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第四話 入学!エリート養成学校!

お待たせしました!最新話です!

前回の前書きに書き忘れてしまったので今回に書きますが、まだまだ異世界に旅行は行きません。タイトル詐欺みたいで申し訳ありません。

気長に読んでもらえると幸いです。

  ついに入学の日がやってきた。学校の校舎はやはり大きい。圧倒されるな……


 とりあえず受付に行かないといけないんだけど……

 僕は周りを見回した。すると、一際大きな赤い文字で受付と書いてあるのを発見する。

 とりあえずそこまで歩いていくと見覚えのあるお姉さんが座っていた。


「受付ってここですかね?」


 受付ってデカい文字で書いてあるけど一応確認する。


「ああ、はい。そうですよ。」


 あ、この人試験の時にお世話になったお姉さんだ。通りで見覚えがあったわけだ。


「今日、入学式についてなんですけど……」


「ご入学おめでとうございます! あちらの体育館で入学式や施設の説明等がありますので中に入ってお待ちください。」


「分かりました。」


 言われた通り体育館って言っていいのかわからないほどでかい建物に向かうと玄関先にクラスの張り出しがしてあった。

 実力でクラス分けされるらしいからな……一応気になってしまう。


「お、僕のクラスは…」


 Sだった。Sが最高ってことでいいんだよね?


「マジか…」


 いや、でも当たり前か…テストちょろかったし。

 むしろ全員Sでも問題ないんじゃないか?

 僕が張り紙の前でそんなことを思っていると後ろに人の気配を感じた。


「やぁ、君はどこのクラスだい?」


 金髪の男子が急に話しかけてくる。此処にいるということはやはり僕と同じくこの学校に入学する生徒のようだ。整った顔立ちはきっと街に出れば女性から声がかかること間違いないだろう。

 身長はまだそんなに高くはないが僕の年齢を考えればそう違わないはずなのでまだ伸びしろはあるだろう。とはいっても、僕よりは大きい。


 なんだこいつ?無駄にイケメンなんだが?


「Sだけど…」


「奇遇だね!僕もなんだ!僕はヘル・プリンツって言うんだ。よろしく!」


「僕はクリンゲル・ヴァールハイトです。よろしくお願いします。」


 そういうと、さっさとどこかに行ってしまった。

 結局何だったのかわからない……

 なんかノリのいい奴だったな。いかにもリア充って感じだった。よそよそしい対応しかできない僕としてはああいう存在は眩しく映ってしまう。


 なんだかんだで体育館に入ると中は人であふれていた。


「これ全員入学者かよ…」


 普通の人間だけでなく獣人たちもいる。

 王国では人種差別は余り見受けられないが他の国では獣人差別などがあるらしい。

 そういう世界的な目で見ると珍しい学校なのかもしれないな。


「それではこれから入学式を始めます!入学者の皆さんは席にお座りください!」


 あ、入学式が始まるぞ。

 僕は指定された席に着いた。



 ☆



「暇だ…」


 ぼそっと僕がつぶやく。実はこの式、始まってからもう20分も校長の話が続いている。


「まったくだ…」


 奇遇にも隣だったヘルも同意の意を示している。

 少し話をしてみた感じ、僕のように平民出身のようには感じられない。ところどころで気品の高さがうかがえる。実際、平民って僕位なんじゃないか?


「…以上で私の話を終わります。」


 おお、やっと終わった。校長の話は長いって言うのが定石だな。


「続いてこの学校の説明を行いたいと思います。

 まずこの学校では…」


 また長い奴だ。

 そろそろ眠気が……

 あ、限……界……



 ☆



 その後1時間くらいでやっと式が終わった。

 ちなみにほとんど僕は寝ていたようだ。記憶がすっ飛んでいる。


「あー、もうだめ。式が一番疲れたぁ。」


 ほとんど寝てたけど。


「けついてぇよぉ」


 ヘルがそんなふうに呟く。

 おい、ヘル、お前キャラ変わってんぞ。


「これからどうするんだっけ?」


 説明聞いてなかったからな……

 聞いておけばよかった。


「じゃあ寮にいくか?」


「そうだな」


 実際、ヘルと一緒に行動しないと本気で迷子になりそうだ。

 この学校ちょっと広すぎやしませんかね。

 寮に向かうという言葉を聞いたのか、係りの人がいきなり現れて僕たちの部屋まで案内してくれた。


「ヴァールハイト君のお部屋はここになります」


 へえ、302号室ね。覚えとこ。


「そしてこちらはプリンツ君のお部屋になります。」


 ゲッ…また隣かよ。何の偶然だ?

