表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

6/83

聖なる夜にフラグ回収を

翌日、登校中にセナの姿を見つける。

そういや今年のクリスマスはどうすっか……一応妹達と約束しちゃったからなあ。

心配もかけたし今年は家族とイヴを過ごすって事を一応伝えとくか。


「おーっす、ハルゥ」


 うおう、カナタか。

最近俺の気配察知スキルが仕事してない。


「気配を消すなこのストーカーめ」


「ギクゥ、じゃねーわ、誰がストーカーだ」


「後ろから近づくヤツは軒並みそうだ」


「極端なやっちゃな……ゴル◯なら撃ち殺してるってか」


「わかっているならやめなさい」


「いちいち声かけるのに前にまわり込む奴がいるか」


 まあ、俺もセナに後ろから声をかけるとこだったからな、危ない危ない。


「あ、セナもいんじゃん、おーいセナー、おーっす」


「あ、カナタじゃん、おはー」


「いや俺もいるで?」


「何だ顔面有刺鉄線」


「どゆこと? 俺の顔面が立ち入り禁止って言いたいのか? いや意味わかんねえよ」


「ふん、私の足に言及したヤツは顔にバラ線巻かれて苦しめばいいのよ」


「いやバラ線て、オマエいくつだよ、ってか許してくれるゆうたやん」


「誰がゆうたよ、私は『ゆう』よ」


「何だよセナ、朝からご機嫌だな」


「あらカナタ、私はいつでもご機嫌よう」


「何そのテンション、変なモン食ってねえだろうな」


「ハルの料理なんか食べるわけないでしょ」


 俺の料理を変なモンだと? まあ大体あってる。

なんか急に元気になったな、事故の件からやっと吹っ切れたのだろうか。

早えな、まだそんなに経ってないだろ……まあいい事だけど、このメンタルお化けめ。


「まあいい、二人ともおはよう」


 うむ、実に自然な会話だ。 やはりこうでなくてはな。


「そういやクリスマスだけどさ」


 ギラリ


 ん? なんか今効果音がなった気がするぞ。


「今年はどうする? 実は俺ちょっと家族で約束が出来てさ」


「あ、へ、あ、そ……そうなんだ、へーあの可愛い妹ちゃん達と?」


 何だ? なんか棘があるぞ……有刺鉄線か?

確かに妹達は可愛いけどお前も可愛いんだからいいじゃねえか。

……まあみんな俺の認識では元男なんだがな。

早いとこ現実に認識を合わせないと彼女らにも失礼だよな。


「まあハルんとこは賑やかそうだよな、でもお前家族でクリスマスとかガキくせえっていってなかった?」


「言った。でも今回はちょっと多大な心配をかけたからな」


 機嫌が良さそうだし、今のセナなら事故関係の話をしても何となく大丈夫そうな気もする。


「あーね、ごめんね。私のせいで」


「気にすんなよ、お互い無事で良かったじゃねーか」


 よし普通だ。 誰だ、俺が気遣いがクソザコとか言ったヤツは。

え、誰も言ってないって? いや言われた気がする。


「でもそっかー、残念だけど今年は私も女友達とはしゃぐわ」


「え、いや……じゃあオレは?」


「あーそっかー、カナタボッチかー」


「やめてセナ、オレのライフはゼロよ」


「何だよ、別に俺いなくたって二人でやりゃあいいじゃん」


「ナイスハル、今いい事言った」


「やーでも二人だとー、友達に噂されたら恥ずかしーしー」


「今更なんの噂だよ」


 わちゃわちゃ喋りながらも学校に到着。

登校中相変わらず視線を感じるけど、もう慣れたな。

俺の無事を全校放送で流したらしいし、下級生達にも注目されてる。

ちなみにミツは朝練だ。


 最終的に『じゃあ大人数で集まろう』となって、セナの友達とカナタの友達とで合流する流れとなった。

セナはともかくカナタ、お前俺以外の友達いたのか。

べ、別に俺だって他に友達くらいいらぁ。

…‥累計10分も喋れば友達に入るよな? 1日1分で10日間……よし友達だな。


 まあ友達の定義はどうでもいい。

これで当日の心配は追試がどうなるかだけど、終業式の日に追試など血も涙もない鬼の所業だ。

そんな事しないですよね、信じてますよ先生。


「藤堂、まあなんだ……お前も大変だったな」


 テスト返却の折、そんな言葉を各先生から投げ掛けられた。

事情が事情であるし、今までの成績から考えて今回は冬休み中に課題をこなせば面倒を見てくれるらしい。

通知表の評価は中間までで判断してくれるという温情措置。

優しい世界。 帰ってきて良かった。 好き。


 まあ出された課題の量はやさしくなかったが。

ともあれ懸念していた事は全てクリアだ、クリスマスは安心して妹サービスができる。

だからココちゃん、課題手伝って。


 まあもちろん兄として情けない姿を見せられないので、今日から少しづつでも片付けてしまおう。

幸い明日から土日で休みだ。

課題をきっちりこなせば今の世界に対する理解もさらに深まるだろう。

なんせ義務教育の範囲なのだから、基本的には一般常識と言える。


 高校とかはそれから考えても遅くはないだろう。

一応霊奧学園高校に心が動いているが、決定的ではない。

大体ダンジョンなんてもう飽きた。

向こうのとの違いはあるかもしれんけど、せっかくのこっちの世界だ。

作家とかなれるかはともかく普通に仕事して結婚とかもしてまともな人生を送りたいモンだ……フラグにしか思えねーのは気のせいだよな。


 と、いうわけで今日は24日。

終業式アンドクリスマスだ。まあ授業もないし学校も半日あがり。


「ようっし、終わったー。このままクリパ直行か!」


「いや、せめて着替えくらいしに帰りなさいよ」


「なんだよハルぅ、羨ましいのか」


 そんな事は言ってない。

随分と浮かれてるなあ、まあ今回は三人じゃなくて大人数だろうからテンション高いのもしかたないか。


「俺が行かないと言うのにご機嫌じゃねえか、一体何やんだよ」


「まあ、カラオケ行ったりボーリングしたり?」

 

