序章 2勇戦争
過去大きな戦いがあった。
それは人と魔ではなく、人と人との戦い。
2つの国がぶつかり死傷者が絶えず。
人々は嘆き悲しみ、いつこの戦争が終わるのか願ってやまなかった。
人々はその原因を・・・知っていた。
〝勇者だ〟
その時代には二人の勇者がいた。
〝黒の勇者〟と〝白の勇者〟
お互いに別々の国に属し力が拮抗した故にこの戦争は長引いた。
一説にはあまりにも性格が合わなさ過ぎたともいわれる。
しかしある日突然その戦争は終結を迎える。
一体なにがあったのか?
人々は黙して語らなかったと言う。
故にこの戦争を2勇戦争と後の世に語り継がれた。
もう二度と勇者同士の戦いなど起こさないようにするために・・・
その隅にもう一人の・・・がいたとは語られずに。
そして2勇戦争から二百年の時が流れようとしていた。
その少女は図書館で2勇戦争時代の書物を読み耽っていた。
レポートとして調べて提出しなければいけないからだ。
「不自然だ!」っと呟く。何度読み耽ってもこの戦争が終わった理由がわからないのだ。
友人はそんなの適当に書いて出せばいいのにっていうけど、わからないのはわからないのだ。
明日から実地訓練のため東の森に入らないといけないのに、今日中に終わらない。
教授に言って提出期限を来週にでも変えてもらおうっと。
〝私の権力で〟
何を隠そうこの国の王女なのだから。
調べたいことは調べないと気がすまない。
ちょうどいいことに明日の実地訓練は2勇戦争時代最後の戦場跡地、今では森ができ多少ダンジョン化している。ゴブリンや、スライムなんかがいる初心者のダンジョンだ。って言われても私はなにもできないが。
実地訓練は気が進まない。
「はー。」とため息を吐きとぼとぼと図書館を出て教授の所にお願いに行くのだった。
明日の実地訓練でとんでもない目に遭うとは知らずに。
最初はミレイ視点で書きますが、あとで主人公視点になります。たぶん。
書くのって難しいですね。