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第三話 修業、修業、修業からの解放

今回から一話分の話の量を増やしてみました。

 


さあ森にやってきました!この森の正式名称は「暗黒の森」というらしい。

 この森は母さんと父さんによるとゴブリンやスライムといった有名な雑魚モンスターと大熊や、怪鳥などのわけわからない魔物が出てくるそうで…


「あ、クリンゲル、いたぞ。あのクマを狙って魔法でも剣でもいいから一人で倒してみろ」


「分かった」


 父さんに言われるまま、黒くて、目に傷があって僕の身長(130㎝)の三倍はありそうな大きい熊の魔物に向かって息をひそめて近づく。

 そしてその大熊の背後を取り首めがけて短剣を振り下ろす。

 ザクッという手ごたえとともに熊の首から鮮血が飛び散り熊は倒れて動かなくなった。


「…いいだろう。」


 父さんからもOKが出たしよかったのだろう。ふぅ…と一息おいてから父さんの方をチラッと見るとその背後に獲物を前に目を光らせる怪鳥が迫っていた!


「父さん! 危ない! …あれ?」


 父さんの後ろにはいつの間にかゲルゲルの死体が転がっていた。


「何が?」


「いや…なんでもない」


 やっぱりチートな父さんだ。


 それから一時間ほど歩いていくと誰でも知ってる魔物のゴブリンに囲まれた。


「囲まれたな…よし一人でやれ」


「無理です」


「黙れ」


 そういうと父さんはどこかに消えた。囲まれてるんじゃなかったのか?


 まぁしょうがない一人でやるか。

 ガサガサと草むらをかき分けゴブリン三匹が姿を現す。デカい。2mくらいある。


「想像と違うんですけど!?」


 一人で悪態をつきながらも今度は得意の魔法、ファイヤアローで最初の一匹の頭を吹き飛ばす。あれ? 見かけよりも弱いぞ?

 腰から短剣を抜き、続いて隣にいた一匹の首を切り裂く。

 倒れてくる死体をおとりにもう一匹の背後に回り同じように首を掻き切る。

 ゴブリンたちも仲間の死に焦ったのか数の利を利用して攻めてくる。

 これが全部だとしてだいたい20匹くらいか。


 前後左右、上下からも攻撃が飛んでくる。それらの間を見事に躱しそれぞれの首筋を切り裂いていく。その瞬間背後に大きな殺気を感じ取った僕は手に持っていた短剣をとっさに背後に投げる。するとそこにはゴブリンがいたらしく悲鳴を上げて倒れる音が聞こえた。


 武器がない僕は襲い来るゴブリンたちに『ファイヤアロー』や『サンダー』を食らわせながら後退し、さっき投げた短剣を回収する。その後も戦い続けると数も減ってきて残り5匹ほどになった。僕も1対20なんて経験はないので疲労もたまってきている。できれば素早く勝負を決めたいところだがあいにく『ビックエクスプロージョン』などを使うと森が火事になってしまう。僕は魔法をあきらめ素直に剣で戦うことを決意する。


「やぁぁぁ!!」


 思い切り短剣を目の前のゴブリンに向かって振るう。すると刃も届いてないのにゴブリンの首が胴体から切り離されそのゴブリンと後ろにいたもう一匹のゴブリンも同時に絶命する。


 これがヴァールハイト流剣技「真空波」である。父さんにはこれができるまで飯抜きと言われ必死に頑張って習得した。(飯抜きの件は母さんに父さんがぼこぼこにされて無しになったが)


「よし、あと3匹!」


 ゴブリンたちは束になって僕に襲い掛かってくる。


 僕は正面の一匹に短剣を投げて絶命させ、左右から襲い掛かってくる二匹を素手で相手する状況にする。幸いにも父さんにも素手での戦い方は教えてもらっていたので落ち着いて対応する。まず、右の一匹の腕をとり背負い投げをして左の一匹に叩き付ける。


