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クリスマス特別企画! クリスマスだよ!全員集合!

つい調子に乗って書いてしまいました。

本編とは全くの無関係です。

読まなくても何も問題はありません。

「おい!クリンゲル!クリスマスだ!!」


 ヘルが僕の部屋のドアを叩く。


「うっせえよ!」


「なんのようだ!!」


 そういって扉を開ける。


「メリー!!!クリスマス!!!」


 なんだよこいつ。いつにもましてハイテンションだな。


「うるせえな。ってかなんだよ、クリスマスって。」


「は?お前知らねえの?」


「知らねえよ。」


「いいか、クリスマスってのは神様の誕生日をみんなで祝う行事だ。

 楽しいぞ?」


「へえ、いつ?」


「…2日後だ。」


「お前バカか?」


 ここにはバカがいた。


「…というわけで2日後、パーティーをするから」


 そういうとヘルは恥ずかしがりながら帰って行った。


「はっずいぞ、あいつ。」


 なぜなら彼はサンタのコスプレをしていたのだから。



 翌日僕とヘルカッツェちゃん、カームとゲヴィッターでパーティの準備のために街に出かけていた。


「何を買うんだ?」


「食事の材料や飾りつけの材料、あとはお前のコスチュームだな。」


「僕の?」


「ああ。いいもんを予約したんだ。」


 そうなのか。なんか嬉しいな。


「じゃあまずは食材だな。」


 そういって僕たちは市場に向かった。


「へぇ、こんなに市場って大きいんだな。」


「ああ、ここなら大体のものがそろうぞ。」


 説明そっちのけで女子が次々に買い物をしている。


「こういう時の女子って怖えよな。」


 ゲヴィッターが話しかけてくる。


「ああ。こんなに豹変するんだな。」


 僕たちがビビってるのはあの優しいカッツェちゃんが、


「これ!100ゴールドに負けてください!」


 とか、


「こっからここまで買いますから、3000ゴールドにしてください!!

 」

 とかいろいろな方法で値切りまくっているのだ。

 若干お店の人たちも引いている。


 食材を買った後、僕たちは雑貨屋に向かっていた。


「そんなに食材を買って何を作るんだ?」


「どうせ食べずに使うパイも作りますから。」


 意味が分からん。どういう意味なんだろう。


 雑貨屋につくとあまり高くない飾りやツリーなどを買う。


 そこでふと気になった。この資金はどこから出ているのかと。


「この資金ってどこから出てるんだ?」


「…秘密だ。」


「教えろよ。」


「怒らない?」


「ああ。」


「…お前のへそくり。」


「…」


 僕は無言でヘルの首を絞めた。


「ゆるじでっ…」


 そろそろ死にそうだったので手を放す。


「次からは僕に一言声をかけるように」


「イエス、サー!」


 後日確認すると僕のへそくりが、1ゴールドもなくなっていた。

 絶対許さん。


 大体のものを買って僕たちは学校に帰った。


 ヘルだけはコスチュームを取りに行ったが。


 そして女子は料理を、男子は飾りつけをした。


「うわぁ、だるい。」


「完全に同意。」


「ホントにそれ。」


 僕たちは特に新しいこともなくいい加減飾りつけに飽きを感じ始めていた。


「男子!ちょっと来て!」


「味見してください!」


 やったぜ!


「何を食べればいいんだ?」


「これです。」


 そこに出されたのはパイだった。


「おお、うまそうじゃん。」


 僕がパイに顔を近づけると、


「うおらっ!!」


 ゲヴィッターが僕の顔面をパイに押し付けてきた。


「ムグッ…!!」


 僕はパイに顔面をうずめた。


 そして、ゆっくりと顔を上げると、近くにあったもう一つのパイを持って…


「やめろ!落ち着け!話せば分か…」


 バンッ!!


