俺がスカしてるみたいじゃん
話が違うぞ、そんなに無茶な数値が出る事はないって言ったじゃん。
先生だっていい数値としか言ってなかったし、カタコトだったけど。
……いやでも待てよ?年3だったら基準値の10でも卒業時には19か。
そう考えると確かに無茶な数字ではないのか、まあ周りの驚きっぷりが気になるが、野球とかで一年生ピッチャーがエースになる様なもんか。
……珍しいっちゃ珍しいが、ない話じゃ無いよな。
でもじゃあみんなの反応は?
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
何だ、一体何なんだ⁉︎こんな数値が出るものなのか。
俺は既にヒナからステータスの話は聞いていた。
そしてその数値を出すことが出来るとも。謎の多い少女なので詳しく聞き出す事はしなかったが……。
効率的な成長方法なども教えてもらった。それでも俺が専用霊洞で何年も魔物を倒し続け、やっと去年STを15まで上げ、それからMGとINTを上げ始めた。
今の俺はST15、DEX 11、AG 12、INT14、VIT11、MP14だ。
スタート時点は十歳だったので初期値は低かった。でも五年でステータス+20までにしたんだ。現状でも他のみんなの平均よりも15以上は高い。
それが一度霊洞に潜っただけでその数値?
よほど強い魔物を倒したのか?でも初期値でそんなの倒せるわけ……。
それこそ沙嶋が言う様に何かインチキとかズルをしてるとしか思えない。
一体何者なんだ、藤堂 玻琉綺。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「みんな、何か勘違いしてないか?こんな数値は参考だ、先生も言ってただろう。ただの数値に価値なんてない、何をやるかが価値になると」
言ったっけ?昔誰かが言った事だっけ?
『向こうの世界でハルキが言ってたな』
『俺かい』
「あんま騒ぐなよ、これで俺が何も出来なかったら恥ずかしいだろ」
まあ何も出来んて事はないにしても、たとえばこの間の戦闘は勘も身体も鈍ってたし、探索系はそもそも専門外で殆どやった事なかった。そう言うのは……まあいいや。
とにかくステータスだけで判断されると困るって話だ。
そう言ってもみんな微妙な顔をしてるな。
なんか恥ずかしくなってきた。
「そんな事より今日の午後から霊洞体験だろ、誰か俺と組まねえ?」
照れ隠しにおどけた感じで言ってみた。
そして午後。探索担当の寺井先生の説明が始まる。
「良いか君たち、これから行く霊洞は人工霊洞だ。この学校の敷地内は人工の力場が発生している事は知っていると思うが、その力場LVは1〜1.8に設定してある。これは魔物が発生しない程度のLVだ。だが人工霊洞はそのLVを2〜2.5のせっていになっている。これがどう言う事かと言えば魔物が出る可能性があると言う事だ。この霊洞の中を五人でチームを組んで奥に設置してあるレプリカの宝玉を持ち帰ってもらうのが今回の実習内容だ。一応タイムトライアル的に順位は付ける。成績に反映はされないがな」
人工で霊洞って作れるんだ、一体全体どういう技術なんだろう。
そういう事が出来るなら霊洞枯渇による資源不足の心配なんて要らないよな。
だからかな、その憂いを無くすためにそういう技術が出来てきたって流れなのかも……人間って凄いな。
まあ、分からない技術よりまずはチーム作りだ。
……うーん、どうなんだろう。そりゃ別に誰でも良いとは思うけど。
五人一組で周る事になってるけど。
「藤堂 玻琉綺、貴様の実力は実戦で見極めさせてもらう!」
サジよ、別にコレそう言う実習じゃねーだろ。
「藤堂、俺もだ。君に負けるつもりはないが、実際の動きを確認させてもらう!」
剣ヶ峰君もさあ、何でこうちょっとムッとしてんの?後君らもらいすぎ
「竜司〜お前も難儀だなあ」
沙河楽君、君もお供大変だね。
「あ〜藤堂君昨日は、ごめんね。今日はよろしく、頼りにしてるよ」
鳴瀬さん、君が俺の救いだ。よしこの五人で頑張ろう。
「こちらこそよろしく、まあ頑張るよ」
『あまり頑張るとより絡まれるのではないか?』
『そこはまあ、ほどほどに頑張るよ。けど頑張る様な内容じゃないんだよな』
《該当データによると“フラグ”に当ります》
『セトちゃんやめて』
「でも今日の実習は霊洞に慣れるためのただの潜行体験だろ?強度も2ぐらいだし」
そう、言ってみれば霊洞を歩いて帰ってくるだけ。
ひょっとしたら魔物も出るかもしれないけど、強度2辺りなら出たとしてもあまり脅威ではないし、素材もほぼ落とさないうえ魔石も小さいと言う話だ。
一応備品みたいな武器は渡されている。全員剣だ。
「で、でも人工とは言え霊洞だよ?何があるか分からないし」
「ふん、心配症な奴め。2の魔物など俺でも勝てるわ」
鳴瀬さんの心配はもっともだし、サジの自信はよく分からん、魔物と戦った事あんの?