 そのまま背負い投げをした方のゴブリンの首をひねり絶命させる。


「ラストぉぉ!」


 倒れている最後の一匹の顔面に踵落としを食らわせる。バキバキという音とともに骨を砕く感覚が全身に伝わる。


「終わった…」


 僕が安堵の表情でそうつぶやくと


「よくやった!」


 といいながら父さんが現れる。息子を死地に放り出してどこ行ってたんだろうか。


「何してたんだよ?」


「何って家に帰ってた」


「…もういいや」


 やはり父さんは変人である。


 家に帰るとちょうど夕食ができていて僕はシャワーを浴びてすぐに夕食を食べ始めた。


「今日の特訓はぁ、どうだったのぉ?」


「うん、相手はそうでもなかったしそんなに危険はなかったよ」


「…そうなのぉ、良かったわねぇ」


「まあでもあの森じゃお前には簡単すぎたようだからいつもの練習メニューに戻すか」


「!?」


「なぁ?」


 にやりとして僕を見る父さんとニコニコしながら僕を見る母さん、はたから見るとほほえましい光景だが内容がめちゃくちゃである。


 この調子じゃエリート養成学校の方が楽なんじゃないだろうか。


「ところでクリンゲルちゃん、明日の特訓は休みにして王都へ買い物に行かない?」


「え?うん!行く行く!」


 王都はその名のとおり国の王様がいる一番大きな町だ。ここは国の最南端といってもいいようなところなので田舎者の僕は王都に行ったことがない。特訓も休めるし最高だ!


「おお、王都に行くのか、だったら俺の知り合いに短剣使いがいるからそいつに1週間くらいしごいてもらえ」


 前言撤回、休みはなさそうです。


「ついでにぃ、エリート養成学校に入学する手続きもしましょうかぁ」


「そうだな」


「ちょっと見学もしてみたいんだけど…」


 僕の提案も受け入れられ明日から1か月ほど王都に旅行に行くことになった。


 翌日、朝早くから王都行きの馬車に乗ると昼過ぎに王都に到着した。


「まずは買い物ねぇ」


 何を買うのだろうか?できれば僕の短剣もボロボロになってきたので買い替えたいのだが…


 母さんの服や家に持って帰る家具などを買うと武器や防具が売ってある店に入ることになった。


「クリンゲルちゃんはぁ、どれがほしい?」


 そこは天国だった。見るからにかっこいい短剣や短刀が置いてあって防具も僕が好きな軽めの装備がそろえてある。


「どれにしよう…」


 10分後僕はとても切れ味のよさそうな短剣とワイバーンの鱗で作られたライトアーマーを買ってもらった。値段は聞かなかったがカウンターに母さんが商品を持っていくと店員さんが


「サインください!!」


 とか言っていたので割引もされたのではないだろうか。


「じゃあ、次は入学手続きねぇ」


 ついに僕がこれから行くことになるエリート養成学校のなかをみることができるぞ!


 一言でいうとそこはデカかった。


 敷地の外を1周するだけで5㎞はありそうなほど広い敷地にそれとは別に用意されている校舎三棟や遠くからくる生徒のための寮がいくつもあって学校というより一種の住宅地といった方が分かりやすいのではないかというぐらいだ。


 その後校舎に入り受付に向かうと、


「新規入学の方ですか?それではこの書類にサインをお願いします」

 書類にサインをして受付のお姉さんに渡すと、この学校の説明が始まった。


「この学校は誰でも簡単に入学することができますが、クラスを分けるためにテストを受けてもらう必要があります。クラスにはS、A,B、Cがあり、Sから順に実力で分けられています。これから…クリンゲル・ヴァールハイト君にはそのテストを受けてもらいます。」


「へ?今日ですか?」


「はい。今からです」


 いきなりテストを受ける羽目になってしまった。


 内容は剣術、魔法、魔法学の3つで筆記は魔法学だけということだった。これら3つはすべて両親に叩き込まれているので入学はできるだろう。


「それではここで剣術のテストを受けてもらいます。」


 そう言って出てきたのは5匹のゴブリン?だった。


 なんだこいつら?ゴブリンみたいだけど小さいぞ?1mくらいしかないじゃん。


「このゴブリンたちをどれだけ早く倒すかで点数を決めます。武器はこちらをお使いください。」


 そういわれて短剣を受け取り数度振って自分が使えるかどうかを確かめる。


「それでは…用意…スタート!」


 スタートの号令とともに「真空波」を放つ。すると5匹のゴブリン全部が切り裂かれた。


「しゅ、終了…」


 1秒もかからなかった。


 もしかして僕って相当強いんじゃね?


