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115話 41階層へ


 朝が来た。


 昨日は40階層の階層主、イフリートを倒した。


 ドロップアイテムの詳細を確認する。


~~~鑑定~~~

イフリートの炎輪(えんりん)(アクセサリー:足輪)

・装備時、魔力+20

・火炎耐性向上

‥‥‥‥‥‥‥‥

火の紋章(レアアクセサリー:胸)

・装備時、全能力値+30

・火炎の威力+15%

‥‥‥‥‥‥‥‥

魔杖イフリート(ユニーク武器:杖)

・攻撃力(AR)12

・装備時、魔力+150、精神+60

・火魔法Lv+3

・火炎の威力+30%

・付与スキル:炎の嵐

・魔力自然回復(大)

‥‥‥‥‥‥‥‥

女神の魔杖イフリート(ユニーク武器:杖)

(同上)

・空間ソケット《3》

‥‥‥‥‥‥‥‥

イフリートの魔石(魔力+100、精神+40、火耐性向上)

~~~~~~~~


 魔杖イフリートの性能が素晴らしい。火魔法のレベルがなんと3も上がり、火炎の威力も3割増しだ。

 火魔法での攻撃をする際にはうってつけの杖だ。火魔法以外でも、魔力値の上昇が150もあるので、魔法攻撃をする際にかなり有効だ。


 今回、魔杖イフリートは、当然のことながらイナリに渡すことにした。イナリは、狂喜乱舞していた。

 これでイナリの火炎の攻撃は、今まで以上に凄まじいものになる。今後もいっそう期待できるな。いいことだ。

 

 俺も、魔法攻撃をするときは、左手の盾を「女神の魔杖イフリート」に変更するつもりだ。これでまた魔法攻撃の威力が上がるな。

 そして、せっかくなので、俺はSPを使い火魔法のレベルを6まで上げた。このレベルまでならSPの消費もそこまで多くない。

 これで、この杖の装備時には、俺の火魔法のレベルは10となる。風魔法、水魔法に加えて、俺も火魔法を十分使いこなせることになる。火に弱い敵に対して、イナリと一緒に攻撃できるのはいいかもしれない。


 レアアイテムの「火の紋章」(胸ブローチ)は、もちろんイナリに装備してもらうことにした。更に火炎攻撃の威力が増すことになる。イナリ無双だな。


 これで、胸のアクセサリー(ブローチ)を付けていないメンバーは、ミーアとモフだけになった。今後2人のために何かいい胸アクセサリーが出ることを期待しよう。


 通常アイテムの足輪「イフリートの炎輪(えんりん)」2つは、それぞれ、ミレアとエミリーに渡した。

 以前から、皆の足輪の片方にはレアアイテムの「風の足輪」が装備されている。ミレアとエミリーはもう片方が空いていたのでちょうどよかった。火炎耐性向上と魔力が上がるので、いい感じだ。



 また、イフリートの魔石も高性能だ。当然この魔石も女神装備のソケットに入れた。なんだか俺の魔力がとんでもないことになっているな。やったー。


 



 朝食後、皆が集まっていると、シャンテが何やら白い手袋のような物をたくさん抱えてやってきた。


「みんなにこれを渡すのを忘れていました~」


 手袋は左手だけの物で、手袋の甲に小さな魔法陣が付いている。シャンテはその手袋を皆に配る。


「操糸術や飛針術を使うには、この手袋が必要なのですよ~。手袋の甲の魔法陣の中に攻撃用の糸や針が収納されているのですよぉ~」


 ああ、なるほど。確かに糸がないと操糸術が使えなかったな。俺は自分の左手にある手袋を見つめる。以前シャンテに貰ったものだ。

 針の方はシャンテの腰マントに魔法陣がついていてそこに収納されていたが、今回手袋に統一されたようだ。


 シャンテの冒険者服には、操糸術と飛針術スキルが付与されているが、確かにこの収納用の手袋がないと使えないな。


「えへへ、実はユニークスキル『女神の裁縫』のスキルレベルが上がったので、素材から糸の作製が出来るようになったのですよぅ~」


「糸の作製?」


「手袋の魔法陣から糸を出してみれば分かりますよぅ~」


 シャンテは目を輝かせながら胸を張って言う。


 どれどれ、ちょっと糸を出してみるか。皆も手袋を左手にはめ、糸を出し入れしている。


 手袋の中から出て来た糸は、今までの糸と何か違って見えた。


 俺の鑑定機能が自然に発動してくる。


~~~鑑定~~~

アダマンタイトの糸(ユニーク糸)

・ユニークスキル女神の裁縫(素材変換機能)で作製された糸

・アダマンタイトのインゴットを素材としている