 ゲヴィッターにパイが直撃する。


「グッ…鼻に入った…」


 ゲヴィッターの鼻から白いクリームと赤い血が流れていた。


「サンタさんだー。」


「うわー。」


 棒読みでみんながからかう。


「ホッホッホッ…『ウインドカッター』」


「ぎゃぁぁぁぁぁ!!!」


 僕の着ていた服が切り裂かれる。


 僕の服が!! 乳首の部分に穴が開いた!!


「いい加減にしなさい。」


 カームが切れた。


 僕たちは一瞬で静かになった。


 その後僕たちは飾りつけに戻った。


 また暇になってしまった。


「ヘルが返ってこねぇな。」


「ああ。」


 僕たちがそんな噂をすると…


「ういっす、ただいま戻った。」


「おう。何取りに行ってたんだ?」


「これだ。」


 それはサンタのコスチュームだった。


「これ着るの?」


「ああ。

 クリンゲル用もあるぞ。」


「まじで?」


 なんだか嫌な予感しかしないな。


「これだ。」


 そういって出てきたのは、赤い短パンとサンタの帽子だった。


「お前季節感無いの?頭大丈夫か?」


「いや、冗談だよ。これはゲヴィッターのだ。」


「おい、やめろ!」


「お前のはこれだよ。」


 今度こそ僕のだと思って出したそれを見てみると、


「は?何もねぇじゃん。」


「え?見えないの?」


「いや、普通のサンタのコスチュームがあるよ?」


 ゲヴィッターまでそう言う。


 もしかしてホントに…


「いや、ねぇから。騙されないよ?」


「「チッ」」


「なんだよてめえら。」


「まあお前のは当日渡すわ。」


「あ、ああ。」


 そのまま準備は終わるのだった。




 2日後僕はヘルに渡されたコスチュームを着てヘルをおんぶしてクリスマスパーティー会場に向かった。


「じんぐるべーる!じんぐるべーる!鈴がーなるぅ!」


「今日はぁたのしい!クリスマス!!」


「「へい!!」」


 歌いながら会場に入ると騒いでいた会場が一瞬でシーンとなった。


「…おい、どうすんだヘル?」


「…やるんじゃなかった。」


 こいつめ、人を巻き込んでおいて…


 これはひどいぞ。


「あの、二人とも、それは…張り切りすぎじゃ…」


 ほらカッツェちゃんに言われた。


 だから嫌だったんだ。


 トナカイの恰好なんて。(赤い鼻付き)


 それからしばらくしてSクラス全員がそろったので、パーティを始めることになった。


「乾杯!!!!」


「かんぱーい!!!」


 僕は一気にコップのジュースを飲み干す。


 今日は出鼻をくじかれたからな。やけ食いだ。


「クリンゲル、食ってるな。」


 ゲヴィッターが声をかけてくる。


「ああ、思いっきり恥かいたからな。」


 と、言いつつトナカイの恰好はやめていない。だって着替え持ってきてないんだもの。


「まあ…あれだ。面白かったぞ。…フッ」


 今こいつ笑いやがった!恥かいたってのに!


「おいみんな!ゲームするぞ!」


 そうヘルが言うとカードが配られた。ビンゴゲームのようだ。


「よし、みんなカードはあるな?じゃあ最初の番号は…28だ!」


 お、ラッキー。開いたぞ。


「じゃあ次…7だ」


 あ、さっきの隣が開いたぞ。


「次…53!!」


 おお、まただ!ヤバい!めっちゃついてんぜ!


「えーと、次は…13!」


 あ、ビンゴ!