 受付の人が放心状態なので何度か声をかけると「はっ!」と声を出して案内を続けてくれた。


「次は魔法のテストになります」


 なんか的がたくさんある部屋に来た。


「この的はとても丈夫で動き回ります。これらを制限時間の1分以内にいくつ壊せるかで成績が決まります。」


「それでは…スタート!」


 おお、ぐるぐる部屋の中を的が移動してる…

 よし、ここはファイヤアローで…


「『ファイヤアロー』!」


 ちょうど的の数と同じだけ生み出された灼熱の矢はそれぞれが照準を定めると空気を焦がしながら発射され、的に直撃する。全部の的を焼き尽くしてしまった。


「お、終わりです」


 あっけなさすぎる。もうこれ僕じゃなくて試験が簡単なんじゃね?


「あ、えっと次は魔法学のテストです。」


 30分ほどで試験は終わった。結論からいうと全部ちょろい。

 魔法学に至ってはもう常識問題だけだった。こんなんでいいのか?エリートなんじゃねぇの?



 テストの結果は入学式の日にわかるらしいのであと半年はわからないことになる。そしてこれからは地獄が始まる…


「おーす!ドルヒ!いるか?」


「あ?なんだよてめぇか?」


「なんだってなんだよ」


「ああ、お前の息子の件か…そいつか?」


「そうだ。名はクリンゲルという。これから1か月よろしく頼む」


「1週間から増えている…だと…」


 驚愕の事実!1か月に地獄が延期!


「あー、クリンゲル、こいつは俺が冒険者だったころの仲間のドルヒ・ラオフェンだ。

 これから1か月お前の師匠になるからあいさつしとけよ」


「よ、よろしくお願いします。」


「おう、よろしく!」


「じゃあ頑張れよ!」


 そういって父さんは帰って行った…ん!?帰った!?俺ここで一人で修行すんの!?

 まじかよ!


「そんじゃあ、ボウズ、まずは俺と一戦やるぞ」


「は?」


「せいっ!!」


 なんだこの人! いきなり襲ってきたぞ? 頭大丈夫か?

 走ってきたので体を右にひねり足を一歩出す。すると…


「あぶねぇぇ!!!」


 こけた。もしかしてこの人ドジな人か? こけたのに「あぶねぇぇ!!!」だよ?

 こけてるから。バカなのか?


「フッ…やるじゃねぇか…同じ手は二度と食らわんぞ」


 いや、鼻血出しながら言われても…


「ハァッ!」


 掛け声がしたと思ったら僕の首にナイフが突きつけられていた。

 前言撤回、この人もチートだ。


 修業はとても厳しく、父さんの修業が甘く思えるほどだった。しかし、その分僕の実力もめきめきとアップしさらなる高みへと上り詰めていることが自分でもわかった。しかし周りには両親をはじめ凄い人ばかりだからまだまだだと思う。


 そんなことを思いながらも修業に打ち込んでいるとドルヒさんからおつかいを頼まれた。


 全くまだ出会って数日なのに凄い扱いだ。まあこれくらい良いけど…


 近所の八百屋で野菜などを買ってドルヒさんのところへ戻っているといきなりごろつきたちに襲われてしまった。


「おいボウズ、金目の物おいていきな」


「今なら命は助けてやるぜ?」


「ハァ…」


 僕がため息をつくとごろつき達はイラッとしたようで


「やっちまえ!」


 といって襲い掛かってきた。とっさに買っていたネギを武器代わりにして戦った。結果…


「すいません、もうしません」


「許してください、許してください」


 大人なのに子供に負けるってどうなのかね?


