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1話・小松冴子の時の館への入所

 有料老人ホーム・タイムシードに小松夫妻は夫婦で入る事になった。すでに小松夫妻の年齢は65才であり、まだ認知症や大きな病気にはなった事は無いが、今後を見越して早めに入所する事にしたのである。


 息子夫婦のマンションから近く、静かな環境であり、見学した時の入居者達も気さくであった為に小松夫妻はタイムシードで人生の最後まで迎えようと考えた。


 タイムシードでの生活は、小松夫妻の予想を超えていた面があった。見学の時にはわからなかったが、毎日同じ面々と顔を合わせて話をするというのはかなり堪えるものがあったのである。


 人は悪く無いが、あまりにも毎日同じ人間達との同じ会話に疲れを感じ出してしまい、逃げるように小松夫妻は外へ外出する事が増えていた。


 ある日、外出した後をつけて来た仲間の老人に後ろから声をかけられた驚きで車道に出てしまい、夫である小松広樹は事故にあった。幸い、足の骨折だけで済んだが入院する事になったのだ。


 しかし、夫の小松広樹が入院中に病気になってしまい、そのまま亡くなってしまったのである。


 その後、夫を亡くした妻の冴子は少しずつ認知症の進行が始まっていて、本人も夫と過ごしたタイムシードから離れたいという希望も有り、グループホームである時の館へ移り住む事になった。本当の理由としては、夫を亡くした原因を作った老人が冴子につきまとうようになったからである。


 ふと、手に持ったボールペンでその老人を刺そうと思ってしまった事が有り、冴子は夫を思い出して崩れ去る出来事があった。それをキッカケに息子に頼んでタイムシードからグループホーム・時の館へ移り住む事になった。


 そこから、小松冴子の人生最後の恋愛が始まった。

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