必死な気持ち送り『火』
中学の最後の夏休み、クラスの男女数人で近く夏祭りに行きました。ちょっと気になるお調子ものの森田君も来ました。わかっていたら浴衣で来たのにな。
その後、近く砂浜で花火をやりました。
最初のうち、女子は女子同士固まって、おとなしい、かわいい花火を、男子は各々うるさい派手な花火をやってました。
目の前には火力の強い花火を何本も振り回してはしゃぐ森田君です。気が付くと、他の男子、女子がその花火で追い払われるように距離が出来ていました。
そして、反対側に取り残された私の方を向いて、一段と強い花火を大きく振り回します。楽しそうに、恥ずかしそうに、必死に……。私の小さい花火が一段と小さく見えます。
あれ? なんか一定の動きをしている!?
火の残像が文字を作り出している。
ス キ !?
その必死な動きは、私が花火で丸を描くまで続きました。
天宮奏様、依様の『口説かれろ企画』(http://ncode.syosetu.com/n4480br/)に参加しようとして書き始めたのですが、10キーワードも無理でした。そんな作品。