「クリスマス関係ねえな」


「そんなモンだろ、みんなでクリスマスに集まるって事に意味があんだよ」


 この俺を朴念仁だと思って侮ってもらっては困る。

さてはセナの友達に好きな女の子がいるな。

それでセナとクリスマスをやりたがってたんだな、単純なヤツめ。

まあ応援ぐらいはしてやるさ。


 コイツぁイケメンだし、いいヤツだしな。

上手くいく可能性は高いんじゃないかな、相手は誰だか知らんけど。

いや俺も心なしかイケメンっぽくマイナーチェンジしてるとは思うけど、方向性がなあ。


 まあいい、俺もとっとと帰るとするか。

キョウちゃんがなんかお昼作っててくれてるかもだしな。


 昼飯はなかった。 代わりにミツが父さんから小遣いを預かっていて、それで何か食べようと言う話になった。


 両親は今日も仕事。 確か二人で起業してなんかやってる話を聞いたことがあったけど、あまり覚えてない。

繁盛して忙しいのか、貧乏暇なしなのかはわからない。

ただこうやって小遣いをくれたり、3LDKマンションを購入したり、兄妹四人を育ててくれたりしてるので文句などない、感謝してます。

……でもなんでミツに渡すの? 俺長男よ?


 ファミレスで昼食を摂り、駅前モールを散策する。

結構な人出だ、やはりクリスマスは強い。

こうやって誘われてなければ、カナタかセナんちでゲームでもしてたところだろう。

そういやカラオケもボーリングもこの辺にあるな。


「うーだいぶ寒くなってきたね」


「ミツ姉ちゃんそんなに着込んでまだ寒ぃのか」


「いやキョウちゃんが薄着すぎない?」


 キョウはトレーナーに薄手でショート丈のカーディガンにミニスカート。

おまけに生足で寒そうにしか見えない。おしゃれだと言われても寒そう以外の感想が出ない。


 ミツはアウターにダウンコートを着込んで膝丈のフレアスカートにブーツ。

まあ普通に暖かそうだ。


 ココは暖かそうなセーターを着て首にはマフラー、ウールのレギンスにデニムスカートを合わせている。


 俺はと言うと、グレー無地のトレーナーにベージュのストレッチチノパン。

その上から黒っぽい紺のロングコートを羽織っている。

……おしゃれなど知らん。


 軽くウインドショッピングで店を冷やかしつつ買い物もこなしていく。

今日は鍋ものだ。

ホールケーキの予約はできなかったので、カットされたものを人数分買っておく。 もちろん両親の分もだ。


 「だいぶ日が落ちたなあ」


 時間はおよそ16時半、昏くなってきた。


「イルミネーションも綺麗だね」


「兄者、ツリーが見えたよ」


「おお、結構派手に飾ってんだな」


「兄貴、感想がおっさんくさいぜ」


 くっ、この兄にダメージを与えるとは。

だって他に感想とかないし……いや綺麗だとは思うけどそんなの当たり前じゃん。


「よしキョウ以外ツリーに並べ、写真撮ったる」


「えー兄貴、それはないだろ」


「やーいキョウちゃん仲間ハズレー」


「テメココ、誰がハズレてやるもんか、兄貴一緒に撮ってくれ」


「いいからはよ並べ、周りに迷惑かけないようにな」


 ゾワリ


 ……なんだ?

今奇妙な感覚がしたぞ。

……これは、魔力反応?アッチの世界では慣れ親しんだ感覚だ。


「兄さんどうしたの」


「お前らこっちに来い、急げ‼︎」


「どうした兄貴?」


「話は後だいいから来い」


 ヤバいぞ、魔力反応がどんどん高まっていく。

なんだ、何が起こるってんだ?


「何かあったの」


 言いながらこちらに駆け寄る妹達。

いや一人足りない、ココ?


「兄者どうしたの?」


「お前がどうした、早く来い!」


 ツリーの根本、そこの空間歪む。

その周りにいる人達が金縛りにでもあったかのように固まっている……ココもだ。

ツリーまで僅か数メートル、瞬時にツリーまで移動する。

思いのほか体が動く。

すぐさまココの体を抱きしめる……が、その手をすり抜けるかのようにココを含む十人近い人達が歪んだ空間に吸い込まれていく。


「ココー‼︎」


 俺の叫びは虚しく、まるでその空間に吸い込まれていくかのようだった。



ここまではプロローグみたいなもので、やっと次話から本筋です。

これでも前倒ししました。

本当は入学試験で初めてダンジョンに入る予定でしたが、なかなか辿り着かないので

この辺でスタートさせる事にしました。

若干急展開っぽいのはそんな理由です。


 ちなみに、この話に限った事じゃないですが、きちんと校正出来ていないかもなので(一応一通りは読み返してます)気になるところがあればぜひご指摘を。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