 ここまで重なると気持ち悪くもなってくるな。


「ふむ…多分クラスが一緒だからじゃないか?」


「ああ、そういうことか。」


 納得。


 部屋の中に入ってみるとあら不思議!僕の家の部屋よりも広い。


「おお…住みやすそうだ。」


 大きなベットにキッチン、お風呂まであり、とても快適に過ごせそうだ。


「本日は式だけで終わりになりますので、あとは見学やこちらのお部屋でお過ごしになっていただいても結構です。」


 そういうと係の人は去っていった。

 するとドアがいきなり乱暴に開けられた。


「おい! クリンゲル! 見学行こうぜ!」


 現れたのはヘルだった。いきなりテンション高くなったな。


「お、おう……」


 まあ、僕も見学行こうと思ってたからいいんだけど。

 僕がドアを開くと何かにぶつかってしまった。


「きゃっ!」


 悲鳴に咄嗟に謝罪する。


「あ、すいません!」


 人にぶつかってしまった。その子は獣人で小柄な子だった。

 珍しいピンクの髪をきれいにボブカットにしている。大きな瞳に少しだけ涙をためたまま上目遣いで僕を見てきた。


「いえ…大丈夫です。」


「君も見学に行くのかい?」


「ええ、まあ」


「なら一緒にどうだい?」


「ありがとうございます。ではお言葉に甘えて…」


「名前は?」


「カッツェ・リーブリヒです」


 おいおい、僕抜きで話がどんどん進んでいくぞ。

 カッツェと名乗ったその女の子はヘルとばかり話している。

 なんかちょっとジェラシー。


 その後簡単な自己紹介をしてから校内の見学に行くことになった。


 Sクラスの教室にも行ってみたがほかの教室とそんなに変わっているところはなかった。


「んー、特に変わったとこはないなぁ」


「そうだな」


「あのー、図書室に行ってみませんか?ここの図書室は本の数が多いことで有名なんです。」


「そうするか」


 カッツェちゃんの意見に同意して図書室を目指す。


「うわぁ…本しかねぇ…」


 呆れるほどの数の本がそこにはあった。もはや図書館だな。


「これは…流石だな…」


「そうですね…」


 みんな引いてる。


 僕は近くにあった本を手に取る。


「あれ?何も書いてないぞ?」


「ふはははは!やっと我を手に取るものがいたか!」


 僕はとりあえず本を閉じた。そして深呼吸してからもう一度開く。


「いきなり閉じるなバカ者! …全く、最近の若者は…」


「なんだてめぇ。やんのか?」


「コゾウがなめた口をききおって! たわけが!」


 僕は本を閉じて棚に収めた。何も見てない。関わっちゃダメ。


「さぁ帰ろうか?」


「お、おぅ…」


「はい…」


 もう二度と来ない方がいいかもしれないな。うん。



 ☆



 部屋に戻るとほっといたままだった荷物から必用なものを取り出してセットする。


「えーと、タンスと椅子、あと机か…」


 あれ?なんだこの手紙?僕は手紙を拾ったので読むことにした。



 クリンゲルへ


 おう!クリンゲル、学校はどうだ?楽しくやっていけそうか?その学校は昔母さんが行っていた学校が統合されたりしてできた学校なんだ。

 母さんが言うには図書室にしゃべる本があるらしいぞ!それは母さんの知り合いらしいから探しとけ!

 P.S.庭壊したのお前だな?俺が怒られたんだぞ?帰ってきたら特訓メニュー5倍な?


