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竜と姫と悪の教団  作者: ダイヤのT
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第五章 反転攻勢

 アレサたちは教団の教祖が潜む神殿に攻め入るべく、戦略を練ることになった。だがそこでは警戒が厳重になっているようである。

 密偵の報告によると、巨大な魔導兵器が神殿を取り囲んでいるのを目にした。その兵器は、複雑な魔法陣と機械が組み合わさっており、周囲には魔力を放つ結界が張られていた。アレサは、この魔導兵器が教団の切り札だと直感した。アレサたちは、この巨大な脅威とどう立ち向かうべきか決めかねているところであった。

「これが教団の守りか…」

 アレサは驚きの声を上げる。

「攻撃を仕掛ければ、すぐに反応するでしょう」

 とマーガレットが警告する。

「まずは慎重に行動しなければなりませんね。」

 とジョバンニが同意する。

「よし、作戦を立てようぜ!」

 ビルヘルムが元気よく立ち上がる。

 アレサたちは会議を開き、防御態勢を整えながら攻撃の機会を伺うことを決めた。そして、魔導兵器の弱点を探るために様々な調査を行うことにした。アレサは決意を固めた表情で立ち上がり、仲間たちと共に対策を講じる準備を整えた。

  神殿の前に到達した一行は、巨大な魔導兵器が神殿を取り囲んでいるのを目にした。その兵器は、複雑な魔法陣と機械が組み合わさっており、周囲には魔力を放つ結界が張られていた。マーガレットは周囲の魔法陣を観察する。

「この魔導兵器は、特定の魔力に反応しているようです。何かの魔法を使えば、結界を破れるかもしれません。」

 アレサは考え込んだ。

「しかし、その魔法がわからないと意味がないわね。」

 マーガレットが提案する。

「あの魔法陣を解読すれば、何か手がかりが得られるかもしれません。私が調査してみます。」

 一行は神殿の内部へと侵入し、魔導兵器の弱点を探ることにした。しかし、神殿の中には罠が仕掛けられており、一行を苦しめるのだった。それでも彼らは諦めずに進み続ける。

だが、教団の信者たちが待ち受けていた。敵の姿を見つけたアレサは、仲間たちと目を合わせ、静かに頷いた。

「それっ!」

 アレサの掛け声と共に、仲間たちは一斉に突撃した。教団の信者たちは、彼らの前に立ち塞がり、激しい戦闘が始まる。アレサは先頭に立ち、仲間たちに指示を出す。彼女の剣技と槍術は抜群であり、教団の信者たちを圧倒していく。

 キルエリッヒの剣も冴え渡り、敵の攻撃を華麗に躱しながら素早く攻撃を加える。テレジアは槍を振り回しながら敵陣に突撃し、次々と敵をなぎ倒していく。

 ビルヘルムの弓兵隊は遠距離から正確に狙いを定めて矢を放ち、教団の信者たちを混乱させる。

 ジョバンニとマーガレットは連携して教団の信者たちを攻撃し、少しずつではあるが確実に敵を削っていく。

 激しい戦いの末、アレサたちは敵の包囲網を突破し、神殿の中心部へと到達する。そこには巨大な魔導兵器が待ち構えており、その周囲には強力な結界が張られていた。マーガレットは魔法陣を観察し、何か手がかりとなるものを探す。ジョバンニとビルヘルムも協力し、結界を解く方法を探る。

「この魔法陣は……特定の魔力で反応しているようです」

 マーガレットは冷静に分析し、仲間たちに伝える。

「姫様、あなたの剣を使って魔法陣を破壊すれば結界が解けるかもしれません。」

 アレサは決意を固めて立ち上がり、仲間たちと共に作戦を実行する。アレサは剣を構え、魔法陣の前に立つ。仲間たちが彼女を囲み、力を貸す準備をする。

「義姉、あんたがリーダーだぜ」

 ビルヘルムが言う。

「みんなの力を一つにするんだ!」

 ジョバンニも励ます。

 マーガレットは呪文を唱えて結界を解き、アレサの剣に魔力を注ぐ。テレジアとキルエリッヒも彼女のサポートをし、ジョバンニも彼女を支える。

「今だ!」

 アレサが叫ぶ。

 アレサの剣が輝き、祭壇に突き刺さる。空間が再び歪み始め、魔王の復活は阻止されたかに見えた。しかし、次の瞬間、激しい振動が彼らを襲った。そして、神殿の中央から巨大なゴーレムが現れ、彼女らを見るといきなり襲いかかる。

 ゴーレムは強力な魔法攻撃で一行を苦しめる。アレサは仲間たちと協力してゴーレムに立ち向かうが、その圧倒的な力の前に苦戦する。

 アレサの剣の力が覚醒し、ゴーレムにダメージを与える。ジョバンニとテレジアも攻撃に参加し、キルエリッヒは仲間を回復魔法でサポートする。しかし、ゴーレムの力は圧倒的であり、アレサ達は防戦一方となる。

