ななの正体
『俺は、ナベルナ。元、神だ。』
「神?一体どういうこと?」
『俺は、なずながいた世界の神の一柱だ。とはいっても、有名な神じゃない。ただ、人間たちを見守る役割を持つ神の一人ってわけだ。俺は、なずなを見守る担当だった。』
「なぜ神がなずなに?」
そうきかれたナベルナは少し悲しそうに言った。
『俺はな、なずなが生まれてからずっっと見守ってきたんだ。どんな目にあい、何を感じ、何に幸せを感じていたのか。だから、悔しかった。俺は見守るだけで、なずなに何もしてやれなかった。助けることができなかった。だから俺は、最高神にお願いしたんだ。どうかなずなを助けてくれって。でも、無理だといわれた。人の運命は決まっていて、運命を変えることはできないんだと。でももし、その運命に何かによって変わろうとしたその時は、君の介入を許そう。そう言われた。そして、あの事件の時、なずなが強い自分を望んで新たな自分が生まれそうになった時、俺は最高神の御威光でなずなの二重人格になった。』
「そんなことが...」
「そうか、だから君はそんなにしっかりとした意思をもっているんだな。」
『あぁ。』
「一つ聞いてもいいかしら?」
『あぁ。』
「なぜあなたはどうしてそんなになずなが大切なのかしら?」
『なずなのことを好きだからさ。まだ小さいが、俺は好きなんだ。きっかけは?と聞かれると答えられない。気づいたら好きだったんだ。幸せそうに笑うなずなの笑顔を、俺はまた見たい。どうか、お願いする。なずなに幸せを思い出させてやってほしい。体がない俺には、できないことだから...』
「そうなのね。わかったわ。話してくれてありがとう。約束するわ。私たちがなずなちゃんに幸せを思い出させてあげると。」
『ありがとう、よろしく頼む。』
「話し終わった?ななちゃん。」
『終わったぞ。悪いな。』
「いいよ!いつかちゃんと教えてね、ななちゃん!」
『あぁ、いつか必ず。』