「ビンゴビンゴ!!」


「嘘つけバカ野郎!!」


「嘘じゃねえし!」


 僕はカードを高々と掲げる。


「おお!マジだ!!」


「おめでとう!!君にはこのプレゼントをあげよう!!」


 そういってヘルは一番大きな箱を僕に差し出す。


「ありがとう!」


 僕は箱を受け取る。


「おっも!!!」


「開けてみるといい。」


 そういわれたので開けるとそこには…


 そりが入っていた。


「貴様ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


 僕はヘルに突っかかって行ってヘルの胸倉をつかむ。


「図ったなぁぁぁ!!!!」


「当たり前だろうが!!何のためにそんな恰好をさせたと思っている!!」


「ぶっ殺してやるぅぅぅ!!!!!」


 そういって始まった乱闘。


 みんなに僕は殴られ、蹴られ、投げ飛ばされ、何が何だか分からなかった。

 ヘルはなにもされていなかった。


 奴め!すでに手を回していたのか!!


 僕はそりにヘルをのせて室内を走っていた。


 完全敗北だ。数には勝てない。


「真っ赤なおはなーのクリンゲル君はー」


「いつもみんなのー笑いものー」


 ヘルが後ろで歌っている。


 僕はいったん止まって態勢を立て直し、一気にそりを引く。


 するとヘルは、


「ぐわぁぁ!!!!」


 こけた。盛大に。


 みんなが笑っている。ざまみろ!!バカ野郎が!



 そのまま会は進行していった。


「よし、じゃあゲームするぞ。」


「なにするんだ?」


「決まってるだろう…ババ抜きだ!」


「へ?ババ抜きだけじゃ面白くないじゃん。」


「もちろん罰ゲームもありだ。」


「罰ゲーム?何するんだ?」


 ヘルのことだからとんでもない罰ゲームがありそうだ。


「それはお楽しみ…と言いたいとこだが特別に教えてやろう。

 それは…そう!全裸で校庭一周だ!」


「…マジで?風邪ひくよ?」


「回復魔法があるだろう?」


「…もうしらね。」


 こうして地獄のババ抜き対決が始まった。


「それではこれから3グループに分かれてもらってトーナメント形式でババ抜きをしてもらう。それではチームを発表する。


 Aチーム ヘル・プリンツ カッツェ・リーブリヒ アイス・フリーレン 

 レーゲン・レイン アオーロラ・オロル


 Bチーム バーン・フランメ ドンナー・トネール ゲヴィッター・テンペスト

 ヒート・ヘイズ ブリュム・ミスト


 Cチーム クリンゲル・ヴァールハイト ザータン・ナハト ヴィント・クリーマ

 カーム・ヴィレントシュティレ フロスト・ブリーズ


 以上だ!それぞれのテーブルについてゲームを開始してほしい。」


 僕はCチームなようだ。Cチームのメンバーとともにテーブルにつく。


「じゃあ始めますか。」


「フン…さっさとしろ、愚民が!」


「しゃべんな、雑魚。」


 適当なやり取りをしながらカードを配っていく。


「…よし、みんな配られたカードを確認してくれ。ああ、人に見せるなよ?」


 そういいながら僕もカードを確認する。


 うわ!ババがある…だと…


 なぜこんなにも運が悪いんだ…


「じゃあゲームを始めるぞ。僕から時計回りにしていくぞ。」


 僕はカームのカードを引く。お、カードがそろった。捨てよう。


 ザータンが僕のカードをとる。やった!ババを取ってくれた!


「ッッッ!!!…この我が…」


 それを口に出しちゃあいかんでしょう。


 僕がカームのカードを引こうとすると…


「あっ…」


 いや、君がババを持ってる風な演技をしてもしょうがないからね?あんなにザータンの反応がわかりやすいのになんでかな?


 今度もカードを捨てることができた。


 これは勝てるかもしれない。僕がそんなことを考えていると…


「ふはははははは!!!」


 あれは…多分ババがフロストさんの手に渡ったな?分かりやすすぎる。


 ザータンはウキウキしながら僕のカードを引く。引く瞬間に僕が「ああっ!」というと、


「な、何!?」


 とオバーリアクションで返してくる。バカしかいないのかここには。そもそも自分が今カードの行方を知ってんだから何を悩む必要があるんだ。


「これだぁ!!!」


 どれでも一緒です。


「ふはははは!!どうだ『懲罰者』よ!我の運を見たか!?」


 やめてくれ!あの下りは無かったことにしたいんだ!!


