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103話 35階層 影に潜む魔物


 朝が来た。


 昨日はアダマンタイトゴーレム狩りで大量のアダマンタイトのインゴットが手に入った。

 いつものようにブランダさんに買い取って貰ったが、大変驚いていた。

 アダマンタイトのインゴットは、莫大な価値があるとのことだった。

 アダマンタイト鉱石でも希少な物であるが、更に高純度にインゴットにしたものは滅多に流通しないとのことだ。


 俺たちにとっては、少し大変だったが、34階層で狩りをすればいくらでも入手できる。

 ブランダさんには、相場の半額で買い取ってもらった。ブランダさんは大喜びだ。

 俺たちも、お金には困ってないし、半額でも莫大な収入になる。また、販売や流通など良く分からなく面倒くさいのでそういったことは、すべて大商会の長であるブランダさんにお任せだ。

 これで、またゲルダ商会に対して、資金的に優位になることだろう。順調だ。


 俺たち皆は、ダンジョン攻略と冒険にワクワクしている。そして、世界樹の泉の謎を解くことにロマンを感じている。

 また、魔王や魔神の再来の件もあるので、より強くなることを目標にしているのだ。



 さて、今日はいよいよ35階層からの攻略になる。


 現在の俺のレベルを確認してみる。レベルは415になっていた。


 確か400の時から、レベル430のコカトリスとレベル440のアダマンタイトゴーレムを数多く倒した。

 今までの経験から言えばレベルは少なくとも440を超えてるはずだが、15しか上がってなかった。

 やはり、レベルは上がりにくいようだ。まあ、15上がったのでよしとするか。


 そう言えば最近モフのステータスを見てなかったな。

 ちょっと確認してみるか。


――――――――――――

モフ (ライトモフミィ)

Lv 415

体力:415+100

魔力:623+30

筋力:415+90

敏捷:830+35

精神:415+40

幸運:498+40


スキル:猫爪Lv6、精神向上Lv4、幸運向上Lv4、夜目Lv6、感知Lv6、空間魔法Lv6、光魔法Lv8、土魔法Lv5、冷気の霧、鈴の音


【装備品】

 武器(両手):オルトロスの爪

 アク(腕) :ミスリルの腕輪

 アク(腕) :マッドボアの腕輪

 アク(首) :白猫の鈴

――――――――――――


 おお! モフもだいぶ強くなってるな。


 モフは太ってる割にはやたらと敏捷値が高い。そしてライトモフミィに進化して、更に魔力値も上昇したようだ。スキルも全般的に上がってきている。新たなスキルで、幸運上昇なんてスキルも習得したようだ。