「さあみんな、早く行こう。目指すは一位だ」
「仕切るな無礼者、一位など当然だ」
剣ヶ峰君とサジは相性悪そうだな、大丈夫かな?
「いや〜慌て過ぎでしょ、普通に順番にスタートだし〜」
沙河楽君の方が安心感がある。
「あ、あのその…‥な、仲良く」
コラ、お前ら鳴瀬さんを怯えさすな。
そうして始まった霊洞実習。
今回のは人工という事だが駅前のとは入り口からして違った。
駅前のは歪んだ空間だったが、ここのは黒っぽい球体だ。
みんな流石に少しは緊張してるみたいだけど、剣ヶ峰君は余裕があるな。
肝が据わっている。
『あの剣ヶ峰と言う男、妙な気配を漂わせておるな』
『妙って?』
霊洞に入ったと同時にアッちゃんが言う。
『いや、他の者とは違うと言うだけだが……溢流魔力に別のモノが混ざっている』
『ふーん、まあそう言う事もあるんじゃない?彼、体内になんか飼ってそうだし』
今霊洞に入って分かったが、あの一角虎にも迫る気配を剣ヶ峰君の中に感じる。
何か使役してるのか、されてるのか。
たぶん前者だな、精神には及んではいない様子だ。
そんな事より俺は鳴瀬さんこそ気になる。
霊洞に入った途端に鳴瀬さんの体から、その溢流魔力が凄い圧を持って辺りに撒き散らされる。
『コッチのが凄いでしょ』
『うむ、我が感じた中でもハルキに次ぐな』
流石は学院入学者は凄いな。普段は感じないけど外部の魔圧に反応してるのかな。
剣ヶ峰君のは普通は感じられない類の力みたいなので、他の人は気付いてない。
鳴瀬さんの溢流魔圧もすぐに霊洞内の魔力と混じってしまうので分からないだろう。
鳴瀬さんは凄い才能を持ってるな、測定値どうなってんだろ。
さっき話題になってなかったから数値は普通なのかな?測定外の能力ってのもありそうだしな。
なおさら探索者はステータスだけじゃないな。
けどこれで懸念が実現しそうだな。セトちゃんがフラグとか言うから。
これ多分魔物とかおびき寄せそう……と言うか発生させやすくなるな。
この辺りの力場が強まってる気がする。
数分歩いたところでお出ましだ。
魔物の登場だ。
「よっしゃ!」
「まかせろ!」
魔物はゼリー状の身体を震わせながら襲いかかってくる。
スライムだ。剣ちゃんとサジが切り掛かるが、スライムに剣って効くの?
まあ見えてるあの核を壊せば良いってのがセオリーか。
が、同時に攻撃したため二人がぶつかる。
「うわ!」 「テメッ!」
バランスを崩した二人にスライムが迫る。
「やべ」
沙河楽君が慌てて二人に向かうが遅い。ちょっと危ないけどしょうがない。
俺はおもむろに剣を構える。
で、投げる!
俺の魔力を乗せた剣は狙い違わずスライムの核を砕いた。
二人の頭上を掠める様にして……別にわざとじゃ無い、そこにスライムがいたからだ。
「ひえ」
鳴瀬さんが小さく悲鳴を上げる。
「オイ!」 「危ないだろっ、」
二人が大きく文句を言う。
「……敵を前にして遊ぶなよ」
俺も文句を言う。
真っ当な意見だよな?
一応無双モノにはしないつもりなのですが、筆がノったらどうなるか分かりません。
あとハーレムも多分無いです。そんなんですが今後もよろしくお願いします。
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