 素晴らしく偉大な父さんと鬼母より



 最後の鬼母のところにおそらく父さんのだと思われる血痕があった。

 もしかすると帰ったらすぐに葬式になるかもしれないな。

 そんなことより、あの本にもう一度会いに行かなければいけないなんて…

 あいつにはなるべく関わりたくないんだけどなぁ。


「まあ、いいや。明日のことは明日考えよう。」


 そうして僕は寝床につくのだった。



 ☆




「知らない天井だ……あれ?知らない天井ってなんだ?」


 なんだか言わないといけないような気がして… まぁいいや。


 朝食は最初から用意されている…わけもなく、さっさと着替えて食堂に行って食べることにした。

 ホテルのようにはいかないか。


 食堂に向かっているとヘルとカッツェちゃんと合流した。


「おはようー」


「おはよう」


「おはようございます」


 ヘルは今日も朝からイケメンだ。羨ましい。

 カッツェちゃんは少し寝癖が残っている。天然なのかな。


「寝癖ついてるよ?」


「え? どこですか?」


 僕が軽く頭をなでるようにして寝癖を直そうとするが、全く直らない。


「あっれ、直んない……」


「きゅぅ……」


 カッツェちゃんは顔を真っ赤にして涙目で俯く。

 それにしても寝癖は直らないな。


「も、もう限界ですぅぅぅ!!!」


「あ! ……どっか行っちゃった。」


「自分の所業を理解できてないとは……」


 ヘルになぜか呆れられながら僕とヘルは食堂に向かった。

 食堂にはもうすでにたくさんの人が来ていた。

 ちなみに、カッツェちゃんは途中で合流した。


「すいません、朝食セット3つ」


「あいよ!」


 おばちゃんに注文すると僕たちは席に着いた。


「今日は初めて教室で授業を受けるのか…」


「どうしたんですか?」


「いや…少し緊張して」


「お前が緊張なんて珍しいな」


 いや、まだ会って数日だから! 僕の何を知っているんだよ!


 そうこうしている間に朝食が届いた。


 朝食はとっても美味しかった。


 教室に行くともうすでに数人の生徒が雑談をしながら待機していた。


「あ、君達もこのクラスかい?」


「はい」


「よろしくね!」


「あ、はい。」


 なんだかSクラスには明るい奴が多いな…


 教室を見渡すと既にほとんどの生徒は来ていた。ざっと数えると15人くらいかな?


 Sクラスは1つしかないのでこの学校の新入学生徒が1000人ほどらしいので相当な実力者たちのようだ。


 チャイムとほぼ同時に先生らしき人が教室に入ってくる。


「んんっ、静かに!えー、私が君たちの担任になったブライシュティフト・ヴァントターフルだ。よろしく」


「「「よろしくお願いします!」」」


 声でけぇな。僕も負けないようにしないとな。


「さぁいきなりで申し訳ないが、授業に入る。」


 !? 自己紹介はないのか?


「自己紹介はないのですか?」


 ナイスだ!メガネ君!


「それは各自でやってくれ」


「分かりました」


 まぁな。確かに授業の方が大事だ。


「もう質問はないな?なら今度こそ授業に入るぞ。」


 そういって始まったのは魔法学だった。


「ここは~だから~となる。」


 はっきり言って赤ちゃんでも解けるレベルだ。


「はいじゃあここ。えーと、そこのメガネ君。」


 こうなるから自己紹介しろってんだよ。


「~ですか?」


「正解だ。」


「じゃあ次、なぜ魔法は無限に使えないのか。そこの…坊ちゃん」


 フッ…坊ちゃんって…


「お前だぞ?クリンゲル?」


 な…坊ちゃん…だ…と?


