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ヒーローインヘアレント(仮)  作者: 作者ir
戦禍再現編
24/35

2章24話 天国入門

前回のあらすーじー

最高レベルの任務に駆り出され、飛鳥は心身に傷を受けて意識を失った

文字数3000字程度、約8分

―天国入門



見知らぬ天井がぼやけて見えた

遅れて全身にヒリヒリとした深い痛みが走る


「お目覚めですか?」


そばには金髪のストレートで白衣を着ている少女

瞳がエメラルドの様に光り、陽射しと相まって天使に見える女の子が何か作業をしていた

全身包帯ぐるぐる巻きの大火傷

(ここは天国か?)

うまく言葉が出なかった

喉の奥も同じに乾いた痛みを感じた


「全身かなりひどい火傷を負っていました、今痛むところはありますか?どのような痛みですか?敵の攻撃によるものですか?」

(めちゃ聞いてくるやんけ)

「へんひんはヒイヒイひへ、ふひはわほほはひほうははんひへふ、ひふんへはひはひは…」

喉が痛くうまく発音できなかった


「なるほど…まだ力の制御ができていないのですね、内側も、となるとかなり厄介ですね、心痛の所ありがとうございます、後ほど参りますが、先にお水などは入りますか?」

(……普通に通じたんやが)

「…ひいはふ」

「すぐにお持ちします」

(可愛い…)

看護師が出て行ってからすぐにドアが空いた

「失礼するぞ」

「ははへ?」

「久しぶりって言うほどでもないけど、久しぶりだね」

「うん」

「大丈夫、なのか?」

ベット横の椅子に座り、リンゴの皮を剥きながら様子を伺ってきた

「すほくいはい」(すごく痛い)

「ふふ…そうか、それはすまない」

(よく通じるな君たち)

肩を窄めて窃笑する。

少し髪を切ったのか、スッキリしていて大人びた印象を受けた

(子供の成長は早いなぁ)

「無事で…良かった…」


ここからは樋口翻訳でお届けします


「ここは?」

「ホープの医務室だよ」

「そか」

「…その、…大丈夫?」

リンゴの皮を剥く手を止めて、再び聞いてきた

声色は少し暗かった、きっと心のことを聞いてくれているのだろう

「全然だいじょーぶ」

笑顔を作って見せた

少し疲れたので目を瞑る

「私にできることならなんでもするからな」

「ありがと…」

痛みこそあれど、落ち着いた雰囲気に心地よさを感じていた

シャナッ

りんごを齧る音がする

(茜が食べるかい)

「飛鳥、起きてるか?」

「…うん…」

「研究所の人から聞いたんだけど…」

「ん?」

「少し口を開けてくれないか?」

「うん」


口にリンゴの風味が広がる

暖かい

(リンゴ握りつぶしてんのか?)

少量の水分を喉に通す

……

「!!」

目を見開いてそばに座る少女を見る

「おまじない…」

口元を拭い、どこか遠い部屋の隅に視線を落としている

「ごめんなさい、どうしても…」

「いや、むしろありがとう」

「え?」

「なんか楽になった…」

心臓が激しく鼓動し、全身に血流がこれでもかと流れて巡る

いつの間にか切り分けられたリンゴの一欠片を爪楊枝で刺してこちらに差し出してきた

「食べるか?」

リンゴの味がした、ひんやりしていて、かなり甘かった

そして気づく

「なにかあったのか?」

喉が潤って発声がしやすくなった気がした

「あぁ、実は…」

遮るようにドアが開いた

「水をお持ちしました、ついでにで診察もしておきましょう」

「はい」

「…じゃあ私は行くぞ」

「ありがと」

すれ違う

「診察を始めるから脱いでもらおう」

「分かりました」

「その前に自己紹介がまだでしたね」


『十二師第八位 ラヴィ・ナイチンゲール』


「ラヴィ・ナイチンゲール、医療従事者の端くれですが、十二師では八位の座を頂いている者です」

「私の殊科は多岐にわたりますが、直接触れたものの状態を理解できると言う物があります」

「はぁ…」(殊科すげぇ!)

