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ヒーローインヘアレント(仮)  作者: 作者ir
戦禍再現編
36/36

決行

遅くなってすみませんチャネル

前回のあらすじは前回を読んでくださいすみません

決行



 朗らかな風景の中、いつかの樋口が手招く

「あかね!!」

足を踏み出せば底はなく、暗闇に落ちていく

何者かに服の首根っこを掴まれた

(おうクソガキ、もう落ちてきやがったのか?)

「夏坂!」

巨漢の背中から生える血濡れた刀の光景が一瞬浮かぶ

(なんてつらしてんだ、笑え!俺の弟子だってことを誇示しろ!…悪かったな、まだ来んじゃねーぞ!!――



 ゆっくりと目を開ける

そこは浴槽で数十分眠っていた様だった

悪夢だったはずの夢を見て、何故か勇気が湧いた

「よし」



 全員が集まっていた

「これより奪取作戦を決行する!」

ジャンヌさんが、声を張る

「場所はノリッジから続く山奥!麓の集落は殆んどがイフの構成員であることを確認。我々にとって危険地帯でもある!心してかかれ!」

『了解!』

転移の陣が発動する

 部屋が光に満ちた時、あたりの風景が変わった




―数十時間前

薄暗く冷たい石の部屋にて

「どうじゃ、降りてきそうか?」

伊村は退屈を吐き出した

「こちらの準備は整っている、あとは役者だけだ」

「もう儂は限界じゃ、外見回って…?」

「どうした」

「客が来ておるぞ」

「直々の来訪とは、ご執心はお互いのようだな、女王」


『???』


金色の長い髪が深く被った白いフードから溢れている

糸目でメリハリのあるボディラインの女性が、暗闇から姿を表す

「その子は我々が預かります」

「フッ!

          ―うわが


抜刀し切り掛かった伊村は消し飛んだ

「躾は難しいですわよね」

「こちらとしても世話のかかる猛獣とは仲良くしたいが」

「あなたがいうのかしら」

「根は同じ、ならば取り繕うのは無駄じゃないか?」

「もう一度言います」

ゆっくりと薄く瞼を開けば、金に輝く虹色の瞳が光を放つ

その子は我々の元で保護を…

「ここわ儂らの領域ぞ?」

「…」

金の瞳と赤黒い瞳が衝突する

「女王様、ここは大人しく下がってもらいたい」

「今回はただ忠告を、あくまでも我々は魔族の国を再び復興する為、手をお貸ししているにすぎません」

「そうだな」

「もし、妨げになるような行為があれば即刻…


 女王はゆっくりと左手を月城の方へ伸ばす

「!!」

テーブルの上のナイフを投げつけ抜刀する

 ナイフは女王の顔の直前で停止して跡形も無く燃えた

抜刀した刀身は半分より上が綺麗に抉られ、その直線上のテーブルの足を飲み込み、壁に円形の凹みが出来た


ついでに伊村も消し飛んだ


バランスを崩したテーブルが倒れる

「魔人の方を保護した場合は我々にお譲りください。お互いの為に」

「…こちらにも大義はある、心配せずとも用が済めば生きてお前らにくれてやる」


女王は暫くの沈黙の後、笑みを浮かべた

「左様ですか、そのお言葉を聞けてホッといたしました」

「ただで帰れると思っているのか」

「もしかして、何かおもてなしがあるのかしら?」

「チッ」

「私は貴方とも子供が欲しいのですよ?」

「うせろ」

「またお会いしましょう…フフフッ」

お上品な笑い声と共に、姿気配が夢の如く消えた



「…」

「お主大変そうじゃな」

「良きにはからえよ元凶」

「まぁまぁ、今回は分が悪かったんじゃよ、ありゃあ力の暴力ぞ」

「意味がわからん、コアはどれくらい残ってる」

「ざっと5つ、完全体に5つ必要じゃから実は後が無くでノォ」

「食わず嫌いはしないんだよな」

「おう、とうとうよこす気になったか」

「褒賞をやらんのもどうかと思っていてな」

「お主はずっと美味そうじゃったからノォ」

「おいちょ、待て、早ッ!!」


首元に噛み付く

「ッ………」

「びゃぁうまい、これほどの魔力、魔族であれば腕の一本や四本程度なら早瀬太郎に」

「ハァ…そんなに腕いらねぇよ…俺の血は増やせないのか」

「おぉぉぉ、その手があったか」

(完全に想定外、まさか女王自ら牽制しにくるなんてな…)

