一から造る機械人形α
今回のお話は機械人形のお話。
ただ、知ってないといけない事を知らない。
異邦な機械人形。
それ故に一から造る。
そんなお話。
何やら自分の周りには機械の部品がある。
ただ、どのような部品なのか見ることが出来ない。
元々頭の中にある情報なのか。
もしくは置かれた時の音で判断出来たのか、
自分はその瞬間を瞬時に判断することが出来ない。
次に動くことに挑戦した。
カラ…ダ、のようなものがある気がしない。
筋肉が全く動かないからだ。
そもそもカラダが存在していないのだろう。
さっきから何かが動いている音がする。
自分の知っている音。
一瞬悩み、答えを出した。
そうだ。その音は監視カメラの音だ。
ただ、そうなるとなぜカメラがある?
自分を監視する為の物か?
あるいは、他の物を監視する為の物なのか?
回答をするには情報が足りない。
だから自分に今出来る事を探した。
視覚は無し、触覚も無く味覚も、そして嗅覚も。
だが、たったひとつ聴覚だけが使える。
何処からか声がする。
それも人間の男性。
歳は40代ぐらいで、低い声だ。
しかし、何やら一人で喋っているようだ。
いや、誰かと会話をしているように聞こえる。
「あの機械人形が動いたんだ。今すぐ来てくれ!」
機械人形という単語に興味を持った。
実際、自分の事を機械人形だと仮定した方が
いくつか辻褄があう。
だが、ここで答えを出してしまうのは
不遜だと思った。
だから、もう少し情報を集めることにした。
ドタバタと大きな音を立てて急いている音。
鳥の鳴き声も聞こえた。
少ししてからだが、トースターの音が聞こえた。
おそらく現在の時間は朝もしくは午前中なのだろう。
数分経ったであろうか。
急いでいた音が無くなったが、男性の声が聞こえる。
ただ、何を言っているのか聞き取れない。
ブツブツと言っている。
また誰かと喋っているのかと思った。
だが何か違和感を感じた自分は瞬時にこの考えを捨てた。
未だに聴覚しか使えない状況。
だが、情報の整理する事や考えることは出来る。
そして男性がもたらす情報によって現状の把握が出来ている。
自分の正体が何なのか。
そして実際に見ることが出来れば、
今ある疑問を消せれる。
そんな気がした所で意識が遠退く感じに陥った。
ひっさしぶり描いてみましたが……。
まぁ今回の作品は短編なんですけども
次回話のほうがちょっといつ投稿になるかわからないです。
投稿次第瞬時に活動報告させて頂きます。