目を開くとそこは異世界
10秒程経ち光がおさまり目を開くと、そこには初めて見る光景が広がっていた
石造りの壁と床、床には高級そうな赤いカーペットがひいてあり、私達の周りにはローブの様な物を着た人達が立っている
『ここは…どこ?』
そう呟くと、1人の男が進み出て来た
「勇者様!」
「「『……勇者様ぁ!?』」」
「はい、皆さんは勇者です。私が皆さんを異世界から呼び出したのです」
「異世界?」
「はい、そうです。今から説明をしますが、先に皆さんのお名前をお聞かせください」
「俺は真木翔!」
「篠北時だ」
「三上晃です」
「……月宮朔……」
『望月茜!ここの言い方だと、アカネ・モチヅキ!』
「……あれ?5人!?」
「おい、どういう事だよ。ちゃんと説明しろ」
「説明は私がしよう」
「国王様!」
「国王様?」
「いかにも。私はここ、ヴテクトリ王国の国王、アンガス・ニール・ヴテクトリである」
「そうですか……それで、俺達は何でここに呼ばれたんですか?」
「まぁそう急かすな。君達には魔王を倒してほしいのだ」
「魔王を倒すって、俺達が?」
「ああ。異世界人は私達が想像もできない程の力を持っているとされている。だから、最近少しずつ領土を広げ始めた魔族とその王である魔王を倒してもらうために君達を読んだのだ」
「そんなの、俺達関係ないじゃん。早く帰らせろよ」
「ちょっとカケル!相手は王様だよ‼」
「いいんだ。そもそも、こうなったのは私の責任なのだから。でも、お願いだ!このままでは、なんの武器も持たない国民達まで魔族の餌食になってしまう!」
「「………」」
「でもやっぱり、俺達には『いいじゃん!やろうぜ!!』
「は⁉お前本気かよ!!」
『何を迷う必要があるの?こんなに楽しそうな事、やらなきゃ損だよ‼』
「死ぬかもしれないんだよ!?」
『大丈夫!私がいる限り、死人は出ない!!』
「根拠はどこにある!?」
『どっちにしたって帰れないんだから、そんなのいらない!』
「はぁ!?帰れないってどういうことだよ‼」
「……あ、あぁ、そうだ。魔法で呼ぶことはできるが、帰すことはできないのだ」
「帰れないって、死ぬまで一生ここにいなきゃいけないのか!?」
『漫画やアニメじゃよくあることだよ』
「何でお前はそんなにあっさりしてんだよ……」
『帰る方法がないなら、探せばいい。死にたくないなら、訓練すればいい。どうせ他にする事ないんだからさ』
「……わかった。でも、危ないと思ったらすぐにやめさせる」
はぁ、やっと納得してくれた
「……それでは、今日はもう遅いので、詳しいことは明日にします。フェル、彼らを部屋に送って差し上げろ」
「しかし王様、1人多いのです」
「なに?」
「私が呼び出したのは4人の男なのですが、1人女の子がいるのです」
「確かに1人多い……そなた、アカネといったな……どうやってここに?」
『4人の周りにできた魔法陣に片足が入っていたんです。だから、もう一つの足も入れました』
「そうだったか……5人ともすまない。衣食住は帰り方がわかるまで私達が用意する。だから、どうか早く、魔王を倒してくれ……」
王様が頭を下げた
「いいですよ。アカネはやるって言ったらもう誰にも止められない」
ミカが諦めた様に言った
別に、楽しそうだからいいじゃないか
「ありがとう……じゃあフェルに部屋までの案内と明日の予定の確認をさせます。フェル、召使いに頼んでアカネ殿の部屋を用意させなさい」
「はい、承知致しました。では皆さん、こちらへどうぞ」
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廊下に出て数分歩くと、フェルさんか止まった
「こちらです。左から順にシノキタ様、ミカミ様、マサキ様、ツキミヤ様です。モチヅキ様の部屋はツキミヤ様の隣ですが、まだ準備中なので、準備ができ次第お呼びします。その間はどちらにいらっしゃいますか?」
『皆でサクの部屋に居るから、終わったら呼んでください』
「俺の部屋かよ。まぁいいけど……」
「分かりました。では、少々お待ちください」
フェルはそう言うと、どこかヘ行った
「早く入ろうぜ!」
「おい、一応言っとくけど、俺の部屋だからな!」
「分かってるって」
ガチャリ
扉を開くとそこは……