやって来た。
辺りを見回す。広さは今までの階層と変わらないが、この階層はやや暗く、周囲が見えづらい。
今まで以上に注意が必要だな。
やや遠くの薄暗い岩陰のあたりから、金色に光る2つの眼が見えた。
グレイキャットに間違いないだろう。
「早速、現れたな」
俺は右手にホーンソード、左手に水の宝玉を持ちゆっくりとグレイキャットに近づく。
程よい距離に入ったので、水の宝玉を使ってみる。
「ウォーターボール!」
バシューーーン
グレイキャットはウォーターボールを横に飛んで避ける。
「ん! なかなか素早いな」
今度は向こうからこちらに向かってきた。素早い動作であっという間に目の前に来た。
「おっと、危ない」
鋭い爪で攻撃してきたが、難なくかわす。
敵はたしかに素早いが、こちらもステータスが上がってるおかげか、余裕をもってかわせる。
「ならばこれでどうだ!」
俺も素早く動き、ホーンソードで斬りつける。
それをグレイキャットは素早くかわし今度は噛みついてこようとする。
しかしその攻撃より、俺の次の突きの方が早かった。
「ギャアアアアアア!!」
見事グレイキャットの顔面に突きがヒットした。
消えて行くグレイキャット。
コロン…コロン
魔石とアイテムが落ちる。
「よし、いい感じだな」
ドロップアイテムを鑑定する。
~~~鑑定~~~
猫の爪(素材)
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……うん、これは多分通常アイテムだろうな……。
「よし、このまま一気に狩りまくるぞ!」
こうして俺はグレイキャットを狩りまくるのだった。
モフミィの依頼の件もあるし、積極的に4階層を駆け巡る。
そして約2時間後、22匹ものグレイキャットを狩り、ユニークアイテムを手に入れることが出来た。
グレイキャットのユニークアイテムは、見た目からして首飾り(ネックレス)のようだ。
猫の目のような形の黄金色に光る奇麗な宝石が付いている。観てるだけで吸い込まれるような怪しげな美しさだ。
一旦休憩とし、逸る気持ちで鑑定する。
~~~鑑定~~~
キャッツアイ(ユニークアクセサリー:首飾り)
・装備時、敏捷+10
・付与スキル 夜目Lv3
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「おお! アクセサリーか! しかもスキルが付与されてる!!」
スキルが付与されたアイテムは珍しい。
そういうアイテムがあることは知っていたが、希少なもので、スキルの内容にもよるが、店などで買うと相当な値段がするらしい。これはラッキーだな。
早速キャッツアイを首に掛け、装備してみる。
「おお! 周りが明るく見えるな! これは随分と見やすくなったな」
暗くて見づらかった4階層のダンジョン内がはっきりと見える。これが夜目Lv3のスキル効果か。
しかも装備時、敏捷+10もうれしい効果だ。
試しに左右にステップしてみると、格段に素早さが上がったのを実感する。
改めて考えてみると、1レベル上がる毎に、各ステータスが1ほど上昇するということは、敏捷+10は敏捷に関して言えば10レベル分の効果があると言える。
これは凄い効果だな。
ステータスアップの装備アイテムをたくさん装備すればするほど、同レベル帯の魔物との戦いでどんどん有利になっていくことになる。
また、レベルで格上の魔物に対しても同等以上に戦うことが可能になるので、更にレベル上げも効率のいいものになるだろう。
この調子でいろいろな種類の魔物と戦いユニークアイテムをたくさん集めることが出来れば、もしかしたら最強の冒険者になれるのではないか。
そして、強くなれば前人未到の高難易度のダンジョンを制覇したり、広い世界をどこまでも探検出来るようになり、より楽しいこと、素晴らしいことを体験できそうだ。
いや~~夢が広がりまくりんぐだなぁ!!