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囮にした訳じゃないよ

 

 セトちゃんの吸収は設定でオフにしているのでスライムは粒子となり、小さい魔石が残り、経験値5とデバイスに表示される。


「ほうコレが魔石か、小さいな」


「スライムじゃあこんなモンじゃな〜い」


「で、でも綺麗です」


 三者三様の意見が出る。

あれ剣ちゃんは?あ、一応見てはいるが意見は特にない様だな。


「ではこの魔石はリーダーのオレが預かっておく」


 サジよ、勝手にリーダー名乗るのって自分で虚しくならない?

沙河楽君もやれやれ顔だよ。


「いや、リーダーは俺が務める」 


 で、出た〜。剣ちゃんも負けず嫌いだなあ。


「どうでも良いよ、先に進もう」


 付き合ってられないので、鳴瀬さんをエスコートしながら先に進む。

エスコートと言っても手を引いてとかではなく、背に庇いながらってだけだ。


「ち、待てや」 「先頭は俺だ」


 もうサジは貴族と言うよりチンピラだな。けん……ケガミでいいや、はとにかく対抗しようとするな。

先頭行きたきゃ行けよ。


 その後も魔物は断続的に出現する。事前の説明は何だったのかってぐらい出る。

サジもケガミも言うだけあって結構戦える。なんか訓練でもしてたのかな?

多分ケガミは霊洞に潜った事がある。どうやってか知らんけど飼っている魔物の気配や戦い方からも分かる、あれは魔物用の動きだ。


 サジは貴族だけに何か特権的な施設でもあるのかも知れない。

貴族も権威付けと言うか箔付けと言うかそんな感じで有力な探索者というのは必要とされているらしい……派閥争いとかな。


 沙河楽君はサポートが上手いな、サジの隙を良く埋めてる。鳴瀬さんはちょっと怯えてるみたいで、俺の後ろから動かない。

俺も鳴瀬さんを守るため動けない。


「おい、藤堂 玻琉綺、お前は何をやっている」


「藤堂君、君も一緒に戦うんだ。それとも何か出来ない訳でも?」


「……俺が出るまでもないじゃないか」


 出てくる魔物は小動物系ばかりだ。ツノのない兎みたいなのとか、鎌の無いイタチみたいなのとか、デカいだけのネズミとか。これでは俺の出る幕が無い。

そもそもあの二人が突っ込み過ぎているため、後方にも気を配らないといけない。

魔物が前からしか出ないと誰が決めた?


「け、大物振りやがって。実はビビってんのか、所詮は飾りのステータスだな」


「数値が高いだけでは意味がない。戦ってこそステータスに価値が出る」


 この脳筋どもが。とは言え実習ではアッちゃんやセトちゃんに頼る気はないので、俺も戦う以外に出来ることってあまり無いちゃあ無い。


「お前らもっと連携とか考えろよ、それじゃ俺も出にくい」


 だからと言って、奴らと一緒になって無闇に暴れるってのはあまりに無様。

役割とまでは言わないから、せめて順番ぐらいは必要だろう。


「それが無理なら……せめて手を出すなよ」


 ちゃんと鳴瀬さんとかを守ってろよ。

ちょっと手強そうなのが出て来そうだ。何でそんなの出んの?

鳴瀬さんの魔力の影響なんて、どんなに凄くても所詮は一人分でしかない。

強度レベルを変えてしまうほどじゃ無いはず、精々出現率アップと言うレベリング用能力みたいなモンだ。


「は?……なんだアレ……」 「おい、冗談だろ……」 「う……う〜わ」


 まあ驚くよな、うん俺だって驚いた。

鳴瀬さんなんか声も出ないしなんなら失神寸前だ。

まさか学校の初日の実習にこんなのぶつけてくると思うか?

レベル2辺りの魔物には到底見えないそれは“ズシン”と脚を踏み出した。


 でっか!ちょっとした象ぐらいありそうなソレは、言ってみればパンダだ。

象ぐらいあるパンダ。いや怖えよ、普通に怖い。少なくともアレを見て『キャーカワイイ』などという奴はいまい。


 うーん、武器が心許ない。四の五の言ってないでタイガーファングでも出すか?

