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 俺、須藤藤乃は柊でクリスマスのリースを作っていた。

 濃い緑の環に松ぼっくりやベリーを足してクリスマスらしい色合いにしていく。


「ただいまー! とうさん、それ、なにー?」

「クリスマスリース。トゲがあるから、さわら」


 言い終わる前に帰ってきた藤也はカウンターに手を出して、柊のトゲに思いっきり指を差した。


「いっ、いたい!!」

「何してんだ。ちょっと刺さっただけだから大丈夫。商品に手を突っ込むんじゃないよ」

「はあい……。そのトゲなに? どくある?」

「毒はない。柊っていう葉っぱ」


 余った柊の葉を渡すと、藤也は「ふうん」とくるくる回した。


「まきびしになる?」


 何を言ってるんだ。

 息子との付き合いは五年ほどだけど、年々よく分からないことを言うようになってきた。

 ていうか、まきびしなんてどこで覚えてきたんだ。


「まきびし……? ならないんじゃないかな。靴履いてるし」

「はいてなければいい? げんかんあがったところとか」

「良くない。たぶん、母さんにものすごく怒られる」

「あのね、どろぼうをつかまえる」


 本当に、どこで何を聞いてきたんだろう。

 分からなくはないけど、玄関に柊をまいたら、藤也は花音ちゃんに怒られるだろうし、たぶん柊を渡した俺も怒られる。


「節分みたいに、玄関に飾ればいい」

「せつぶん? まめまき?」

「それそれ」


 俺は柊のリースにリボンを巻きながら、節分の柊と鬼の話をした。鬼の目に柊のトゲが刺さった話だ。


「じゃあ、そうしよう。ひいらぎちょうだい」

「これは商品だから駄目。あとで配達の時に買ってくる」

「ここにあるのに」

「商品だからね。スーパーの入り口に売ってるのを買ってくる。……まあ、俺が昨日納品したやつだけど」

「ぼくのおこづかいで買える?」

「いくらあるのさ。ていうか、小遣いなんか渡した覚えないけど」

「えっとね、きれいないしがみっつと、まつぼっくりと、どんぐりがたくさん」

「買えない」


 完成したリースを店頭に飾った。

 これが今日明日売れなかったら家の玄関に飾ってもいいけど、残念ながら閉店までに売れてしまった。


 代わりに、話を聞いた俺の親父が、生け垣の柊の葉をむしって束ねたものを藤也に渡していた。雑なスワッグみたいだけど、藤也が喜んでいたから、まあ、いいんだろう。

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