なずなと幸せ
「さて、これは一体どういう状況なのかしら?」
『なずなが氷の魔法が使えたんだ。それで、殴られそうなところを氷づけにしたってわけだ。ちなみに俺は雷魔法が使えた。だから、お前らに場所を知らせるために周辺に雷を落としていたんだ。』
「待って、ということは一人で二つの属性の魔法を使えるの?」
『そうなるな、まあ使えるといってもなずなは雷魔法使えないし、俺は氷魔法を使えないがな。』
「これは他の国に知られないようにしないと...」
「あぁ、ナタエル様に相談しないとだな。」
そして私は家に帰ってきた。家に戻るとサキさんはいなくなっていた。
それから半年後
「なずな~、準備できてるか?もう行くぞ~」
「はーい。今行きまーす。」
今日は、私のお披露会だ。私がアレンさんの養子になったことを伝える会になっている。
「皆様、大変お待たせいたしました。アレン様とエレン様の養女となりました、ナズナ・ピリオン様です!」
私は、きれいな水色のドレスに身を包んで、会場へと入った。
「なんとかわいらしい方なのでしょう。お二方がお選びになったのも分かりますわ。」
「なんと、きれいな所作でしょう。本当に習い始めたばかりなの?」
そう、私は半年前の事件で二人とちゃんとした家族になってから、貴族のマナーや礼儀作法を勉強したのだ。わかり約教えてくださったおかげで、すぐに身に着けてしまった。
「皆様、本日は私のお披露目会に来てくださり、ありがとうございます。感謝の気持ちを魔法でお伝えしたいと思います。」
キラキラキラ
私は、微小の氷をフラワーシャワーのように降らせた。会場はキラキラと輝いていた。
「なんとこの年でこんなにも魔力操作がうまいとは...」
「すごい娘を見つけたようだな、宰相様は。」
私のお披露目会は大成功だった。皆さんとてもいい笑顔で帰っていった。
「ななちゃん、私今すっごく幸せだよ。ありがとう、ずっと支えてくれて。これからもずーっと一緒にいようね!」
『あぁ、ずっと一緒だ。』
―たとえ、この思いを一生伝えられないとしても。―