自分の胸と患者の胸に手を当て、目を瞑る

「…、このまま行けば明日には完治するみたいですね?凄い回復力です」

「はぁ?」

「留意しておいて欲しいのですが、一般的な治癒魔法、ヒールの有効時間は傷を受けてから30分以内、それを過ぎると効き目が悪くなります、完全には治癒しきれず、最悪の場合戻らなくなります」

「治癒魔法なんてあるんですか?」

「ごく限られた者しか使えません、それと対象者の体力に依存しているので…」

急に歯切れが悪くなる

「ごく限られたホープの天使さんがわざわざ俺に?」

「構いません、貴方はかなりの重症だと聞いていたので、むしろ安心しました」

「ラヴィ様!」

ドアが急に開いた

「重傷者多数!応援お願いします」

「分かりました、すぐに向かいます」

「頑張ってください」

「…えぇ、お互いに」

と微笑んで見せた

(天使だ…)

「あ、それと…」

天使は耳元で囁いた

「溜めすぎはよく無いですよ」

「はい?」

「それも生物のごく普通の生理現象です」

「そ、そんな事…」

「吐き出したい時は私でもよければいつでも対応しますから」

「…はい」

彼女はうなずきその場を後にした

「…特にレベルの高いものを回してください、全て私が対処します、それから離れた四肢は近くに…」

 彼女の声は小さくなり最後には静寂に戻る

嵐が去った様に静かになった病室は、やはり一人の寂しさを、あの時の後悔を濃くしていく

言葉が出なかった、あの時は興奮が大きかった気がする、目がしょぼしょぼする。

(溜めすぎは良く無いか…凄いな、そんな事まで、クソ…クソ……)

とめどなく流れる後悔、窓の外は雲に覆われて暗く、今にも降り出しそうだった

「何で…何で俺はこんな……」

扉の前の咲夜はただ、声を聞いてその場を後にした



――

 とある廃ビルの二階

「おわぁ!!」

すっぽんぽんの伊村が目覚める

青年が1人

「やったのか?」

「うん、ひとりやったよ?脱兎のでかいやつ」

「智慧ではないな」

「あれは大物だからね、デザートに頂きたいもんじゃ」

「1人だけか?他に居なかったのか?」

「いた、他にそのちっちゃい奴、あいつは凄かったな!コアを体ごと消されたんだ」

「…その他は逃したのか」

「まぁねぇー」

「……、そいつの名前は?」

「確か、マスターみたいなやつ」

「マスター?…聞いた事が無いな、新手の神童か、面倒な」

「いやぁ〜楽しかったなぁ」

「はぁ…お前は遊びすぎだ」

「だって遊びだろ?もっと楽しもうぜぇ?」

後ろに振り返った伊村に刀を降り左腕を切り飛ばしてみせた

「………」

断面から血が吹き出すがすぐに収まり、新たな腕が生えてきた

こちらを向いてすぐに壁に押し付け、刃を向けた

「ここで君と遊んでもいいけど?」

「はぁ、それをしてくれ、多少の無茶でも君は死なないんだろ?」

「分かったよ〜次来たやつ全員殺すからぁ〜次も任せてよ」

「そうしてくれ、それと離せ」

「次わ京都だよな、月城はくんの?」

「あぁ俺も動くつもりだ、離せ」

「その前に血を回収しながら向かってもよいか?」

「くれぐれも隠密にな、離せ」

「了解しました」

「その神童の情報もまとめておいてくれよ」

「うぇーーい」

呑気に納刀しこの場を去って行った

「はぁ無駄に力のある愚鈍の相手は堪えるな…桐野、いるんだろう」

「はい、ここに居ますよ、とうとう僕の出番ですね?」

柿色の瞳に糸目、茶髪の少年が物陰から姿を現した

「そうだ、お前も体を動かしておきたいだろう」

「強いやつきますかね」

「京都支部には狂犬と呼ばれるヴィヴィアナ・ロジャード、三白家がある」

「さんやくや?強い?」

「隊長のあらがねいうやつは特に注意だな」

「ふーん」

「支部長である光源氏を引きずり出せればこちらの勝ち」

「そんなん簡単じゃん」

「ただその取り巻き、紫式部と名乗る女が厄介だ」

「面白そうじゃん」

「特にでかいからな…(胸が)」

「そんなに大きいんだ(武器が)」

「いずれにせよ我らの敵ではない」

「あの関西弁のおじさんは?」

「奴には手数を増やしてもらう」

「手数?」

「そうだ、既に京都を焼け野原にするという情報はホープに知られている」

「えぇ!?そんなの戦力が集中しちゃうじゃん」

「今回君には、孤軍奮闘してもらう」

「つまり僕の実力を見たいんだな!任せろ!」

「だが、頃合いで引いてくれ」

「えぇ!?引くの!?」

(いちいち反応が面白いな)

「あぁ、それも実力のうちだ」

「なるほどぉ…」


「さぁ、第ニ章…、下剋上を始めようか」

「下剋上ってなに?」

「今決めたんだから喋ん…

「だから今喋ってんだろ!絶対わざとだよな?」

「どこにキレてるんですか!?」

「いや、なんでもない、さて次回は、もしや天使、新しい仲間の予感がするな」

「だからどこに…」

「お楽しみに」

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