ステータスって伊達じゃない?
鳴瀬さんに振られて一人歩く俺。
側から見れば一人なんだが、脳内会話は賑やかな事になっている。
そう言えば、脳波通信みたいな事できるならアイテム出し入れとかも脳波で出してくれよと言う俺の希望は《仕様です》の一言で却下された。
アッちゃん曰く声に出すのがロマンなのだとの事。遊んでんなあ。
校舎から歩くこと三十分、俺は町に着いた。
町だった。商店や食事処、ビルに住宅、遊興施設から何かの工場。
少なくとも駅前商店街の規模ではない。
これ絶対学校関係ないの混ざってんだろ。
ビルにはいろんな企業が入ってるし、工場なんかには俺も知ってる企業のロゴ。
普通に大人が歩いてるし、学生の姿はない。
よく考えたら上級生は授業中だし、新入生は来る用事が無いのだろう。
買い物は全て校内通貨のポイント制らしく専用デバイスの様な物を使っていた。
俺まだ貰ってない。そのうち支給とかされんのかな。
実は俺はまだ手放していない素材があった。アッちゃんに『それはまだ持っておけ』と言われた物だ。
一角虎の獣玉、宝珠、魔石にバクレイオンの魔導書、素材じゃ無いけどバイタルホルンにタイガーファング。
これらは売れるのだろうか?まあ持っておけと言うのだから売らない方がいいのだろうが、興味がある。
けど、買取屋を探すのも一苦労しそうだし、デバイスも持ってない。
町の確認は出来たので今日はコレくらいで勘弁しておこうと寮に戻る事にした。
翌日、通常授業と言っていたけどまずはその準備がある。
その為にステータス測定と言うある種お祭りみたいな雰囲気の授業がある。
コレは擬似訓練につかうデータ取りで、今回出てくる数値が全てを決めると言う様な性質を持つものではない。
もとはとあるゲーム会社の技術らしく、VRオンラインゲームで使う予定だったそうだが、その不安定さとコストから頓挫した物を別の企業が買い取り、実用に足る性能を獲得したそうだ。
凄えなゲーム会社、本気出しすぎだろ。
なんでも体内の内包魔力の反応から筋力だの脳シナプスの動きだのを読み取って数値に反映する試みだったらしい。
ゲームに使用するレベル超えてんな。
「藤堂 玻琉綺!貴様の化けの皮もここまでだ、どんなイカサマだろうと数字の前には無力だ、さあ見せてもらおうか」
「数値の公表は義務じゃないだろ」
まだ測ってない、これからだよ焦んなって。
けどここで表れる数値というのはあくまで擬似訓練用の数値だ。
正確に本人の能力を示すものではないんだぜ。
しかしまあ、確かに自分の能力が参考記録とは言え、数字として目に見えるのは能力の裏付けとしては分かりやすい。
低いからと言ってそれがすぐさま無能となる訳ではないが、高いほうがいいのは当然だ。
もちろん今後の授業や訓練などによって、魔法を覚えたりスキルを身に付けたり等で能力などどうにでも強化していけるし、成長もする。
だが基本スペックの高さと言うのはそれこそステータスとなる。
フィジカルモンスターこそ最強なのだ理論と言える。
まあ同意は出来る。
ただその弊害としてステータスの低さを理由に学校側から冷遇される事は無いにしても、生徒間で差別、迫害、嘲笑、イジメなどの問題が起こりかねないので公表は本人次第となっている。
まあ、つまり公表しないって事はお察しという事だが。
ステータスはストレングス、デクスタリティ、アジリティ、インテリジェンス、ヴァイタリティ、マジックパワーとなっている。
ストレングスはパワーとか頑丈さと言ったフィジカルの強さ。
デクスタリティは手先の器用さや回避行動における俊敏さ。
アジリティは行動時の素早さや攻撃速度に影響する瞬発力。
インテリジェンスは魔法の習得に影響、
ヴァイタリティは生命力、つまり行動限界までの猶予、
マジックパワーは魔法の威力や使用回数、スキル習得や成長時の各種ステータスアップ率となっている。
これらはそう言った能力を体内魔力から読み取り便宜上の名称をつけたものだ。
昨日読んだ教科書に書いてあった。
「ふん、だから何だ。貴様自分の力を隠し立てする気か」
「別に隠す気は無いけど、低かったらバカにするんだろ?」
「当然だ!それが貴様のインチキの証明になるんだからな」
何故こう、沙嶋君は俺に食ってかかるのか?