 僕は顔が赤くなるのを感じながらカームのカードから一枚選んで引く。


 よし!あと3枚だぜ!もう少しだ!


 …と思っていたがあれから全くカードが減らない。


 今回も駄目か…と思ってカードを引いた。すると…


 げげぇぇ!!


 ババだ!!


 戻ってきやがった…


 カームがにやりとした。手元を見ると、


「な…上がり…だと?」


 それから次々と上がっていく。


 残りは僕とザータンだけになってしまった。


「む?貴様か『懲罰者』貴様だけには負けん。」


「うるせえ黙れ。勝つのは僕だ。」


 絶対に負けられない戦いがここにある。


 僕たちは互いに駆け引きをしながら戦いを続けていった。


 そしてついに!


「どっちだ…」


「こっちを取ればいいと思うぞ、『懲罰者』」


「呼吸してんじゃねえ」


 僕はあと一枚で上がることができる状況まで来ていた。


 右か?いや、左か?直感で行こうか?


 僕の頭をフル回転させる。


「ええい!!右だ!」


 僕は勢いよくカードを引いた。すると…


「やった…勝った…」


「くっ…」


 僕は勝利した!


 これで全裸は無しだぜ!!


「じゃあ、びりから2人ここにきてくれ。決勝を始めるから。」


 僕の地獄はまだまだ続く。



「………負けた…だと?」


 僕は目の前でorzの状態になっているヘルを見下していた。


 今回こそ辛くも勝利をおさめた僕はヘルに一言こう言った。


「全裸…逝ってこい。」


「………」


 ヘルは校庭へと走り出した。


 目から涙をこぼしながら。




「へっくし!!」


 ヘルが戻ってきてから会は再開したがヘルはさっきからずっと震えていた。


「大丈夫か?」


「…ああ。言い出しっぺだからな。こうなるとは思っていたよ。…思っていたよ…。」


 かわいそうに、まあだからと言って自業自得ではあるからな。何にも言わないが。


「じゃあ続きだ。と言っても、特にすることがない。

 あ、そうだ。鬼ごっこでもするか?」


「おい、お前外はバカみたいに寒いのに…まさか貴様!僕たちを道ずれに…!」


 ヘルはニヤッと笑うと、


「鬼はクリンゲルがやってくれるらしいからみんな逃げるぞ!範囲はこの学校全部だ!」


 みんなが蜘蛛の子を散らすように逃げていく。


「やりやがったな…あいつ…」


 僕はひとり呟いてから60秒数えだすのだった。


「ここに誰かいますか~?」


 適当に尋ねながら皆を探す。すると、がさっと音がする。


「そこだっ!!」


 そういってから音がした場所に行くと、そこには…


 ネズミがいた。


 ですよね。だと思いましたよ。ほんとに。


 僕は諦めて校庭に出る。


 そこには14人全員がいた。


「おいおい、僕の今までの苦労は!?」


 僕は15分間ずっと無駄なところを探し続けていたのか…


「おい!本気で追いかけていいのか!?」


 僕は叫んで問う。


「いいぞ!!」


 ヘルの声が返ってくる。


 言ったな?知らんぞ?


「縮地」を使って一気にヘルの目の前まで移動する。


「はっ!?ちょっ!?え!?」


「ふははははは!!!死ねぇ!!」


 僕はヘルにタッチしようと手を出す。


「はっ!」


 ヘルは手に持っていたらしい剣を僕に振ってきた。


 殺す気か!?