「は…い。人間が取り込める魔力には限りがあり、容量の限界が決まっているためです。」


「完璧だ。坊ちゃん」


 やめてくれ…


 そうしてブライシュティフト…長いな、先生からのあだ名がつけられたみんなは一喜一憂しながら授業を終えた。


「『坊ちゃん』は無いわ…」


「いや…いいと思うぞ?」


「黙れ『残念イケメン』」


「皆さんはまだいいじゃないですかぁ!私なんか『ロリ猫』ですよ!?」


「「まぁ…それは、そうじゃん?」」


「なんなんですかぁ!!」


 涙目でキレられてしまった。


「ところで今日二人はこれから暇?」


「どうした、いきなり?」


「どうしたんですか?」


「図書館に決着をつけに行く。」


 僕は覚悟を秘めた眼差しでそう告げた。

 僕が図書室に誘うと二人とも快くついてきてくれた。

 さあ、決着をつけてやる!気持ち悪い本!


「さあ、開くぞ?」


「(ゴクッ)」


 二人がつばを飲み込む。なぜ君たちが緊張してるんだ?


「シクシク…あ、やっと開いたな。我は…エグッ知識持つケントニスブックだ!」


「あの、僕クリンゲル・ヴァールハイトと言ってモーント・ヴァールハイトの息子なんですが…」


「何!?貴様あの『正義の魔女』の息子か!?」


「ええ、まあ」


「命だけは!!命だけは助けてくれ!!」


 え?何したんだ母さん… ってか本に命があるのか…


「いや、別に取って食うわけじゃないんで」


「本当か!?ありがとう!!」


 マジで何したんだ母さん…


「改めて自己紹介しよう。我は知識持つケントニスブックだ。貴様が我を手に取った時から我は貴様の手助けをする運命にある。これからよろしく頼む」


「僕はクリンゲル・ヴァールハイト。特に目立つ功績いまだなし!よろしく!」


 母さんのおかげで決着が早く着いちゃった。


「さあ!我をここから出せ!」


「ごめんなさいねぇ、ここ、貸出禁止なの。」


 現実は無情である。


「悪かったな、僕のわがままに付き合わせてしまって。」


「大丈夫だ。」


「気にしないでください。」


 なんと優しい友人を持ったのだろう…


「ところで君のお母さんはあの『正義の魔女』なのか?」


「うん、言ってなかった?」


「言ってないですよ!ちなみにお父さんは?」


「ああ、父さんは昔冒険者グループの『闇に輝く星』のパーティーリーダーだったらしいよ?」


「あの『闇に輝く星々』の…もしかして『黒狼』シュテルン・ヴァールハイトさんか?」


「めっちゃ有名じゃないですか!?」


「そうなのか…知らなかった。」


 父さん、母さんあなた方は有名人だったんですね。


 そういうことは先に言っといてくださいね。恥かきました。


 寮の前で2人と分かれると僕はすぐに自分の部屋に戻る。


「あー、疲れた!」


 大きな独り言を言ってベットにダイブする。


 ガンッ!


「いってぇ!」


 頭を強打してしまった。


 頭を押さえながら机のところまで向かい、便箋を用意して家族に返事を書くことにする。


 内容は主に本についてだ。



 親愛なる家族へ


 僕はとりあえず何とかうまくやって行けそうです。

 ところで、本についてですが、なんなんですか?あれ?とりあえずは決着をつけて僕の手助けをすることになりましたが、母さんの名前を出した瞬間に本がビビり始めました。

 母さん、何をしたんですか?

 それでは、健康に気を付けてお過ごしください。


 クリンゲルより



 こんなものでいいかな?


 母さんが素直に教えてくれるかはわからないがすさまじいことをしたのだろう。


「あー、暇になったな…」


 何をしようか考えていると、玄関の方から声が聞こえる。


「おーい、クリンゲル!ちょっと来てくれよ!」


 ヘルの声が聞こえる。行ってみるか。


 呼ばれたのでついて行ってみると寮の一階にあるホールにSクラスのみんなが集合していた。


「そいつで最後か?」


「ああ、待たせたな。」


 そんな会話を誰かとヘルがしている。


「じゃあ始めるぞ… では!これより自己紹会を始めます!」


 ん?なんか文字違うことないか?ああ、自己紹介と会をかけてんのか。


「じゃあまず僕から!僕はヘル・プリンツ!好きな食べ物はプリンだ!よろしく!」


 みんなが大笑いするウケてるみたいだな。


 ここでもダジャレか…しょうもないな。


「次!クリンゲル!」


「え?僕?」


 指名されてしまった。


「僕はクリンゲル・ヴァールハイトです。好きな食べ物は…栗です。よろしく」


 シーン!!!!!!