「みんなの力を一つにするのよ!」

 アレサの声が響き渡り、全員が心をひとつにして戦う決意を固めた。アレサは仲間たちに指示を送り、ビルヘルムが敵の注意を逸らす。その隙にジョバンニとマーガレットが連携してゴーレムを攻撃する。キルエリッヒは仲間を癒し、テレジアも前線で攻撃を続ける。そしてアレサの剣の力が更に輝きを増し、ゴーレムに大きなダメージを与えた。

「今だ!」

 アレサの合図と共に全員が最後の力を振り絞って攻撃を仕掛ける。

 剣の一閃がゴーレムを貫き、激しい爆発音と共にゴーレムは崩れ落ちた。

「やったー!」

 アレサたちは歓声を上げる。しかし、次の瞬間、司祭のヴィクターが姿を現した。彼は高くそびえる祭壇の上に立ち、圧倒的な存在感を放っていた。

「愚か者たちよ、我が力を侮るな。お前たちの命は、今この瞬間に終わるのだ!」

 教祖は手をかざし、強力な魔法を発動させた。闇の魔力が周囲を包み込み、アレサたちは一瞬、恐怖に囚われた。しかし、マーガレットの冷静な指示により、彼らはすぐに立ち直る。

「アレサ、あなたの剣で教祖の魔法を打ち破って!私たちが支えます!」

 マーガレットの声が響く。

 アレサは深呼吸し、仲間たちの力を信じて前に進む。仲間たちはそれぞれの力を最大限に発揮し、教祖に向かって攻撃を続ける。

「今だ、全員、力を合わせて!」

 ヴィクターは彼らの攻撃を受け止めながらも、強力な魔法を次々と放ってくる。しかし、アレサは仲間たちと共に団結し、教祖の魔法を打ち破り、ついに彼に迫る。

 アレサは教祖の前に立ち、剣を高く掲げる。

「今こそ、お前の悪しき力を終わらせる!」

 教祖は驚愕の表情を浮かべるが、すでに彼の力は仲間たちの団結に押し潰されている。アレサの剣が教祖に突き刺さる。

「これで終わったと思うか?……」

 ヴィクターがそう言い放つと、彼に変化が起こり始める。

「ああ……なんだ……これは!」

 アレサは驚きに目を見開く。ヴィクターの体が徐々に変化し、魔物の姿に変貌を遂げたのだ。

「これが俺の真の姿だ!お前たちを食らい尽くすまで止まらないぞ!」

 ヴィクターが吠えると同時に、その口から炎が放たれる。アレサたちは素早く回避し、反撃を開始する。アレサの剣が炎を切り裂きながら進み、ヴィクターの体に傷をつける。ジョバンニとマーガレットも連携して攻撃を仕掛ける。ビルヘルムは弓を構え、キルエリッヒは魔法でバフを施す。

 激しい戦闘が続く中、ヴィクターは自らの体内に強大な魔力の存在を感じ取る。

「この力……魔王の力か!」

 アレサたちは必死に攻撃を続けるが、ヴィクターも反撃し、その強力な力で仲間たちを追い詰めていく。しかし、彼らは諦めずに立ち向かい続けた。

 そしてついにその時が訪れる。アレサの剣がヴィクターの体を貫き、彼は絶望と苦痛の悲鳴を上げ、何かに救いを求めるように言う。

「我が敬愛する全能なる魔王よ……。我をお救いあれ……」

 するとどこかから不気味な声が聞こえてきた。

「我は待っていた。復活の時を……!」

 その声は恐ろしくも美しく響き渡り、聞く者に恐怖をもたらした。アレサたちは震え上がり、絶望に打ちひしがれるしかなかった……。

 不気味な声を聴き、彼女たちが絶望する様を見て安堵したようにヴィクターは言う。

「魔王よ!私にさらなる力をお与えください! そうすれば今度こそこ奴らに勝つことができまでょう」

「ふむ、まあ良かろう。」

 不気味な声がそういうや否や、ヴィクターの体はまたしても変化し始めた。彼の周りを黒い炎が取り囲む。そのとき彼は悦に浸っていた。

「これで私はさらなる力を手に入れた。この力で世界を支配するのだ!」

 彼は高笑いする。

 だが、それは突然悲鳴に変わった。

「な、なんだこれは!」

 彼の体は黒い炎に包まれ始めたのだ。それはまるで魔王の力の暴走のようだった。

「やめろ!私はまだ……死にたくない!」

 ヴィクターは恐怖と絶望に満ちた声で叫ぶが、その願いも虚しく彼は燃え尽きてしまった。

 アレサたちは呆然とその光景を見つめることしかできなかった。だが、彼らの心には新しい決意が生まれていた。この脅威を食い止めるためにも戦い続けなければならないという強い意志だった。

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