いいじゃん別に俺なんてどうでも、自分が成長するのが大事だろうに。
はっ⁉︎まさかツンデレか、この後デレが待ってるのか?
いや、そう言うのいいです。
「まあいいや、分かったよ。測定したら見せるよ」
別に数値がどうだろうが気にすることも無い。
体内魔力が測定の基準になるなら俺の魔力は多分ヤバい、どうなるのか見当もつかない。
かなりの数値が出るのか、それともよくあるバグみたいになってバカみたいに低い数値が出るのか……
平均値は10で、それ以上か以下かで判断される。
初期値は大体そんなもんらしい、教科書に書いてあった。
『心配するなハルキよ、今のお前は人間なのだ、中身はどうあれな。そんな無茶な数値が出る事もあるまい、確かにお前の経験は通常の人間にはありえん事だがこの装置でその経験まで測る事はできまい』
アッちゃん、あったかい言葉をありがとう。
「よし次は藤堂だ、測定装置に座れ」
魔導工学の担当である鴫ヶ谷先生が俺を呼び出し、測定ルームに入る。
測定ルームは四部屋で一人づつ測定する。それまでは教室で自習だ。
結構時間かかるなあ、俺は結構最後の方だった。
装置はまるでマッサージチェアの様な形だ。
血圧測る時のサポーターみたいなのがいっぱい着いているのと、サイケデリックな被り物以外は。
全て装着して椅子に座ると魔力が刺激を受けた様な感覚を受ける。
これが今読み取ってる状態なのか、なんかくすぐったいな。
あまり長時間だとちょっとヤダ。
「よし、測定結果が出た。授業後デヴァイスを渡すから、それにも反映されてる。
ステータスオープンの音声入力で呼び出せるし、まあ普通にタッチパネルでも表示出来る」
測定結果が書かれた用紙を受け取る。
何だよ音声入力流行ってんの?みんな恥ずかしく無いの?
ちなみに測定結果は、
ストレングス(ST) 15
デクスタリティ(DEX)18
アジリティ(AG)16
インテリジェンス(INT)17
ヴァイタリティ(VIT)20
マジックパワー(MP)22
えーっと……低くは無いんだろうけど……高いの?普通の範囲?基準が10だろ。
「先生、コレっていい数値なんですか」
「ん、どれ…………マアイイスウチ、ダナ」
先生、急にカタコトにならないで下さい、聞き取りづらいです。
まあ、普通にいい数値ってんならいいや、沙嶋も納得してくれるだろ。
みんなの所に戻ると、教室内が軽くざわめく。
ほらあ、沙嶋が騒ぐからみんな俺のステータス気にしちゃってんじゃん。
一応俺は有名みたいだし気になるのも分かるけど。
「おお、藤堂 玻琉綺!き、貴様。す、ステータスを見せろ!」
フルネーム呼びやめようぜ。
「分かったって、見せるよ」
ほら、これで満足だろ。
「っこ、これは……」 「げえっ!」 「う、おお、お」 「オイオイ、アイツ死んだわ」
「そ、そんな」 「すっ……ご」 「わ〜お〜」
様々な声ってかうめき?を発する一同。
「こん中で一番高いのって剣ヶ峰君だったヨネ……」
進道 優菜さんが呟く。
ほう、ライバル宣言の剣ヶ峰君は高かったのか、自信ありそうだったし流石だな。
「……俺だって最高で15だ」
え、最高が?……って事は俺がトップか、まあでもそのぐらいの差なら『おお、凄えじゃん』で済みそうだな。
「こんなバカな、一年がかりで3上げるのがやっとだって話なのに」
え?そうなんだ……へえ、おいアッちゃん。
ステータス数値はなるべく低めに設定しました。
主人公にいきなり最高数値はどうかと思いましたが、低いのも不自然なので。
たまに唐突にクラスメイトの名前が出てきますが、別に話に絡むとは限らないです。単なる囃しです。
さて次回は学院ダンジョン回です。
一体どうなるんだ?
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最後に、厚かましいですがブクマや評価や感想などお待ちしてます。
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ではまた次回