「ただいま」


「おう、買ってきたか?」


「うん、ネギはだめになったけど…」


「…なぜじゃあぁ?」


「いや、武器代わりにね、とっさにね、使っちゃった」


「素手でやれバカ」


 …その手があったか!



 ☆



 地獄の特訓もあと三日で終了となり、地獄だと何度も言っていたがいざ終わるとなると何か寂しいものを感じる…わけもなく、やっと終わるぞ!あと三日だ!という気持ちで今日の修業に臨むと、そこには神妙な顔でドルヒさんが立っていて、ドルヒさんがよく自慢してきた名刀「紫」が腰にはぶら下げられていた。


「おい、ボウズ…いや、クリンゲル、俺と真剣勝負だ」


「へ?真剣って真の剣ってことですか?」


「ああ、そうだ。」


 僕はいつものドルヒさんとは違い、真面目な雰囲気になっていたので茶々を入れることもできず、その真剣勝負を引き受けた。


「これが終われば少し早いがお前の修業は終わりにしてやる…てか、ぶっちゃけもう教えることないから帰れ」


「え?あ、はい。」


 空気ぶち壊しだ。


 僕は王都の近くの平原でドルヒさんと対峙する。


「先手はお前にやる。かかってこい。」


 そういわれたのでヴァールハイト流体術「縮地」を使って地面をけり一瞬でドルヒさんに詰め寄る。


「!?流石だな!」


 とは言いつつもドルヒさんも難なく回避し僕の脇腹に斬撃を放ってくる。


 それを回避するために「縮地」でそのまま駆け抜け、もう一度正面にドルヒさんをとらえる。今度は「縮地」でドルヒさんの目の前まで駆け寄り、そこでヴァールハイト流体術「宙歩」を使う。これでドルヒさんの目からは一瞬僕が消えたように見えたはずだ。


「飛翔斬!!」


 これは僕自身が考えた技で、先にはなった衝撃波とともに僕自身の斬撃も襲ってくるという波状攻撃で回避するには大きく飛びのくしかないと思う。


「やるなぁ!クリンゲル!!」


 しかしドルヒさんはそれを一歩身を引くだけで回避して見せ僕の首めがけて斬撃を放ってくる。僕はそれをあえて躱さず落下速度を回転の力に変えて回し蹴りを放った。


 ドルヒさんの斬撃は僕の肩をかすめる。そして僕の蹴りはドルヒさんの脇腹にヒットする。


「くっ…」


 ドルヒさんがひるんだすきを見逃さず続いて攻撃を仕掛ける。


 その刹那ドルヒさんが視界から消える。まずい!背後か!?

 僕が後ろに振り向くのと同時に上から声が聞こえた。


「残念、上だ」


 僕はとっさに前転してドルヒさんの攻撃を間一髪で躱す。しかし、それは躱しきれず足を浅く切られてしまい一瞬立ち上がれなくなる。


「もらったぁ!!」


 このタイミングしかない!!


「回天斬!!」


 父さんに教えてもらった切り札、回天斬。

 この技を成功させるためにはいくつか条件があり、まず相手が自分の後ろにいること。

 次に自分と相手の距離が短いこと。そして相手が自分にとどめを刺せると思って油断していること。


 今回はこの3つの条件がすべて満たされている!!