 全くウケない…するんじゃなかった…


「じゃ、じゃあ次いってみよー!」


 今日は恥かいてばっかりだな…


 その後自己紹介は次々と進み、実は教室に入った時から気になっていたいつも右手を押さえてるやつに順番が回る。


「む、我か…我の名は深淵の覇者、ザータン・ナハト!貴様ら愚民はせいぜい我の足手まといにならないように努力するんだな!足手まといになった時は…」


「なったら?」


 真性のバカだと気付いたので煽ってみる。


「この神々に封印された右手の悪魔が貴様らを八つ裂きにするだろう!」


 もう、なんか設定がしっかりしすぎてて煽る気も失せてしまった。

 こういうバカもいるんだなぁ。


 僕以上に場がシラケてしまった。助かったぞ。 と、思っていたら…


「マジかよ…神々に封印されてしまうほど強力な悪魔があの右手に…」


「あいつだけは怒らせないようにしないとな…」


 へ?みんな信じてんの?と、思っていると、


「あんな馬鹿もいるんだな?」


「かわいそうですね…」


 まともなのもいてくれるんだ…ってかヘルとカッツェちゃんだけど。


 そうこうしている間に自己紹会は終わってしまった。

 気付くと夜も結構更けていて僕はシャワーを浴びて寝ることにした。


 次の朝起きると変な汗が体中から出ていて、ビックリした。そして頭も痛い。


「何があったっけ?」


 あ!思い出した!夢だ!


 僕はすさまじい悪夢を見たことを思い出す。


 内容はあの自称『神々に封印された右手を持つ』ザータン君にずっと追いかけられる夢だ。

 話だけだとそうでもないかもしれないが実際はヤバい。

 あのテンションで永遠に追いかけてくるのだ。マジで地獄だ。


 気分を切り替えるためにシャワーを浴びて食堂に向かう。

 食堂へ向かう途中でカッツェちゃんと合流する。今日は寝癖はないようだ。

 こっちになぜか期待した眼差しを向けてくる。


「な、何を期待してるの?」


「え、いや、なんでもないですぅ……」


 また顔を真っ赤にしてうつむいてしまった。

 何故だろうかと考えつつ食堂に入っていくといきなりザータン君に出会ってしまった。


「ヒッ!」


「どうしたんですか?」


「いや、ごめん。なんでもない」


 カッツェちゃんは心配そうな顔で僕を見る。

 反射的にビビってしまった。いや、もうマジでトラウマだから。


「む?貴様は確か…ヴァールハイト…だったか?」


 うわぁ、話しかけられてしまった。


「ああ、うん。はい、そうですけど?」


「貴様は試験の時すべて満点だったっていうのは事実か?」


「いやぁ、ホントのことはわからないんだ。」


「…そうか」


「うん。」


 なんなんだ?このやり取り?


「…よし。貴様にこの我が直々に命令を下そう。貴様はそこの受付にこの食器類を片付けて来い。」


 こいつ僕をパシリに使うだと?


 なめてるな。よし。懲らしめてやろう。


「ん?この僕、『光の懲罰者』に命令か?たかが深淵の住人が口をきいていい存在だと?」


「…!まさか貴様!あの『懲罰者』か?バカな…奴らは我が滅ぼしたはず…」


 おお、乗ってきた。あ、でもやってて楽しくなるな、これ。


「バカ者が!貴様らにやられたのはただの『懲罰者の使者』よ!!」


「そんなはずは…くっ、ここでやる気か?」


「ここでは一般市民に被害が出る…貴様には近いうちに『懲罰』を下す…覚悟しとけ」


「…失礼する」


 はい、撃退成功! 僕はどや顔で振り返るが……

 やめて!カッツェちゃん!人を憐れむ目で僕を見ないで!




いかがだったでしょうか?

次回は来週の金曜日に投稿したいと思います。

これからもこの作品をよろしくお願いします。

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