~~~~~~~~


「おお! アダマンタイトの糸! さすがシャンテだ!」


「にゃ! これはすごく丈夫な糸にゃ!」

「すごい糸なのじゃー!」

「硬いアダマンタイトが柔らかく動くわ! 不思議な糸ね!」


 これで操糸術の糸が、丈夫で切れにくくなったようだ。安心感が増す。

 針の方もアダマンタイト製の物だった。さすがシャンテだ。


 こうして、皆で左手にお揃いの白い手袋をはめることとなった。



 


 さて、今日は41階層にあるボス部屋へ挑むことになる。


 昨日、イフリートを倒した後に、ボス部屋の先に出来た扉をくぐると、以前と同じように魔物の出ない洞窟になっていた。

 そのまま進むと、またボス部屋の扉に行き当たったのだった。いつものパターンだ。


 階層主戦も続いている。

 38階層以降、風のグリフォン、水のリヴァイアサン、火のイフリートが現れた。

 今までの流れだと、今度は土属性の階層主が現れるような気がする。


 レベルは、あれからリヴァイアサンとイフリートを倒したことにより、以前の600から700となっていた。

 やはりダンジョン内の瘴気のせいか、敵のレベルに対して、思ったほど上がっていない。一戦あたりのレベルアップ上限があるのかもしれない。階層主1体で50レベルアップなのだろうか。

 それでも、100もレベルが上がったので、着実に力がついている。悪くない。


 俺は、昨日と同じように、事前に魔力が上がる魔石を中心に、女神装備のソケットを構成している。

 俺は、右手に女神の魔剣リヴァイアサン、左手に女神の魔杖イフリートを握りしめる。

 俺の魔力値は、すでに2200を軽く超えている。凄まじい魔力だ。

 

 その代わりに、他の実質能力値は1200ほどになって下がっているが……。

 ややアンバランスな感じだが、魔法使いタイプで挑むことにする。

  

 今日も、先手必勝で、一気に魔法攻撃で倒すか! なんだかワクワクしてきた。




 皆が集まり次第、41階層のボス部屋の前に転移する。


「よし、皆! 気を引き締めていこう!」


「「「おう!!」」」



 扉の横にある台座の水晶玉に魔力を少しそそぐ。


 ゴゴゴゴゴゴゴゴ――


 扉が大きな音をたてて開く。


 俺たちは息をのみながら扉をくぐる。


 後ろで、再び大きな音とともに扉が閉まって行く。



 中は、再びドーム型の巨大な広間になっていた。

 広間の壁は岩で覆われている。岩の所々に光る石がはめ込まれており、怪しげに薄赤く広間を照らしている。



 広間の中央に霧のようなものが立ち込めてくる。



 ――そして、その霧は次第に、巨大な魔物の姿となって現れてきた。



「こ、これは――!」

「にゃっ! 大きいにゃ!」

「巨人なのじゃ!」

「つ、強そうだぞ!」



 巨大な人型の魔物が現れた。ゴーレムに似ている。



 天から声が聴こえてくる。



≪階層主、タイタンが現れました≫


≪タイタンのレベルは1600≫



 ――繰り返す天からの声


 階層主――タイタン! レベル1600! 


 巨大な人型の魔物。その体はまるで岩のように硬そうだ。赤黒く光っている。


 爛々と光る朱い目。膂力に満ち溢れているのが感じられる巨体。


 圧倒的なオーラを放っている。



―――鑑定―――

タイタン Lv1600

・土属性の巨人

・体力や筋力が異様に高い

・強い土の力をまとっている

・強力な土の力の攻撃をしてくる

・土魔法も使用してくる

――――――――  



 ウォオオオオオオオオオオオオオオオオオ――!!



 凄まじい声を上げるタイタン。


 大広間に声が響き渡り、地面が激しく揺れる。



 俺たちは震撼する。


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