「こっちは手加減せんぞ!?」


 ヘルに言われ周りを見ると、全員が武器を持っていた。


 こいつら…


「もう怒ったぞ!!!」


 僕は「宙歩」を使って空に飛びあがる。


「どこへ行った!?」


「探せ!!」


 僕は宙に浮いたまま移動する。


 そしてヘルの後ろに移動すると、一気に地上に降り立った。


「ッ!!!」


「残念だったな。」


 僕はヘルの肩に手を置いた…と思ったがまたもや回避された。


 これは…!カームの風魔法!カームは魔法でヘルの背中を押して半ば強制的に吹き飛ばし、回避したようだ。


「チっ…ちょこまかと…」


「まだまだやられんさ。さあみんなやっちまえ!!」


 ヘルの号令でたくさんの魔法が僕めがけて飛んでくる。


「僕を殺す気かぁ!!!」


 必死にそれを回避する。その隙にまたもやみんなに逃げられてしまった。


「奴らがそこまで本気なら…こちらも奥の手を出すしかないな…」


「『サーチ』!!!」


 サーチは術者が指定した相手をある程度の距離までなら探知できる魔法だ。


 お、みんな体育館に逃げてってるな。


「縮地」で体育館に先回りして裏口から入り、物陰に身をひそめる。


 ざわざわと話をしながらみんなが体育館に入ってくる。


 そして誰かが僕の隠れている物陰に近づいてくる。


「いまだ!!」


 僕はそいつを捕まえる。


「くっ…」


 捕まえたのはドンナー君だった。


「やられたよ…」


「静かにしておけよ?」


 残り13人



 僕は裏口の扉に細工を仕掛ける。簡単な仕掛けだが鍵が開かないようにしてやるのだ。


「よし、これで…」


 僕は正面の入り口まで移動する。


 そして、


「ここにいたのか!逃げんな!」


 とみんなを追いかける。


「くっ、裏口に行くぞ!」


 ヘルがそう指示を出す。


 かかったな。


 裏口まで行った生徒たちが


「なんだこの扉!!開かねぇぞ!?」


 と声をあげる。


「クリンゲル!!何かしたな!?」


「さあな。」


 そういいながらも皆を追い詰める。


 そして、カッツェちゃんとアイス、バーンを捕まえる。


 行ける!!そう思ったが、


「どいて!みんな!!『ウインドカッター』!!」


 カームが扉を容赦なく破壊した。常識知らずが多すぎる!!


「マジかよ…」


 残り10人



『サーチ』で調べたところ今度は別行動を始めたようだ。


 僕はまず寮にいる3人を捕まえることにする。


 寮に入ると寮の中は何かの煙で充満していた。


 恐らく魔法で出したのだろう。


 視界が一気に悪くなった。


「ック…煙が目に染みるぜ…」


 一人でそんなことを言いながらパーティーで食べていたローストビーフを齧る。


「あー、もはや鬼ごっことかどうでもいいな。これ全部食おうかな?」


 そんなことを言っていると、


「てめー!せこいぞ!俺にも食わせろ!!」


 ゲヴィッターが出てきた。


「はい、タッチ。」


「のわあああああああああ!!!!!!!」


「やっちまったぁぁぁぁ!!!」


「うるせえよ。」


 そういって、近くにあった食べないパイをゲヴィッターに投げつけた。


「ぐえ…」


 僕は根に持つタイプだからな。準備の時の恨みは今果たした。


「ほい、これでも食ってろ。」


 とりあえず近くにあったフライドチキンをゲヴィッターの口に放り込んで、僕は2階に向かう。


 立ち去るとき後ろでゲヴィッターがえずいていた。


 廊下を歩いているといきなり魔法が飛んでくる。


「あっぶね!!」


 風の刃が飛んでくるが建物を壊さないために威力は抑えてあるらしく、僕が避けた瞬間に蒸散する。


「風ってことは…カームか、ヴィントか。どっちかな?」


 そう呟きながら僕は雷を手と手の間に一瞬だけ強く放電させて辺りを真っ白に染め上げる。


「キャッ…」


 見つけたぞ!カームか!


