11話 3階層へ ~ゴブリン狩り~
弁当を食べ終えた俺は、午後からの計画を考える。
さて、このまま2階層でホーンラビット狩りもいいけど、レベルも上げたいしそろそろ3階層に行ってみるか。
たしか、3階層はゴブリンが出るんだったな。レベルも7くらいだったはずだ。今の俺なら余裕で倒せるはずだ。ホーンソードもあるし。
ただ、ゴブリンは複数で行動する習性があるから、油断しないようにしないとな。
ということで、午後からは3階層でゴブリンを狩ることにしよう。
――3階層に入る。
初めて入る階層はやはり少し緊張する。
用心のため入り口付近からあまり離れない程度で歩き回る。
「ギャギャギャ!」
早速、ゴブリンが暗がりから出てきた。
3匹居た。
俺は一番近くのゴブリン目がけて勢いよく走り出して、短剣を袈裟切りにする。
ガッ!
「ギャアアアーー!!」
そのまま、近づいた2体目に横なぎ、そして3体目に突きを放った。
体が軽い。
3体のゴブリンは倒れ、瀕死の状態だ。
それから、俺は慌てずにゆっくり1体づつ止めを刺して、3体を葬った。
コロン、コロン、コロン……
次々にアイテムの落ちる音が床に響き渡る。
意外に簡単に倒せた。ゴブリンも今の俺の敵ではないな。
魔石と一緒に、短剣が3つと何か布のような物が1つ落ちている。
さっそく鑑定してみる。
~~~鑑定~~~
ゴブリンの短剣(武器)
・攻撃力(AR)2
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ゴブリンの腰巻(レア防具)
・防御力(DR)1
・装備時、体力+1
~~~~~~~~
「まあ、大したアイテムじゃなさそうだな」
これならうさぎ肉や極上のうさぎ肉のほうがまだ高く売れそうだ。
まあ、でも「ゴブリンの腰巻」の方は、使えそうだ。
腰巻はレアアイテムだけあって、少し防御力と体力が上がるようだ。
DRは1で、最低ランクだけど……。
ゴブリンの腰巻を装備してみる。
なんだか不潔なような気がしたが、ドロップアイテムは汚れが一切無いので、気分の問題なのだろう。
短剣の方も、投げナイフとして使えそうだから、一応回収することにする。
「ん~、やはりゴブリンのユニークアイテムが何か気になるところだな」
こうして俺は次から次にゴブリンを見つけては狩って行った。
≪レベルが上がりました≫
「よっしゃああー!」
7~8匹ほど狩ったところで、レベルが上がった。
やはり、3階層のゴブリンの方が経験値的には美味しいようだ。
更に狩る。
「おっ!」
20匹ぐらいは狩っただろうか、虹色の光が現れ、ついにユニークアイテムを落とした。
緑色のつやが奇麗な皮製の防具のようだ。
ドキドキしながら鑑定してみる。
~~~鑑定~~~
緑光のショルダーガード(ユニーク防具)
・防御力(DR)4
・装備時、体力+5
~~~~~~~~
「おおおおーー!!」
これはなかなかいい防具だ。
DR4で、なんと体力を5も上げてくれる。
俺は早速装備する。
装備した瞬間、明らかに体力が上がった感じがする。
疲れが取れ、活力が湧いてくる気がする。
これで防御とスタミナ面においてもかなり強化できた。
一層、安心してダンジョン攻略を進められるだろう。
俺はなんだか楽しくなって、3階層を駆けまわった。
結果、その日の午後は、合計でゴブリンを25体狩り、レベルが2アップし、大満足でダンジョンを出た。
今日も大収穫だ。
大きな鞄をいくつも抱えいつものように鼻歌を歌いながらギルドへと向かった。
――本日の収穫――
・ホーンラビットの魔石 20個
・うさぎ肉 20個
☆極上のうさぎ肉 3個
★ホーンソード 1本
・ゴブリンの魔石 25個
・ゴブリンの短剣 25本
☆ゴブリンの腰布 5枚
★緑光のショルダーガード 1個
(☆レアアイテム、★ユニークアイテム)
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