「まぁいい、とにかく刀と準備しに行くぞ、手伝え」

「へぇ」



―現在正面、ジャンヌ率いる囮部隊―


とても広い道の真ん中

 歓迎するように、街の住民が行く道を塞ぐ

「一つご提案があるのですが、お聞きになりますか?」

白髪のおじさんが、部隊に言い放つ

「素直にお通し致しますってんなら、聞き入れてやってもいいぜ」

ジャンヌは、旗のような物を肩にかけながら答える

「いえいえ、このままでは両者タダでは済まないと思いますので、ご引き取り願いたく…」

「誰に物言ってんのか知らねぇが俺に言ってんなら…その傲慢さをあの世で恥じろ!」

双方一斉に飛び出した―


分岐・正道ルート


―潜入・ハヤテ率いる奪還部隊―

街の外れに転送した飛鳥らは、樋口が囚われていると思われる地点を目指して、森に入った

「ちゃんと感じんのか?」

「はい、この先から強く感じます」

しばらくして石の積まれたような崖についた

「ここだ、ちょっと離れてろ」

松総さんは、石壁をぶん殴った


「極力隠密にですよね?」

「入るのに必要な音量だからセーフセーフ」

奥へと続く細道が現れる


(!!)

松総さんは弾かれた様に入口から距離を取る

白夜叉もいつのまにか、納刀された大太刀を持ち、臨戦体制に入っていた

暗い洞窟の奥から足音が近づいてくる

ずっしりと、そして軽快に、高い音が向かってくる

日差しが彼を映し出す

「これはどうも、偽りの戦士たちよ」

「チッ」

(舌打ち!?)

白夜叉は、不機嫌な顔をする

現れた赤いコートの長身の男性は、鼻下の髭を弄りながら、白夜叉を見て言い放つ

「おや、いつしかの坊ちゃんじゃありませんか」

「拙は貴公など知らん」

「私は覚えておりますぞ?これまた随分と大きく…」

「黙れ」

白夜叉の鞘は淡紅色の炎に変わり真っ白い刀身に纏わりついた

周囲の温度が上昇する

(あっつ)

「ほぉ…よくぞここまで」

「ここの守衛は貴公一人か?」

「さて?」

白夜叉が勢いよく斬りかかるが、敵が刀身に触れた瞬間、纏った焔が霧散し、勢いが止まった

さらに軽く押しただけで弾き返された?

同様する様子もなく、再び刀に火を灯しながら質問する

「白夜叉、ここ任せられるか?」

「否、ここは三人で一斉に叩いた方が迅速だ」

「そうだ、自己紹介がまだでした、私の名は、レスターバル・コモンドゥス、ローマ皇帝の名を冠する者!なり!」


『レスターバル・コモンドゥス』


片手を高々と上げ、決めポーズを取る

「…」「…」「…」

「さて、入り口で全員突破されるのはこちらとしても面白みが無いので、二人お通ししますよ?」

「遠慮はしない、全員で行く」

「ではこちらも遠慮なく、謳え!我ローマを!惨憺たる宴を」


      ―怪物の行進・フランケンパレード―


 人サイズの人間のような何かが、大量に地面から湧いてきた

(血ぉぉ…)…よこせぇぇ…)しに…たくないよ)

「な、何だこいつら…」

皮膚が爛れ、焦げた匂いを放ち、目からは生気を感じられない人のような者が這い出てきた

「趣味が悪りぃなぁ!」

松総さんは何も持たない手で、空を薙ぎ払った


           ―燦繚科戸―


左から右へと、人ならざるものが霧散していく

コモンドゥスを残して

「チッ!俺の剣じゃああいつに触れねぇな…あいつ魔力を弾きやがるぞ、気をつけろよ」

そういうと、後ろに下がっていく

「……どこ行ってんですか!」

「俺とは相性が悪過ぎるちゃっちゃと済ませてくれ」

「えぇ…」

「いやいや少しお待ちください、まだ終わってませんよ?」

嫌な予感が吹く

地面の赤色が、元あった場所に戻り固まり、人を形成する

「気持ち悪りぃなぁ、おい白いの」

「なんだ」

「任せられるか」

「大丈夫だ」

「行くぞ!」

松総さんは、雑魚を次々と斬り伏せて時間を稼ぐ

「飛鳥殿」

「はい?」

「…絶えず炎を奴に放っていて欲しいのだが」

「分かりました」

「できる限り広範囲に、薄く頼む」

そう言ってから、すぐに切り込んでいく

(大丈夫かな…ま、いっか)