 一瞬でそこまで走って行って、タッチする。


「はい、アウト」


「うーん、負けちゃった。」


「まあ、相手が悪かったんだよ。」


「うん。」


 僕は3階へと向かった。


「うーん、ここにきてさらに視界が悪くなったな…」


 恐らくここから煙は出ているのだろう。


 僕は歩きながら魔力を探る。


 探った先にあったのは僕の部屋だった。


 マジかよ…


 僕はそっと部屋の中に入る。


 そこにいたのは…ブリュム・ミストだった。


「ゲッ…ばれちゃった。」


「そりゃ、ずっと魔法使ってんだから魔力探れば一発だ。」


「確かに。」


「ほいじゃあお疲れ。」


「君がね。」


 僕は彼女に触れた…はずだったのだが、それはまるで幻のようだった。


「まさか…霧か!?」


「ご名答!本物の私はここにはいないよ!」


「やられたな…」


 と言いながら僕は僕のクローゼットに近づいていく。


 そして一気に開けるとそこには本物がいた。


「ありゃ?なんで?」


「声がダダ漏れだバカ野郎。」


「…やっちゃった!」


 こうしてまた新たに3人を確保した。



 残り7人



 もう一度『サーチ』を使ったところ、教室周辺に2人の魔力反応があった。


「よし、行くか。」


 僕は校舎に向かった。


 とりあえず教室まで上がるとそこには2人が固まっていた。


 誰か分からないが何かを話しているようだ。


 わざわざ話が終わるまで待つような気はさらさらないので、いきなり教室内に強襲する。


「動くな!!」


 僕がそういうとその二人はこちらを向いて、魔法を放ってきた。

 その魔法は僕に直撃した。


 水の塊だった。


「何しやがる!!」


 僕がそういうと、


「うるせえ!」と言って逃げていった。


 もう一人はそこに残っていた。


「お前はなぜ逃げない?」


 僕は残った一人…レーゲンに声をかける。


「…ここであなたを食い止めるのが役目。」


「食い止めても意味ないだろ?」


「…あと、15分で私たちの勝ち。」


 なんだそれ?聞いてねえぞ!!


「言ってない。」


「心を読むな!」


 なんか調子が狂う。


 僕は負けると何をされるのかわからないのでかわいそうだが、レーゲンには捕まってもらうことにした。


「はい、タッチ。」


 とよけられるのを覚悟でタッチしてみると意外にも当たってしまった。


「へ?足止めは?」


「…面倒臭い。」


 変な奴だな。


 そして僕は窓から飛び降りて逃げた男を追うことにした。


 足跡から察するに、体育館に向かったようだ。


「縮地」で体育館まで行くと、そこにはバリケードが用意されていた。


『サーチ』をしてみると、ここに残りの全員が集まっているようだ。


 なぜかバリケードには土が使ってあった。


「クリンゲル!!あと10分で僕たちを捕まえられなければお前の負けだ!!

 全裸で校庭を1周だ!」


 僕は土のバリケードに「ファイヤアロー」を撃つ。


 すると、穴は開くものの一瞬で塞がってしまう。


「これ、校庭の土か!?」


「その通り!だから、いくらお前でも…」


 ドガーーーーーーーーーン!!


 爆音とともに土が飛び散る。


「だからなんだって?」


「………ごめんなさい。」


「しょうがないな。許してやろう。」


「ホントに?」


「ああ。でも、俺の勝ちだからな。」


「ああ。」




 全員、確保。



 そのあと僕たちはパーティー会場に戻って点呼をした。


「1,2,3,4、…14。あれ?一人いないぞ?」


「あ、中二病!!」


「ザータンがいないぞ!」


「探せえ!!!」


 校舎内にて…


「我は闇の住人だから仲間などいらないもん…グスッ」



 こうして僕たちの楽しいクリスマスパーティーは終わったのだった。


 みんな次の日風邪を引きました。


本編の最新話は明日公開します。

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