 モフは装備箇所が限られているので、俺たちよりはユニーク装備の恩恵は受けられない。しかし、能力値にレベル補正が大きいので、結構強い。

 素早さと光魔法を中心とした戦闘を得意とする感じだな。




 さて、いよいよ35階層に入ることとなった。


 35階層については、一昨日ギルド職員のサーシャさんから聞いた話が気になる。

 最近、一流冒険者パーティーが、正体不明の魔物に襲われて全滅したとのことだ。


 俺たちはいつも以上に注意して、35階層へ入る。


 この階層も広めの洞窟だが、やや薄暗い感じがする。所々に低木が立っているのが見える。


「皆、気を引き締めていこう!」


「了解にゃ!」

「気を付けるのじゃー!」

「トール殿、承知した!」


 俺が先頭に立ち、感知スキルをしっかりと発動しながら進む。モフも感知スキルを発動させて周囲を警戒している。


 しばらく歩くと猫のような魔物が現れた。尻尾が二股に分かれている。


―――鑑定―――

ツインテールキャット(猫又) Lv450

・猫の魔物

・風魔法を使ってくる

・魔力、敏捷等に優れる

・噛みつき、爪攻撃にも注意

・弱点:特に無し

――――――――  


 おお、猫又(ねこまた)か。なんか前世でそういう妖怪みたいな猫がいたな。俺はそんなことを思い出す。


「皆! 一斉攻撃だ!」


 いつものようにそれぞれの得意武器やスキルで攻撃する。


 敵は、かなり素早いようだ。俺たちの攻撃をかなり避ける。

 しかし、いくつかの攻撃が当たり、霧となって消えて行く。


 やはり8人パーティーは戦いが楽だ。モフもいるので9対1か。余裕だ。


 しばらくツインテールキャットを狩り続ける。たまに、かまいたちのような風魔法を使ってくることもあり、ひやりとさせられた。



 ドロップアイテムを確認する。


~~~鑑定~~~

猫又の毛皮(素材)

・もふもふの上質の毛皮

‥‥‥‥‥‥‥‥

猫又の尻尾(レア素材)

・二股に分かれたもふもふ尻尾。

・珍品。マフラーなどいろいろな用途に用いられる

‥‥‥‥‥‥‥‥

猫又のフード(ユニーク防具:頭)

・防御力(DR)10

・装備時、魔力+30、敏捷+30、精神+20、幸運+20

・付与スキル:感知Lv5

・闇、風の魔法に対する耐性(中)

・魔法全般に対する耐性(中)

‥‥‥‥‥‥‥‥

女神の猫又のフード(ユニーク防具:頭)

(同上)

・空間ソケット《2》

~~~~~~~~


 ユニークアイテムは頭の防具だった。久しぶりに出たな。


 現在装備している闇風のフードの完全上位互換だ。なかなか優れたフードだ。

――――――――――

闇風のフード(ユニーク防具:頭)

・防御力(DR)7

・装備時、魔力+10、敏捷+10、精神+10 

・付与スキル:感知Lv4

・闇、風の魔法に対する耐性(中)

・魔法全般に対する耐性(小)

――――――――――

 

 猫又のユニークフードはなかなかいいものだ。これも人数分そろえよう。


 こうして俺たちは再び、ツインテールキャット狩りを再開して、全員分の装備をそろえるのだった。


 


「にゃ~猫耳のフードにゃ~」


 猫又のフードは猫耳がついている。もふ猫のフードとなんとなく似ているな。

 ミーアは元々猫耳なので、被っても違和感がない。イナリも狐耳なのでそれほど違和感が無い。

 他の皆が被ると、なんか変だ。パーティー全員が猫耳集団になってしまった。


 しかし、見てくれよりも装備の性能が大事だ。これはしょうがないな。というか一番似合ってないのは俺のようだ。


 まあ、それはそうと、遠くに36階層への入り口らしきものが見えてきたな。


 いよいよ、鬼門である36階層だ。緊張感が高まる。


 

 昼時になったので、皆で近くの倒れた低木などに腰掛ける。

 メイドさんが作ってくれた、サンドイッチ弁当を皆で食べる。


「にゃ~サンドイッチ弁当、美味しいにゃ~」

「中のお肉がこってりして旨いのじゃ~」

「ほんと、美味しいね!」


 まったりと食べながらでも、周囲の警戒は怠らない。感知スキルレベル5を発動したままだ。




 皆が食べ終わり、一息ついている時だった――。


 やや遠くの低木の枝の上に、凄まじいオーラを感じた。


「にゃ! なにかすごい気配がするにゃ!」

「気を付けるのじゃ!」

「お、お兄ちゃん! ヤバそう!」


 皆も猫又のフードを被っているので、感知スキルで感じたようだ。


「にゃー!!」


 モフの毛が逆立っている。モフは驚愕の表情を浮かべている。


 俺はその低木の枝の上にいる、得体のしれない強者の存在に目が引き付けられる。





―――鑑定―――

『モルフェン』 固有種(ネームドモンスター)

 Lv680

種族:ダークモフミィ

・モフミィ種の高位種

・闇魔法、空間魔法を操る

・敏捷が異常に高い

・強力な鋭い爪の攻撃にも注意

・弱点:無し

―――――――― 


 ネームドモンスター! レベル680!


 漆黒の体に紫色の目が怪しく光っている。

 体形はモフとそっくりだが、ややモフより大きい。

 そして、その体から、圧倒的な凄まじいオーラを放っている!

 以前戦ったラビットロードの『ラーフィン』以上の強さを感じる。


 俺は瞬時に悟った。


 これか! サーシャさんから聞いた、35階層に現れた正体不明の魔物だ!

 一流冒険者パーティーが、襲われて全滅したのも頷ける。 

 モフと皆は、驚愕の表情を浮かべている。


 ――ネームドモンスター『モルフェン』


 凄まじい力を感じる!


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