↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

53/53

ジョージ帰国へ

「確認しますが、貴殿らはこの土地の者ではございませんな?」


「如何にも。我等は隣国であるヒュンダルン王国より参った」


「ヒュンダルン王国から? 貴殿のその太刀筋からして只者ではないと思っていましたが。あの、差し支えなければ身の上を明かして頂きたい。であれば此方も真相を話しましょう」


 ここで俺は仮面を取った。オリバーなら俺が素顔を晒した意味が理解出来る筈だ。

 案の定オリバーもそれに続いて仮面を取り素顔を晒すと、改めて胸を張り言い放つ。


「こちらはヒュンダルン王国、ビュイック侯爵家のご嫡男、ジョージ=ビュイック様である」


 こちらは正体を明かした。これで彼も真相を隠さずに話さなければならない。


「そして我こそは、オリバー=ハーディング。ジョージ様の従者を勤めている」


「ラビーワ王国近衛騎士団所属、ドレッツァ=タスティエーラです」


「近衛騎士団だと?」


「如何にも」


 なるほど近衛騎士団所属か。王族を守る最後の盾。道理で守備に徹すればオリバーの猛攻にも耐えられる訳だ。

 だがそうなると余計に気になる。


「近衛騎士が村の収穫祭に居るのは偶然ではないな?」


 王族を警護する近衛騎士が武闘会に参加する理由とは何だ?


「ご説明させて頂きます。実は私の妻の弟、つまり義弟がこちらのご領主の騎士団に厄介になっておりまして」


「それで?」


「ご領主は2年前に代替わりしました。この辺境の地をよく治めていると思うのですが、何故か今一つ領民に受けが悪いのです」


 なるほど読めた。


「そこで領民受けするために太っ腹な領主を演じようと高額賞金の武闘会を催しつつ、実際には用意した騎士が優勝するから、ビタ一文払わなくて済むという訳か?」


「如何にも。この辺境の地では財政は火の車。無い袖は振れないので、この様な義弟の提案を採用したそうです」


「賞金が出る訳でもないのに近衛騎士団のそなたが参加した理由は?」


「この地は冒険者が数多くいるとの事で、義弟だけでは腕利きの者に遅れを取る事も考えられます。そこで義弟に泣きつかれまして、仕方無く休暇を取り私的な立場で参加しております」


「その義弟殿は何処に?」


 姿を全く見ないが、出ている筈だよな?


「義弟でしたら準々決勝で敗退しました。全身をマントで覆った《《男》》に数秒で」


 俺が準決勝で当たる《《男》》か。ますます戦いたくなった。


「ジョージ様、オリバー殿、心中お察ししますが、どうかご容赦ください。私ではオリバー殿には敵わないと判断された様です」


「判った。こちらは金に困っている訳ではない。そなたに免じこの場は引くとしよう。だが先の試合、オリバーと剣を合わせてそなたは実際にはどう思う?」


 このドレッツァ、悔しさを滲ませながらもオリバーを讃えている。一角(ひとかど)の者と見た。


「私は守りに入ればこのラビーワ王国では近衛騎士団の中でも右に出る者は在りません。しかし下手に打って出ようとうとして構えを崩した瞬間に間違いなくオリバー殿に打ち込まれていたでしょう。悔しいですが私ではオリバー殿に勝てません」


「見事な自己分析だ。ラビーワ王国の近衛騎士団でなければ我が騎士団に迎え入れたいくらいだ」


「恐れ入ります」


 その後俺達はドレッツァの義弟の用意した宿に泊まって帰国に備える事になった。

 尤もこの宿、宿とは名ばかりで実際は村の集会所の様だ。この村には訪れる者が殆ど居ない為に宿屋が存在しないそうだ。

 だから客人は村の集会所に泊めるそうだが、それでも何とかもてなそうとするドレッツァとその義弟の心意気が嬉しかった。

 徒歩で30分離れた場所に宿屋が在るそうだが、今夜はここに泊まろうと思う。

 それにしても俺と準決勝で当たる筈だった男(・)、武闘会が中止になる前に姿を消したそうだが凄い腕前らしい。

 気になるが何者なんだ?


 それに幾ら探してもスカーレットが見付からない。帰れる下地がようやく整ったというのに。

 今回はもう帰国しなければならないが絶対に見付けるからな、スカーレット。

諸事情により暫くの間は投稿出来ません。

再開は秋になると思いますが、完結はさせます。

再開後にまたお読みいただければ幸いです。よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。