右手の拳に自分の英力を集中させ、拳を開くと同時に放つ

「フレイム!」

赤い火が敵を覆い隠す

それを振り払った敵の胸を、白夜叉が差し貫いた

「グフッ!…フフッ、世界征服はもう目前なのだ!この命尽きようとも!我魂は!永遠に消える事はない!」

「もう良い」

刀を横に振る

「おい止まんねーぞこいつら!」

かなり数は減ったが、それでもまだ動き続ける

「やっぱり別の殊科だな、ひとまずスルーで」

「そうですね」

「承知」

洞窟へ全力で走った、暫く奥へ進んで行くと、迷路だと言うことが分かった、そして迷った、さらに挟まれた

「おい飛鳥、まだ感じんのか?」

「何と無く方角だけ…」

「おれぁ風を頼って空間がある程度分かる、そして怪しい場所を二箇所見つけた」

「おぉ、凄い」

「二手に分かれるか?」

「オレと飛鳥で行動したい」

「承知した、出口は自身で切り開こう」

「こいつは俺の分身だ、こいつが教えてくれる」

そういうと、蝶々の妖精みたいなのが、松総さんから飛び出してきた


「この下には洞窟があるんだが、近づくなよ、これは勘だが、あんま良いもんじゃねぇ」

「承知」

 そして、松総さんは、カメ◯メ波の様な体勢を取った


          ―韋駄天・穿―

          ―宵月・白夜―


 手のひらから一瞬で緑の刀身が伸び出し、目の前の大群を撃ち抜いた

 白夜叉は銀気を纏い、すぐにいなくなったかと思うと、後方の大群は、凍てつき、崩れ落ちた

「行くぞ!」

「はい!」

伸びた翆の刀身を引っ込めながら走り始める

いくらか怪物を砕きながら、幾つもの角を曲がる

「この先です!」

長い廊下を抜け階段を降りた

錆びた鉄、そして血の匂いがする

いくつかの牢屋を見て回る2人で見て回る



「!?…あかね…」

呼吸が止まる、その光景に身が凍りついた

絶望、不安、嫌悪、安堵、焦り、怒り、怒り、怒り

感情が、大きい感情が出口に詰まり、思考を止めた

無理やり足を前に出して駆け出し、そっと抱き寄せる

「………良かった…」


 意識はなかったが息はある

無数の痣や切り傷、纏っていた布に血が滲んでいた

クロス状に立てられた板に手足を拘束されていた

「あ…」

「!?」

「あす…か…」

虚ろな瞳を捉えて離さない

「直ぐに帰ろう…大丈夫だよ、1人にしないから」

「しん…じてたよ……」

「…」

やっと安堵が追いついた、そして怒りが追い抜いていく

「敵の気配はひとつある、動く様子はまだ無いが早いとこ行くぞ」

松総さんは空を薙ぐと、四肢に繋がれた鎖が切れた

力無く倒れる樋口を抱える



「動きやがった!真っ直ぐ向かって来やがる!」

前方右側の壁が吹き飛び、開通した


「遅かったのぉ、少し遊んで行くか?」

開通した奥の暗闇から声が聞こえると、悪寒に襲われる


(何かまずい気がする!)

「身を守れ!!」


樋口を抱き込み、黒いコートを喚び出した所で、意識が飛んだ




「……ゴホッ!ゴホッ!……イッ……」

 耳鳴りが酷く脳を支配する、体全体に強く圧力がのしかかる

 暗闇、焦げた匂いが鼻の奥を刺激する

『???(女王)』

糸目で豊満なボディの持ち主、虹彩色に輝く瞳はあらゆる物を写すと言う。おっとりした雰囲気とは裏腹にその野望は確固たるもの。

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