アレはボス素材武器だから持ってても不思議じゃ無いよな。


「や、やめろ!出てくるな!」


「えーい、何を悠長な!アレはお主らでは相手にならん!」


 急にケガミが慌て出すと、身体の中心が光りだし、そう言いながら出て来たのは赤い二本角の狐。小動物だ……が、急に人型に変化する。

まあ定番……かと思いきや、変化したのは鬼みたいな二本角の美女だ。

狐で鬼か、珍しいな。


「妾が手を貸そう、ショウマよ二人でアレを倒すぞ」


「ちょっと待ちなさーい、」 「ガウガウ」


 今度は何だよ。


「ちょっとカエデあんた何抜け駆けしてんの!」


 前髪ぱっつん美少女に、犬っぽいけど……あれ龍か?まだ幼龍みたいだけど。


「何だソレは貴様!」


 サジも声を張るが当然だよな。呆気に取られながら俺も見入るしか無い。

中になんか居るとは思っていたけど、何ともはや。


 ぱっつん美少女は刀に変化しケガミの手に収まり、犬龍はちょっと顔が龍っぽくなった。


「仕方ない、カエデ、リカ、ホロ、アイツを倒すぞ!」


 ケガミぃ、何雰囲気出してんだい?

俺らも居るんだぞ、自分達だけで盛り上がんないで。


 まああの三体合わせて一角虎に迫りそうな圧がある。

あのパンダも一角虎ほどじゃなさそうだからいい勝負かな。

サジも沙河楽君も当然鳴瀬さんも見ている事しか出来ない。よし俺も見てよう。


 こう言う機会は貴重かも知れないし。

おお、あの日本刀……リカだったか?炎とか出すんだ、すげえ派手。犬龍はホロか、がめっちゃ吠えてるけどあれデバフかかってんのかな?パンダの動きが鈍くなったぞ。


 カエデさんって最初キツネだったけど今はキツネ要素がない。

鬼だけあって武器は金砕棒だったかな?まあ所謂金棒だ。

しかもなんか巨大化してパンダと変わらない身長となっている。

まあ殴る殴る、さらに時折り傷を負った時の自分の血を操って針みたいにして刺しに行ったり、口から火を吹いたりしてる。こわあ。


 だけどあまり大きいダメージにはなかなか繋がらない。

パンダタフだな……まあクマだしな。

そろそろケガミ達も疲れが見え始めたかと思った所だった。

パンダの肩の辺りからもう二本の腕が生え、色が変わり始めた。もうパンダじゃない。

 

 そろそろ準備しておこう。コッソリギリギリみんなに聞こえない声でタイガーファングを呼び出す。すでに出来る限りの強化済みだ。


 あ、やられた。

真っ赤に変色したパンダだった魔物が腕を四本広げて高速回転。

太く鋭い爪のある腕の攻撃でケガミ達は地に伏す。


「く、くそ……こんな」


呻くケガミ達にトドメを刺そうと赤い元パンダは姿勢を低くして、もう一度高速回転を繰り出す。


 あ、チャンス。


 俺は駆け出す。

何とか間に合いそうだ、カウンター気味に赤パンダに迫る。

どんなに高速だろうが回転軸は動かない……即ち狙いは頭。お誂え向きに姿勢を低くしてくれたので好都合。


 こちらを全く警戒して無かったのだろう。

先に脅威を感じる方の始末を先にして大技を出したため、完全な隙ができた。

タイガーファングはヘイトを稼ぐのでギリギリまで出さなかった。


「油断しすぎだ!」


 赤パンダの頭に、タイガーファングを突き入れる。

冷やしたバターにバターナイフを刺すぐらいの手応えで赤パンダの頭蓋を貫通。

自らの回転を持って頭部を破壊された赤パンダはそのまま粒子と消えた。




結局トドメはお前かい!って事になってしまいました。

いい面の皮の剣ヶ峰君は今後に期待です。ポテンシャルはあるので。


開始してから今日で二週間がたちました。

何とか毎日更新を続けられてますので、これをどこまで途切れさせずに行けるのか。

ストックなんかとっくに無いので毎日執筆してます。

どっかで(すでに?)矛盾が出そうですが、そうならない様考えてるつもりです。

もし気になるところがあれば、ご指摘頂けたら幸いです。

今日も読んで頂きありがとうございます。


どうか今後もよろしくお願いします。

宜しければ感想、評価、ブックマークも頂けるととても嬉しいです。

前回ブックマークしてくれた方ありがとうございました。

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