第二話 耐えろ!地獄の特訓!
地獄の特訓と授業が始まって3か月がたった。父さんと母さんからは学べる事をすべて学び、自分の力にしてきた。しかし…
「オラオラオラオラオラァァ!!!!!その程度じゃゴブリンにも勝てんぞ!!」
「イヤァァァァァァ!!もうやめてぇぇ!!!」
今僕は木刀を持った悪魔(父さん)に追いかけられていた。やっぱり両親は最強だね!
さて今日の地獄の特訓も終わり少ない自由時間になった。3か月前までは本の虫だったが今は違う。いつぞやの荒野で魔法の練習に取り組む。
「『ファイヤアロー』!!」
ゴウッという音とともに近くの岩が砕ける。
「『サンダー』!」「『サンダー』!」「『サンダー』!」
雷鳴を轟かせながら白光が辺りを染め上げる。
「『ビックエクスプロージョン』!!」
魔法を唱えると同時に体を一気に疲労感が襲う。この疲労感は魔力を一気に使いずぎたためのものだ。
魔法を唱えて数秒後150mほどさきで空気が揺らぎ、光の粒が収束していく。そしてパッとものすごい光が辺りを包むと…
さきほどまで普通の地面があった場所に大きなクレーターができていた。
「ふぅ…」
僕は体を襲う疲労感に気だるさを感じ、自分の手のひらを見る。
「まだ魔法は撃てそうだけど.......」
無理をすれば魔力が尽きてしまうかもしれない。
訓練で死ぬほどする必要は全くない。ていうか正直帰りたくなっていたので帰ることにした。
☆
「ただいまー」
「おかえりー」
父さんは訓練の時でなければ一般人なのになぜあんなにも理不尽の象徴のような人になるのだろう…
「おいクリンゲル、ちょっと剣を教えてやろう」
「ヒッ…わかりました」
「なんで敬語なんだ?」
「なんでもありません!」
魔力使って疲れて帰ってきたのに今度は剣術かよ.......
いい加減死んでしまう.......
地獄の再来だ。
「ハァッ!」
庭へ出た僕と父さんは木刀を片手に睨み合っていた。
気合を入れるための掛け声とともに木刀を振り下ろす。
と、父さんは半歩体を引いてそこから体をひねり反撃に転じてくる。
しかしそれは予測ずみ、こちらも体を回転させて父さんの脇腹に木刀を叩き込む。
「…」
無言で父さんは足に力を入れる。
「!?」
その瞬間、僕の確実に当たったと思っていた斬撃は躱され、いつの間にか僕の背後に回っていた父さんの木刀の剣先が首に突き付けられていた。
「はい、終了」
「あー、やっぱだめだったかー」
「まだまだ半人前だな。まあでもあの反撃はよかったぞ」
「ありがとう…けどそろそろその木刀おろしてくれないかな」
この人は息子にずっと凶器突き付けてくる危険人物だから早くおろしてもらわないと殺されてしまいそうだ。
夕食を食べ終えると父さんと母さんは僕の訓練について話をしていた。
「そろそろぉ、森にいって魔物狩りでもぉどうかしらぁー?」
「ふむ…いいね、そうしよう!」
ゴブリンにも勝てないんじゃなかったのか? そんなのを連れて行って大丈夫なのか?
「まぁ、死にはせんだろ」
「そうねぇー」
怖いよー! スパルタだよー! 死んじゃうよー!
遺書残そう.......