 僕は「宙歩」で一瞬にして飛び上がり回転しながらまっすぐにドルヒさんの真後ろに降り立ち、回転の力を腕にだけ残して短剣を首に突き付けた。


「これで、終わりです。」


「やられたよ、クリンゲル…」


 そうして僕の地獄の特訓は終わったのだった。



「あの、この宿屋にヴァールハイトって泊まってますかね?」


「お客様のことを教えるわけにはいきませんので…」


 ああ、それもそうか。こうなれば息子だってことを証明して…


「おう!クリンゲル!もう終わったのか?」


 父さんだった。


「ああ、うん。」


「てか、どうしたんだ?その傷?」


「ドルヒさんと戦って…」


「は?あのバカ…手加減もせずにやったのか?大丈夫か?ぼろ負けして帰ってきたのか?」


「いや、勝ったよ?」


「バカ言ってんじゃねぇよ」


「マジだって」


「まぁいいや。よし帰るぞ。」


 ああ、そうだった。旅行だったんだ。両親は。僕をほっといて。

 そうして馬車に乗るとまた半日かけて自分たちの家に帰って行った。



 ☆



「あーーーー!やっぱり家が一番だ!」


 おい、息子をほっといて観光をしてた父さんがいうセリフか?それ?

 僕は突っ込む気にもなれずシャワーを浴びたあと深い深い眠りに落ちた。


 目が覚めたのは次の日の夕方だった。

 体を起こすとバキバキと背骨が音を立てる。


「いたた…全身が筋肉痛だ…」


「おはようー」


「まあそんな時間じゃないけどね」


「そうねぇー」


 みると肩や足の傷はなぜか治っていた。


「え?なんで傷が治ってんの?」


「それはぁ、私がぁ、回復魔法をかけたからよー。」


「それ、教えてよ!」


「いいわよぉ」


「でもぉー、それはぁ、とっても難しいのよぉ」


「まず傷口に魔力を覆いかぶせるようにしてぇ、患部に魔力を流し込むの」


「多すぎても少なすぎても駄目よぉ。多いと逆に傷が広がるし、少ないと治らないからねぇ」


 自分の短剣で自分の指に小さい傷を作る。そこに言われたように魔力を被せ流し込む。


「いってぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」


 傷口が大きくなってしまった!めちゃめちゃ痛い!


「もういちどよぉ」


 もう一度落ち着いてすると今度は…


「おお、治った…」


「さすが私の子供ねぇー」


 母さんによると回復魔法はほんとに一部の人間しか使えないらしい。

 なんか嬉しいな。


 最近は剣術の修業ばかりだったので母さんとともに魔法の練習をすることにした。

 剣術と合わせるために母さんが無詠唱というのを教えてくれるらしい。


「じゃあ、まずぅ、普通にファイヤアローを撃ってみてぇ?」


「うん… ファイヤアロー!」


 発射された炎の矢が空気を切り裂きながら庭の木を消し飛ばす。あ、やっちゃった。


「…あなた」


「ひぃ!ごめんなさい!」


「いや、無詠唱できてるじゃない!」


 マジかよ。ラッキー、庭の木は怒られなかったぞ。


「まあ、木の件はあとで罰を与えるけどぉー」


 僕の味方に神様はいないようです。


「普通の魔法使いはぁー、普通、『燃え上がる矢よ、敵を貫け!』とか言ってからぁ魔法を撃つのよぉー」


「何それ?初耳」


「まあできるのなら別に問題はないわぁー」


「何を教えようかしらぁ…あ、そうねぇ、『ファイヤアロー』の上位互換の『ファイヤスピア』を教えてあげるわぁ」


「ほんとに?」


「ええ、えっとーまずぅ、『ファイヤアロー』を大きくして、鋭くして回転させて速くするの」


「へぇ…『ファイヤスピア』!!」


 僕が右手を頭上に掲げると『ファイヤアロー』をはるかに超える大きさの、まさに炎の槍が僕の頭上に生まれる。

 熱気で僕の髪が燃えないか心配なほどだ。

 そしてそれを僕が照準を定め上げたままだった腕を振り下ろすと、庭にある大きな岩に炎槍が飛んでいき岩を爆砕した。


「おおぅ…高威力だな…」


「やっぱりぃ、流石ねぇ。一発で成功なんて」


 ふははははははははは!!!一発ってのは気分がいいなぁ!


「でもぉ、流石に庭を壊しすぎよぉ?」


 僕の命運は今、尽きました。






感想、注意点などお待ちしております。

これからもこの作品をよろしくお願いします。

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