なずなと充実
ななちゃんとアレンさんとエレンさんが話し終わって、夜ご飯を食べることになった。
「こちら今日の料理になります。」
「ありがとう。なずなちゃん、ゆっくり食べてね。」
「はい。」
料理を一口食べてみると、温かくておいしかった。
「あったかい。」
「そう、それはよかったわ。味はどうかしら?」
「おいしい。すごくおいしい!」
アレンさんとエレンさんはとてもうれしそうに笑った。
「よかった。ほら、もっと食え。」
そのあとは、色々なことを話しながら食べた。
いつもはしゃべりながら食べたら怒られていたのに...
次の日
「なずなちゃ~ん!今日は街へあなたの生活用品を買いに行きましょ~。」
私が部屋から出ると、エレンさんは抱き着きながら言った。
「せいかつようひん?」
「あなたがここに住むために必要なもののことよ。」
「わかった。」
『よかったな、なずな。なずなのためだけのものを買ってもらえるみたいだ。なずなのものだから誰かに譲ったり、シェアしなくていいんだ。』
「そうなの⁉私だけのもの!すごい!」
「ふふっ、さあ行きましょうか。」
「おう、いってらっしゃい。」
その言葉を聞いてなずなは首を傾げた。
「アレンさんはいかないの?」
「俺は仕事があるんでな、また今度一緒に行こうぜ。」
そして私たちは街へ馬車で言った。
『ほう、馬車なんだな。ますます、ここは俺たちがいたところとは違いそうだぜ。』
「そういえばあなたたちは何故魔獣の森に?やっぱり...」
『エレンが考えているようなことじゃないさ。多分俺たちは異世界から来た。俺たちの世界には、魔獣なんていなかったからな。』
それを聞いたエレンさんは、びっくりした顔をしていた。
「その話、帰ったらしっかりと聞かせてちょうだい。アレンも一緒に。」
『わかった。』
ガタッ
「奥様、なずな様、着きました。」
馬車から降りるとそこは、たくさんのお店が並んでいた。
「うわぁ~。お店がいっぱい。」
「嬉しそうでなによりよ。さぁ、こちらにいらっしゃい!まずはあの店に入るわよ。」
カラカランッ
「いらっしゃいませ。ブティック、ラノアへようこそ。」
「すみませんがこの子用の服を何着かオーダーメイドしたいのと、今何着か買いたいのですけど。」
「かしこまりました。ご案内します。」
私用の服を何着か買って、おだーめいど?をした後店を出て次の場所へ向かった。
「次はここよ。」
「いらっしゃいませ。インテリアショップ、リノスへようこそ。」
「ねぇ、なずなちゃん。あなたは何色が好き?」
「色?よくわからないけど、水色かな?」
「わかったわ。水色の家具はあるかしら?できれば可愛いのを。」
店員は少し考えた後、
「ございますよ。ご案内しますね。」
といった。
そのあとも、おもちゃ屋さんや靴屋さんなどに行ってそこでも色々と買った。
「はぁ~、たくさん買ったわね~。」
『そんなに買って大丈夫なのか?』
「そういえば言ってなかったわね。私たちの家は公爵家よ。」
・・・
『はあ⁉あんな口調なのに公爵なのか⁉』
「こうしゃく?」
「王族の次に偉い人ってことよ。アレンあれでも宰相なのよ。仕事中はちゃんとした言葉使いよ。」
『まじか、普通にもっと位が低いと思ってたぜ。』
エレンさんとななちゃんが話していること、少し難しくてよくわからないや。くらい?ってなんでろう?
そんなことを思ってたら、家に着いた。
「ただいま、ニナ。アレンは帰ってきたかしら?」
ニナは、メイド長のことだ。
「はい、帰ってきております。」
「ななちゃん?さっきの話ちゃんと聞かせてね?」
『あぁ、二人はもう知っていると思ったんだがな。』
「知らないわよ!」
そしてアレンさんのもとに向かった。
だが扉を開けると、アレンさんのほかにもう一人男の人がいた。
「ナ、ナタエル様‼この国を照らす我らが王に拝謁いたします。」
そう言ってエレンさんはカーテシーをした。




